「暗い境遇にあっても、輝く瞬間が確かにあった」ナイトフラワー 日和さんの映画レビュー(感想・評価)
暗い境遇にあっても、輝く瞬間が確かにあった
ドラッグの売人のシングルマザー、の時点で身構えたが、見て良かった。
北川さんは今まで綺麗すぎて感情移入が難しかったが、今回、関西弁のかあちゃんにすっかり持っていかれた。
あの粗野な多摩恵を抱きしめたくなるこの気持ちは何?あの目が忘れられない。そりゃ夏希も海も離したくないわ。体も声も性格も森田さんとはまるで別人で、信じられないほど。
海から漂う暗さと自信のなさ、唯一強く持つ多摩恵への想いは、報われない予感しかなくて苦しかった。弱さは優しさと背中合わせでもあって、切ない。
サトウは、怖いけど実は優しい、訳ではない。
何かが欠落していて、静かに狂ってる。怒鳴る訳でもなく、怖さを滲ませる、鼻歌みたいな抑揚のかあちゃん、の台詞回しが絶妙だった。
そして娘役の渡瀬結美さん、私はあなたのファンです。
重たい題材だが、そんな彼女ら、彼らにも輝く瞬間が確かにあって、あの結末が一周回って、bitterでbetterだったように思える。
今振り返るとさまざまな伏線があったので、また見たい。
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