「阿部寛の演技が面白い秀逸なミステリー」俺ではない炎上 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
阿部寛の演技が面白い秀逸なミステリー
キャストから真犯人を予想してしまう自分の癖で
見事に犯人を当ててしまった。。
この先入観ありきの見方はよくないなと思うものの、
ただ、そこにいきつくまでのプロセスは予想できていない
ので、ミステリーとして充分楽しめるのだ。
かなり無理のある冤罪事件だが、
実際、阿部寛演じる山縣泰介の身になって想像すると、
実に恐ろしい。実際こんなことがあってもおかしくない
と思わせる、そんな臨場感があった。
とにかく逃げる阿部寛の演技が面白い。
本人の身になってみたら、たまったもんじゃないが、
ここにコミカルさがあるのが救い。
特に逃亡中における浜野謙太演じる塩見との会話で、
よもや自分に恨みをもっている人間なんていないだろうと
露ほどにも疑っていない泰介の認識が覆されるところが
ハイライトだ。
芦田愛菜が登場してからは、過去と現在が入り混じる展開
となるが、ここは謎解き&真犯人の解像度を上げるための
エピソードだったりして、
芦田愛菜の啖呵をきるシーンは実に見応えあり。
本当に言われたら泣くレベル(笑)
SNS上や泰介の義母の豹変ぶりに、
人って実にいい加減で、世論にすぐに流されちゃうことを
皮肉たっぷりに描いていて笑いが出てしまう。
ラストでは、
自分にベクトルを向ける人と他人にベクトルを向ける人が
対比して描かれているが、これが本作の根底にある
メッセージとして受け止めた。
全て人のせいにして、自分は悪くないという人。
これでは周囲との関係性がうまくいくはずないと思う。
期待はさほどしていなかったが、
なかなかに楽しめる秀逸なミステリーであった。
共感ありがとうございます。
今にして思えば爆弾との共通点が多々見られると思いますね。
特に夏川結衣さんの演技、ほぼまんまじゃないですか?コレには後でがっかりしました。
大まじめなほど可笑みが増す阿部ちゃん、今回もいい仕事してましたね!
ようやくスマホを入手して座標探しかと思いきや、まずエゴサって笑ってしまいました。鈍感で自己中で独りよがりでうぬぼれやなだけ(だけ?)で単純なので、嫌な奴だけど根っからの悪人ではなさそう、と思いました。
共感ありがとうございます!
>見事に犯人を当ててしまった
これは初手から誰が被疑者か皆さん判っていたと思います。あの挙動不審な感じ、犯人の看板を下げて歩いてるみたいなものですからね。芦田愛菜を見た時のニヤリとか、モデルルームのカギを開けておいて誘い込んでからメシを食わせるとか、やってることに1ミリも利益が無いですからね。
>芦田愛菜の啖呵をきるシーンは実に見応えあり
私はこういう台詞回しを「キレ芸」と呼んでいます。台詞を正確に覚えて一気に捲し立てるには相当の技量が必要なので、キレ芸の出来る人は役者として完成してると思います。
ちょっと気になったのが犯人の犯行動機が希薄な部分だったのですが、原作を読み込むとそのあたりがハッキリするらしいので、早速アマゾンでポチッとしました。



