爆弾のレビュー・感想・評価
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タゴサク恐るべし・・・
ケガのため自宅療養していて、2カ月ぶりの劇場鑑賞でしたが、本作品メチャクチャ面白かった。
予告編の時から大きな期待を持ってたんですが、予想以上に楽しませてもらいました。
何しろ爆破のシーンが半端ない。生々しいド迫力で圧巻でした。グロいシーンも満載で、そんなところでもホラー大好きオヤジは、大喜びです。
そして、何より佐藤二朗さん演じるスズキタゴサクが半端ない。とぼけた態度でノラリクラリと捜査陣を欺く。山田さん演じる敏腕刑事との頭脳戦は、「デス・ノート」を彷彿させ、ワクワクドキドキ興奮が止まりませんでした。
染谷さん演じる刑事や、伊藤さん演じる警察官も、いい味出して本作品を盛り上げてくれます。まさに芸達者な皆さんの鬼気迫る演技に酔いしれる一本です。
【ネタバレ】
クライマックスで全ての真相が明らかになった時、尚更スズキタゴサクの恐ろしさを実感した気がします。全てが計算ずくだったしたたかな男。
結局、本当のところは明らかにされないまま、本作品はラストを迎えます。最後の爆弾はいつ爆発するのか・・・
エンドロール、宮本さんの歌が最高です。あのガナリ声、まさにエネルギーあふれる本作のラストを飾るに相応しい。
とかくこの世は住みにくい
スズキタゴサクのIQってものすごく高いんでしょう。
おそらくこの映画の登場人物のなかでもトップクラスの高さなんだと思います。
でも、この映画の登場人物のなかでも、もっとも社会に馴染めてない人(ある意味では弱者)です。
幼稚園を爆破するという流れで(本当の意味で社会的に弱者である)子どもたちを撮してないのは、偶然ではないでしょう。殺されたとされる女学生も虚偽であるっぽいし。
賢くても弱者ならざるを得ない。
周りと足並みが揃えられないと弱者に陥ってしまう。
マスかいたくらいは許してあげられる世の中であって欲しいと思いました。
情に棹させば…(小説草枕の冒頭)
長谷部有孔は、情に自身の棹をさしてしまった。
有孔って名前も(孔が有る)って…
おそらく、原作者はそこまで考えて書いてるんだと思いました。
どんな立場の人も、一瞬にして破滅しそうなそんな緊張感のある映画でした。
とかく住みにくい世の中で、等々力刑事の在り方が効いてきたラストでした。
ジョーカー、羊たちの沈黙
そんな映画が頭によぎりました。
人の闇を
予告から気になっていた映画でしたが
期待を裏切らない作品でした。
取調室内の無邪気なやり取り
ダメダメな上司
現場の警察官の微妙な向上心
それなりによくできていた爆破CG
やはり取調室内での会話が見ている人の
心の闇を突いてきてこちらも色々と
考えさせられました。
犯人側のサイコパス感が少々弱い気もしましたが
人間追いつめられるとそうなるよな・・・。
某総理の事件も今裁判中だし。
事件犯罪 罪の大小はあるけど
どこでその一歩を踏みとどまるかを
為される映画と私は見ました。
コメディ系バイプレイヤーが無慈悲な爆弾魔を演じる効果を最大限に活かした佳作
原作未読。
主演の山田裕貴の高IQの天才刑事に成り切った演技が印象的だったが、やはり心理戦の相手役・佐藤二朗の狂気の演技から魅せる存在感がずば抜けてよかった。
コメディ役者もいろんなタイプがいるが、何となく気の毒な感じがする役者さん(自分の中では被害者タイプと勝手に読んでおりトム・ハンクスやジム・キャリーがその代表格)ほど悲劇や狂気性を帯びた役をやると強烈なインパクトを残す。
佐藤二朗はまさにこのタイプで、演技力だけでなく素の容貌と佇まいでさらに鈴木田吾作の得体の知れない不気味さや狂気性、悲劇性に強烈なドライブをかけた。
メイン2人だけでなく、渡部篤郎、染谷将太、伊藤沙莉、正名僕蔵、坂東龍太など腕に覚えあり系の役者さんがズラリと居並びその一挙手一投足に見入ってしまった一方、謎解きや犯行動機には無理を感じてしまい、気持ち良いカタルシスを感じるまでには至らなかったのは残念だった。
田吾作は相手の心理を読むのが上手く、その正体はカウンセラーだと勝手に思ってたが、どうやら的外れみたいw
続編があるとしたら、刑務所から犯人の行動心理をアドバイスするレクター博士のような立場で登場とかw
日本版ユージャル・サスペクツ?
佐藤二朗さんがハマり役を怪演!脚本はアテ書きされたものでは?
彼が演じる「スズキタゴサク」の不気味さ、薄気味悪さ、醜悪さ、哀しさ、可笑しさ、愛らしさ(?)に、最終盤までスクリーンに釘付けになります…
対峙する捜査側は、山田くん演じる風変わりな本庁エリート刑事の類家(ルイケ)が原作では主役なんだろうと類推しますが、映画では知恵比べキャラに留まったか? 事件の背景にある不祥事を起こしてしまった先輩刑事とその家族をよく知る染谷くんが演じる等々力の方に関心が向いてしまいました。
捜査を嘲笑うタゴサクに喰われていく、エリート代表のような本庁捜査一課の清宮上席刑事(渡部篤郎)や所轄の若手、伊勢(寛一郎)らが人間味に溢れ、いつの間にか観ている方もタゴサクに手玉に取られていきます⁈
所謂お巡りさん、矢吹巡査長(坂東龍太)と倖田巡査(伊藤沙莉)のバディぶりが一服の清涼飲料か? 彼らも酷い目に遭うのですが…
スキャンダルで自殺した先輩刑事の妻を演じた夏川結衣さんの佇まいに胸がざわつき…急なテンポアップからの唐突な結末にも納得感がありました。
取調室での会話劇が中心の設定、映画の視点がユージャル・サスペクツを想起させたのですが、虚言だらけのダゴサクが始めから犯人扱いされ、真実を知る者として登場しているので…またちょっと違うかな?
原作を読みたいと思います。
今年の主要な映画賞の主役は、吉沢亮くんで決まりと思ってましたが、佐藤二朗さん(日本版ケビン・スペイシー?)キマシター!
あ、相方はエンディング曲を歌うミヤジだけを目当てに付き合ってくれましたが、映画にも満足してました…よかった、よかった。
監督は数々のミステリーサスペンス映画と セブンあたりを観まくったに違いない
連休とはいえ 朝いちばん 8時15分上映開始にも
かかわらず わずか数席の空席のみ
ほぼ満席の館内。
期待がうかがえる。
なかなかのグロいシーン そして成人男性のひとりでの〇〇シーン
観にきていた子供たちには どう感じたのだろうか?
内容は
あっという間の150分
圧巻の釘付けとなる佐藤二郎ショーだ。
もちろん映画だからいいものの
これが本物の事件なら
どんな刑になることか
また こんなことって
現在の世の中でできるのだろうか?
ここまで警察を翻弄して
数々の爆破 そして大勢の死傷者・・・
すごい内容でした。
ストーリー展開と役者の演技で魅せる、面白い! 山田裕貴VS佐藤二朗、警官役の伊藤沙莉がイイ。爆発も見もの!!
山田裕貴VS佐藤二朗、取調室での容疑者と刑事の頭脳戦、駆け引きが面白い。
いささか無理のある”なぞなぞ”も、テンポよく展開するから気にする暇がない。
この二人の演技対決が見もの。
特に、佐藤二朗の緩急付けた芝居が素晴らしい。
さらに、現場チームの警官二人が同時進行で描かれる。
その掛け合いの”普通な感じ”と、警官としての正義感や功名心がまじりあい面白い。
その女性警官を演じる伊藤沙莉が、今回なんとキャスト順2番手!で大活躍。いい味出してます。
そして、邦画でありがちな、爆発を未然に防いでめでたし、でなく最後の1発を除いて?ちゃんと全部爆発するのがいい。
それも、無人とか、いかにもCGとかでなく、規模は小さ目なれど、人が吹っ飛ぶ、セメント煙が人に当たってるのがすごい。
しかも何発もあって、迫力あって見ものです!
期待通りの作品で良かった!
伏線が
休日に娘とと鑑賞。
映画後、あまりに展開が急で(特に終盤)2人も疲れ果ててしまった。
エンドロール始まった瞬間に帰宅される方も少なかった気がする。
周りのお客さんも疲れたのかなと感じた。
山田裕貴さんが好きで観に行ったのだが(もちろん類家も文句なしに素晴らしい)、佐藤二郎さんの演技に脱帽。買ったカフェラテを飲むことも忘れてしまい。映画後には喉がカラカラになってしまった。
意図された部分かは不明だか、タゴサクが序盤で、ドラゴンズが負けたことを理由にしたシーン。
その際、タゴサクが「しかも6本もヒット打ったのに1点しか入れないんですよ」と語り、怒りの一要素として説明。
少し引っ掛かりがある描写※と感じた。6本ヒット打っても点が入らないことはザラにあると考えられる。
しかもこの場合は1点入ってる。
類家が(タゴサクは野球に詳しく無いのでは?と感じ取ったのか)中盤に、実際にいない選手名にてタゴサクに揺さぶりをかけ、嘘を誘導するシーンは流石と感じた。
あまり目立無いシーンだが、こういった細かい部分まで伏線回収されているのは素敵だ。
※ヒット6本という所がポイントか。5本にすると、そんなこと良くあるよになるし、10本打って1点だけだと、むしろ怒りの要素として問題なく理解できる。
6本と絶妙なラインを設定されたか。
また、タゴサクも何度も類家のことを「刑事さん」と呼び、類家を挑発。それに釣られ少し挑発に乗ってしまう類家の人間味も感じ取れた。
最後廊下でタゴサクは「類家さん」と明確に語っており、取調べ中は、「刑事さん」と呼び続け、類家の冷静さを崩そうとするタゴサク。純粋にゲームを楽しんでいる感じがして良かった。
あと何度かポイントとなったミノリの話はもう少しヒントが欲しかった印象。
最後ミノリが目を開けた描写の意味。どこかで回収されているのかもしれないが。
この話自体が、タゴサクの全くの創作なのか、何かとリンクするのか。もう少し考えてみたい。
いや、何はともあれ、すごく面白かった。
今日明日、もう少し考察に浸ろうと思う。
素敵な作品をありがとうございました。
佐藤二朗ありきの作品
よく内容の分からないまま、あまり予備知識入れずに鑑賞しに来ましたが、めちゃくちゃ面白かったです。この映画化は佐藤二朗無しでは成立しなかったと言えるほど、佐藤二朗ありきの作品でした。
この映画のキーワードは、伏線、匂わせ、でしたが、冒頭の、誰かが誰かの頭を短髪に調髪するシーンから既に伏線だった事に、見終わったあともワクワクが止まりません。
イントロダクション、話の導入、事件発生、謎解き、推理考察、そして後味の歯切れ悪さと、全てにおいてよく計算された邦画でした。
他の作品を否定する訳ではないですが、恋愛ものや、映像の迫力、美しさで魅せる作品に少し飽きを感じている邦画マニアの方に、ぜひ映画館で観てほしい作品でした。あなたもきっと、いま以上に、佐藤二朗という俳優が好きになると思います。
続編が楽しみ
題名のわりには、すでに爆発していることが何回かあったので、バンバン火薬を使ったりCGを駆使していた印象はない。むしろ登場人物が心に抱えている爆弾が見事に描かれていた。
社会や政治に一家言あるけれども、退屈で品(し)がない日常を送らざるを得ない若い世代がキュンキュンしそうな台詞で彩られていて、そういう層の鬱憤を晴らす捌け口でしかないかなと結論づけそうになった最後の最後、鈴木が移送される場面の等々力の台詞に、やられた。あの台詞がこの作品を何の教訓もない消費のための娯楽ではなく、観客に違和感を与え考えさせる崇高な美しさのある芸術としての映画にしていると思った。
2時間16分の上映時間は長く感じなかった(『盤上の向日葵』122分は長かった、、、)。いくつか動機づけが軽くなっていたり、展開が早すぎたりする感があったが、それもこの尺なのだから仕方がない。続編のクランクインが待ち遠しい。
どちらがオリジナルでも超絶面白怖い! 続編も作ってください!!
そういう意味では、あの『羊たちの沈黙』に匹敵するほど、原作小説と映画、どちらも半端なく面白い。どちらを先に味わっても、既視感や違和感であれれ?となったり、なんか違う、自分の見たいのはそういうのではないのに…というズレが生じない。
原作は3年前に初読、映画公開の3週間前に再読。併せて、小説の続編『法廷占拠 爆弾2』も読了。原作初読の時に抱いたスズキタゴサクのイメージは、この3年間ずっとイラストレーター南伸坊さんの描くいがぐり頭のおむすび顔だったので、佐藤二朗さんがむしろシャープに見えてしまった(笑)
爆弾で人が死んでも、公園の遊具でこどもが軽い怪我をしたと聞くのとさして変わらない反応。自分を憎む殺意を「自分に対する強い欲望」だとして恍惚を覚え、射精までしてしまう無邪気さ(我々にはおぞましくて邪気だらけにしか見えないのに〝無〟邪気と表現することになる矛盾)。
「命は平等、社会的弱者を救うために法律(福祉)がある」と正論を説く清宮の心を「こどもとホームレスのどちらのほうが大事だったの?」と突きつけることで、見事に砕いて見せたスズキタゴサク。
類家も等々力も、そして映画を見ている我々の多くも、タイミングや状況によっては、どこかで「こんなくだらない世界、壊れてしまえばいいのに」と思ったことはある。
だから、映画の序盤に出てくる「でも爆発したって別によくないですか?」というスズキタゴサクの台詞が潜在的に刷り込まれ、自分自身への猜疑心となって不安な気持ちを抱かせることになる。
【1回戦から3回戦までの主な爆発場所や犠牲者】
1回戦 秋葉原、東京ドームシティ、代々木の路上生活者向けの炊き出し現場
スズキタゴサク 〇 清宮 ×
2回戦 阿佐ヶ谷や山手線の各駅
スズキタゴサク 〇 類家 × 「また、あなたの負けだ」(by タゴサク)
3回戦 野方警察署(明日香のフェイクと見つかっていない最後の爆弾)
スズキタゴサク △ 類家 △ 「今回は引き分けです」(by タゴサク)
因みに、原作小説の続編でラストのほうでスズキタゴサクがこんなことを言ってます。
「そうそう。類家さんにもぜひよろしくお伝えください。また、私の勝ちだと」
(4回戦? スズキタゴサク 〇 類家 ×)
ぞくぞくっとしませんか。
また、見たいと思いませんか。
この映画、「続編もみたい!」と私は声を大にして言います。
なので、大ヒット祈願して口コミ拡散に努めたいと思っています。
狂った殺人鬼の動機なんて誰もわからない
ヒメアノ〜ルを思い出す気持ち悪いシーンが出てきました。
今回、その人は殺人鬼でなかったけど、キーパーソン
キーパーソンにしては、絡みは少なめ。
この映画は終始、会話劇が面白く佐藤二郎の演技が素晴らしく。他,演者全てもちろん。
ただ、会話劇以外の箇所
外での会話が聞き取りにくく、映像全体が暗い
性癖シーンは気持ち悪いが、とても大事なシーンなのに
ピュアな鑑賞者は何が行われているのか分かっておらず
評価を下げている人が多数出ている。
もったいない。
この映画は、ススギタゴサクの動機なんて
どうでもいい。
そんなことよりも、人間なんて他人の死なんてどうでもいいし
日々、あいつ腹立つな死ねばいいのにと簡単におもうものだ。
(そうじゃない人はそのまま心優しきあってくれ)
ただ、ほとんどの人間は人を殺さない
『怖いし、捕まったらめんどうだから』
それでも、おきる殺人
それにしても、雪山でレイプされた女はいたの?
いないの?
予告見て想像してたより面白かったけど
予告を見て想像していたより面白かった。けど、原作読んでいないからか、最後、いまいち納得できないような‥。なぜ、ホームレスをしていた人が突然サイコパスみたいになれるのか?可能性はゼロではないけど、ちょっと無理じゃね‥??
どこのどいつなんだい!
スズキタゴサク(誰だよ!)が若い刑事(類家だよ!)に執拗に質問する。なぜその能力があるのに悪さをしないか、周囲の連中の愚昧さに絶望しないのかと。スズキタゴサクが取調べを受けてたんじゃなく、スズキタゴサクが供述をとろうとしていたんだなwしかも刑事だけじゃなく観客ごとw
そのテの答えとして染谷さんの役は、マスコミの直撃に「気持ちは分かる」と答えた。
犯行動機も本人たちの演技で語らせず、スズキタゴサクの取調べに刑事が語る内容で滲ませる。
全てはスズキタゴサクじゃなかった、佐藤二朗(いやスズキタゴサクか)の演技をフルコースな時間で堪能するための演出上の選択ですかね。
あとラストがシン・ゴジラみたいだったが、ほんとは「太陽を盗んだ男」みたいな終わりだったんじゃないの?エンディングの歌に繋がらない、はっきり言って浮きまくりに感じた。あの歌手はそういう計算ミスしないと思うけどね(涙)。
しかし、医者が職業上知り得た秘密をマスコミに売るなんつう外道は、この映画みたいにほんとに亡国まで行き着くからやめましょ〜ね〜。
あとは中日の帽子がひたすらエモかった。
「事件は取調室で起こっている⁉」
見どころは佐藤二朗さんです。ヘラヘラしながらいつの間にか主導権を握っている。スズキvs等々力(染谷将太さん)も、スズキvs清宮(渡部篤郎さん)も、スズキvs類家(山田裕貴さん)も、すっかり見入ってしまいました。佐藤さんは、こういう演技力を発揮できる作品に出て欲しいです。
取調室以外でのシーンが、つまらなかったです。
正名僕蔵さんや伊藤沙莉さん坂東龍汰さんのキャラクターが昔のフジテレビのノリから抜け出せていない感じ。俳優の演技のせいではないです。
そもそもの発端のスキャンダルも、犯行の動機も何それ?とは思いましたが、全体としては面白かったです。
<追記>
鶴久(正名さん)が等々力に「死傷者が出てやっとたぎって来たか?」みたいな事を言い、等々力がさらっと受け流したシーンを思い出しました。そのときは、(なんて不謹慎な冗談。面白くもないし)と思いました。後で考えてみると、あれは軽口ではなく、等々力に対する痛烈な皮肉だったと思います。等々力は長谷部を擁護するように「気持ちは解らんでもないです」と発言しました。
私は長谷部の行為をよく分かっていませんでした。ただ事件の捜査でテンションが上がったのかと(鈍いな私)。あそこは恐らく○人事件の現場であり、長谷部は○人に対して妄想して興奮する性癖があったのでしょう。だからカウンセリングを受ける必要があったし、善良な市民のしを歓ぶ警察官、というスキャンダルで、マスコミには絶対知られてはならない事案でした。だからこっそり庇うならまだしも、あの発言はよくないです。鶴久の皮肉はごもっとも。
佐藤二朗、圧巻!
なんと言っても、謎のスズキタゴサクを演じた佐藤二朗さんの旨味が存分に出ていました!風貌、喋り口、狂気めいた笑い方、すべて素晴らしかった!(ご本人が嬉しいかどうかは解りませんが)
展開は、ラストのあたりが早足で、ちょっと不満な感ものこりましたが、この部分を含めて、やや不明瞭な箇所は、原作ありきの構成だからでしょうか。原作は未読ですが、背景・伏線などが映画に盛り込めなかった的な?
原作も読んでみようかと思います。
ここは差し引いて、しかし佐藤二朗圧巻!で、星は4つにしました。
あと感じたのは、山田裕貴と染谷将太は【ベートーヴェン捏造】、自殺した警察官(加藤雅也)の妻の夏川結衣は【俺ではない炎上】で、ここ2ヶ月程で見た役者さんをこの映画でも観た事。
みな良い役者さんですが、いまの映画界はわりと同じメンバーが占めているのかな?
おもしろいんだけど、
テンポがよくて、前半から引き込まれた。感情ではなく、無邪気さが、原動力な展開も、
ゾクゾクした。
故に、ラストにかけては尻すぼみに感じた。
伏線の回収は、わからなかった。
この殺戮に観客の理解は無用だったとおもう。
決してハズレではないんだか。
佐藤二朗には5点
場面場面でヒヤリとした恐怖があり(疑われるなら本当に自分がやればよかったと思う、など)会話劇として面白かった。原作者も、タゴサクは佐藤二朗をモデルにしたのではないかと思うぐらいなので佐藤二朗は5点。
ただ、この事件のそもそもの始まりとされる長谷部刑事の性癖の件が、そこまで世間が相手にする問題なのかと思ってしまった(快感を覚えるために犯罪を犯してたわけでもなさそうだし)。カウンセラーだか精神科医だかが、マスコミにリークするって、なんならリークした方が社会的に制裁受けるべきでしょ。それがマスコミの恐ろしさという描き方なのかもしれないが。ということで闇のところが「んー」となったのと、類家さんの能力が消化不良だったのが惜しかった。伊藤沙莉もよかったよ!
タゴサクにカンパイ
タゴサクに完敗? 乾杯?
🧨
ネタバレされたくなかったので、初日に鑑賞。先が読めない序盤は白眉。種が徐々に明かされ始めても、抜かりないミスリードで、事態が進むにつれて認識が変わっていく展開も巧み。中盤でタゴサク(佐藤二朗)が「野方警察署だけは安全」とあまりに繰り返すので、最後は取調室ごと爆破されんだろうなと思い込んだが、終盤のスカし方も見事。とにかく観客の手玉の取り方がお上手な、至極のサスペンス。
💣️
1. キレイ事なしの「容疑者Xの献身」
未読の原作はともかく、映画では主犯格の2名が完落ちしないので、真相は藪の中のまま終わる。なので、探偵役の類家刑事の見立て(推理結果)が当たっている事を前提に議論します。
「容疑者Xの献身」(2005本, 2008映)は天才数学者が、好意を抱いていた母娘の殺人を、大きな自己犠牲を払ってまで隠蔽しようとする話。タゴサクも、息子・辰馬(片岡千之助)を殺した石川明日香(夏川結衣)に相談された事に端を発する。本来事件と全く関係なかったタゴサクが、辰馬に爆弾を仕掛けたり、辰馬の計画になかった秋葉原や代々木まで爆破したのは、容疑者Xの様に"真犯人"になり代わり、明日香を事件から遠ざけようとしたように、中盤まではみえる。
ただ「容疑者X…」と決定的に違うのは女性側の反応。「容疑者X…」では、探偵役の湯川の説得もあり、最後には自首して数学者に感謝し謝罪する。一方、「爆弾」の明日香は、爆弾を送りつけ、動画で居場所を知らせるタゴサクに誘導されるまま、タゴサクを爆殺しようとするし、逮捕後も全てタゴサクに押し付ける様な証言をする。「容疑者X…」が事件の隠蔽こそ失敗するが、プラトニックな片想いがある意味成就したのに対し、「爆弾」では明日香がタゴサクの友情?愛情?を利用しようとした事に対して、タゴサクを爆破しようとさせ、逮捕させる復讐劇にもみえた。
ともすると、「容疑者Xの献身」からキレイ事を一切排除して書き直せと言われたら「爆弾」のようなサスペンスになるのかもしれないとも思いました。
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2. 負け続けた警察、最後もタゴサクの思い通り
本作に足りない点があるとしたら「痛快さ」かもしれない。何故って、警察は終始タゴサクに負け続け、多数の市民が爆破で死傷する。自販機が爆破すると特定できた場合ですら、上層部の判断ミスで大勢の利用客が吹き飛ぶ。明日香の動きを察知した類家の読みも、結局彼女が起爆スイッチを押すのは防げなかった。爆弾が偽造だったから助かっただけだし、彼女の逮捕もタゴサクの思惑通り。
仇役のタゴサクを応援していれば痛快かもしれないが、個人的には正義の味方の探偵役にいい処がほとんどない話は物足りなく感じる。
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3.タゴサクは何処で語りを鍛えた?
映画ではタゴサクの素性が殆ど語られないものの、ホームレス生活がかなり長そうではあった。ホームレスにも仲間が居ない訳じゃないが、仕事として接客したり、営業やプレゼンで相手を説得する機会が無いホームレスに、滔々した語りが身につくだろうか? 若干独り善がりだがそこそこ理に適った主張を、自虐を挟みつつ、時には大声で強弁する演説ができるだろうか? 普段人と接する機会が少ないとコミュ障になりがちだが、タゴサクはどうやってあの会話力を鍛え、維持したのか?
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4. 複数犯の犯行リレーは現実的か?
犯人当てが主眼の物語では、共犯者や協力者の存在を推理する事も欠かせない。ただ、犯人が1人(1グループ)じゃなく、独立に複数いるみたいな設定はファンタジーがすぎる気がする。本作でも、3グループが犯行をリレーする。
第1群 石川辰馬+2名 ... 3名で爆弾を仕掛け、2名を辰馬が毒殺
第2群 石川明日香 ... 息子(辰馬)の犯行を知り、爆破計画を止めるため刺殺
第3群 スズキタゴサク ... 明日香に相談され、辰馬の遺体に細工 + 辰馬の計画を乗っ取り、秋葉原と代々木も爆破
ただ、これだけの人間が関わると、誰かが警察に通報しないか? 母が息子の犯行計画を阻止しょうとするのは必然でも、刺殺という悪手を選ぶだろうか? 正義心が勝てば通報、母の愛が勝てば息子に逃亡を促しそう。
タゴサクも、心が通った女友達からの相談だったとしても、殺人の隠蔽はあまりに重荷だし、爆弾魔としての振る舞いを短時間で身につけな気がする。子供の頃から父を「殺した世間」に逆恨みし続けた辰馬なら、起こし得る犯行かもしれない。一方で、社会生活からも逃げ出したホームレスが、降って湧いた爆破計画を、逃げ出さずに背負えるだろうか? 「棚からオチてきた」爆弾で、此処までの騒動を起こせるタゴサクは異能すぎて現実味は薄い。因みに自分なら、ます友達に自主をす。無理なら警察に通報し、自身が共犯者と勘違いされない事に必死になりそう。
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5. ミステリ映画ではない
ラッキーだったのは、原作も含め本当に事前情報なしに鑑賞できた事。もし「ミステリ映画」と謳っているのを知っていたら、鑑賞中プリプリして低評価にしてしまったかもしれない。ミステリとして足りないのは、観客に犯人等を考察させる為の情報開示。警察も分からないタゴサクの素性は別として、警察が普通に掴んでいる情報はもっと開示されるべき。
一番引っかかったのは、辰馬の遺体と爆弾の位置関係や、辰馬の詳しい解剖所見。起爆スイッチを踏んだ警官より、辰馬の遺体の方が損傷が激しいのが奇妙と繰り返し強調されるが、死を覚悟していた辰馬が自身に爆弾を仕掛けさせていた可能性もある。刺殺を隠す為と観客が推理さえる為に、解剖所見を読み上げる場面が欲しかった。辰馬が化粧品メーカーにいたという情報も、初見では観客への説明が遅く感じた。
などと言いつつ、サスペンスとしては見逃し禁止な逸品。仇役が圧勝する結末こそ気まずいが、観客を気持ちよく右往左往させてくれる過程が楽しい、珠玉のエンターテインメント。
全220件中、121~140件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










