「怖いのに、あたたかい——夏にぴったりの新しいホラー体験」事故物件ゾク 恐い間取り wxyさんの映画レビュー(感想・評価)
怖いのに、あたたかい——夏にぴったりの新しいホラー体験
観終えてまず感じたのは、「怖いだけじゃない」という意外性。心霊現象や不穏な空気にゾッとしながらも、物語の奥には人間ドラマの温かさがあり、ただのホラーでは終わらない作品だった。前作と比べてストーリー構成がぐっと良くなっていて、「なんでそうなるの?」という疑問がなく、自然と物語に引き込まれていく。
中田秀夫監督の演出も随所に工夫が感じられて、特に静けさと間の使い方が絶妙。過剰に驚かせるのではなく、じわじわと迫ってくる恐怖が印象的だった。そして主演の渡辺翔太さんは、優しさと怖がりのバランスが絶妙で、物語の中での成長や葛藤も丁寧に伝わってきた。
涼しくなりたい夏の夜にぴったりの、ゾクっとしてじんわり沁みるホラー映画。ホラーが苦手な人にも、ドラマとしておすすめできる一作。
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