「深く静かに、、」TOKYOタクシー Route101さんの映画レビュー(感想・評価)
深く静かに、、
映画館はリラックスしながらも神経を研ぎ澄ませ集中するいわば極上の時間となりうる。家でのテレビと違い、積極心で大画面を見て耳だけでなく全身の細胞で浴びる分感動も大きい。
冒頭タクシードライバーの宇佐美の家計に苦しむ描写でリアリティがあり世界にすんなり入っていけた。
固定された空間でいながら景色は移り変わる。
無愛想な2人が徐々に自然に打ち解けていく。
路地の風景とともに戦中幼少期から徐々に紐解かれるすみれの過去は想像を超える苦悩を抱えていた。名作なりうるにはほのぼのだけで終わるわけにはいかない。壮絶な過去とほのぼのした現在(タクシー)を行き来する。
すみれは長い孤独のなかで蓋をし沈もれていた悲しみを、全て聴き受けとめてくれる存在との邂逅により、最期に自身を涙とともに受け入れることができた。
その対価としてけして高すぎではないと思える。さらに宇佐美はすみれとの出会いにより、お金以上のものを得たのかもしれない。
戦後の日本を懸命に生きた
一人の人生の重みを感じました。
夜景とともに深く静かに、、、
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