爆弾のレビュー・感想・評価
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スズキ・タゴサクに支配された劇場
面白かった~。
きっと他の方も絶賛されていると思いますが、山田裕貴さん、佐藤二朗さんの演技はすごかったですね。特に佐藤二郎さんのスズキ・タゴサクは映画史に残るヴィランになったと思います。
劇場型犯罪なんて言いますが、あの映画の間、スズキがスクリーンのこちら側の観客をも支配しているのを感じました。例えば、代々木公園の事件の後、「ホームレスと子供なら、うん、まあ・・・」なんて思ってしまったし、そういう人は多いはず。彼はその瞬間、こちらを指さして、「命に優劣を付けたな。悪はお前たちの中にもある」と喝破してきたのです。これは、穏やかではいられません。
その他の感想:
・上記のように、代々木で清宮さんは、命の選択をした・・なんて言われましたが、別に大した選択はしていないんですよね。この点、キャラが似ているダークナイトのジョーカーの方がシビアだったかな。
・歳が近いせいか感情移入する先が、鶴久課長とかになってきてしまった。住民避難の時、「避難先の安全が確保できていないのに、誰が責任を取るんだ!」「おめーだよ」なんて言われて可哀そうだった。そりゃ分かってるけど、「自分で責任取るつもりになっても、そんな意見が出るのか?」って言っているだけでしょ。原作読むと、仕事も家庭も75点のきわめてフツーの良いおじさんでした。
・その伊藤沙莉さん。この映画のアクション面をしっかりと演じていたと思います。低いハスキーボイスというのが役に合っていて、とても自然体な、等身大の人間を感じました。
・安全安心を金科玉条とする我が国では、実際には、大きな被害は出ないでしょう。多分、これは首相案件になって、あの日は朝から休校・休業で全ての交通機関が停止すると思う。原作だと、JRの判断で客を入れてしまったのですね。映画だと、警察が判断したと誤解されるかも、と思いました。
・映画オリジナル演出の雪の中の死体が目を開くシーンは最高のアイディアだったと思います。ストーリーに大きな手を加えること無く、作品を分かりやすくする工夫がいくつもあったと思います。
まぁオモロ
評判良いからかなり期待してた。
しかし絶賛出来るような結末ではなかった。
冒頭から引き込まれる。21:45暴行犯人スズキタゴサクが警察に取り調べられることから始まるのだけど、タゴサクが22時に何か起きるって言い出して、そしたら秋葉原で爆弾事件が起きた。
もうワクワクが止まらない。
そしたら次は九段下の新聞配達店。
そして代々木ホームレス。
タゴサクへの取り調べがメイン。彼の話を聞きながら、次の爆弾を探し出す。捜査の様子や爆発が描かれる。タゴサクの予言通り爆弾が爆発していく。
取調官は等々力→清宮→類家に変わっていく。
等々力は最初だけで、すぐに清宮に代わるが、清宮はホームレスへの爆弾テロを防げず、類家に代わる。
類家は頭が切れるインテリキャラ。自分なりにタゴサクに向き合っていく。
真犯人が石川明日香であったことが残念。本当の真犯人は息子の辰馬だけど。
辰馬はおそらく社会への復讐のために爆弾を作っているが、母に止められるも心変わりしなそうなので母に殺害された。
辰馬殺害後、母石川明日香はタゴサクを頼るのだが、タゴサクに爆弾の知識があったのか?おそらく辰馬に爆弾を仕掛けたのはタゴサクだと思うんだけど。
母親がキーマンってどうなの?って思ってしまった。
最後の爆弾はどこ?
ニ朗さんと山田君、それに伊藤沙莉が出ているので、これは観なければいけないと思い、観始めたらいきなり染谷将太が登場し、初っ端から魅入ってしまいました。
何と言っても、スズキタゴサク役の佐藤二朗の演技がすさまじいです。刑事もので主人公の上司がはまる渡部篤郎でさえ、切れてしまうくらいなので、映画館で観ているだけの私も、メンタルがおかしくなりそうでした。
とにかくずっと、ドキドキハラハラする映画です。
ただ、石川辰馬やその母親の石川明日香の犯行(?)動機がよくわからないので、おそらく、続編があるように思います。それに、「みのりちゃん」の話も、宙ぶらりんのまま終わってしまったので。
二時間以上の体感。確かな満足。
原作は読もうと思って買ったまま積読。読む気はある。
あらすじ程度しか分かってない。誰が出てるかなんて佐藤二郎くらいしか分かってなかった。佐藤二朗は好きなので…
という前知識のみで観ました。
面白かった〜!
謎の男なスズキタゴサクがずっと不気味。怖い。私の中の佐藤二朗は仏だし愛してやまない奥様に塩対応されてるしうんこで笑う人だしと普通のおっさんなんですけど、やっぱ役者なんだな〜!とずっと怖かった。気持ち悪かった。
めちゃくちゃハマってたと思う。役者すごい。
山田裕貴も良かった〜!切れ者。警察官らしいことは思ってないけど、合理的に考えた結果、警察がハマってるなと思いました。心強い。
そんな二人の言葉の殴り合い。ここで派手なこと起こってる訳じゃないのに観ていて面白い!いやちゃんとメリハリありますけども。清宮さんの指の形は残酷な真実でしたね。
現場ではどんどんことが進む。捜査については「組織」で動く重要性が出てたと思う。個人で勝手に動いてあわや殉職やったし。
伊勢と矢吹については今後何かしらの続きがあると信じてる。矢吹が生きてて良かったけど、伊勢がグレないか心配。
ラスト、「最後の爆弾は見つかってない」のナレーションと自販機でペットボトルが落ちる音はゾッとしたよね。怖い。
スズキタゴサクの謎もあるし、続編が楽しみです。続編に類家も出ますよね?
これから小説読みます。
類家の山田裕貴が良過ぎた。ベートーヴェン捏造では何も思わなかったのに。役って言うか、役者ってすごいな。
スズキタゴサク
長い作品と知らずに観に行ったが、最後まで飽きずに観た。
佐藤二朗がハマり役だったな。
刑事を次々と食い物にするタゴサク。
なんかやり過ぎな演技に引いてしまうことがあるが、今回はすごいと思った。
半分とまではいかないけど、ほとんどタゴサクが喋ってたような。
タイトル通りの爆発。
実際こんなことが起きたら…と怖くなる。
署内が全体的暗いせいなのか、自分の視力のせいなのか、顔が判別出来なくて困った。
スマホの裏に何て書いてたの?
伊藤沙莉達のシェアハウスの場面。
あんな風に勝手に入るものかな?
普通入ってすぐに異常を感じて応援要請しないのものかな、と。
続編を思わせるような終わり方…だったな。
自販機
この映画を観たあと、自販機をよく見てしまう笑
なかなかストーリーの展開が面白かった
坂東君と沙莉ちゃんのバディが良い
聞き込みして、嫌な市民にあたり、そのマンション爆破すれば良いのに、というやりとりが警察なのにそんな事を言う人間臭さが面白い
ただ、スズキが犯人の肩代わりする動機がいまいち。
警察官が事故現場で不適切な行為は、アレは精神的に病んでいての行為だよね
電車に跳ねられた人を見た精神的ショックで、死体や怪我したところをみて、性欲がわく漫画思い出した。
佐藤二郎の怪演と山田裕貴の迫力がぶつかり合って素晴らしい会話劇
プロモーションから気合いが違う
最初に知ったのはだいぶ前のコマーシャル。
出演者とタイトルの文字のみでかなり印象的で、予告が出ても内容にフォーカスせずに演者の静止画とセリフのみ。
中々内容が出てこず気になりすぎてその時点で観ようと決めて公開が待ち遠しかった。
小説も人気で公開後の反響もよく、期待大で観に行ったが、かなり面白かった。
所々怖い所とグロい所、気まずいシーンもあるが、気にならない。
1番の見所は演者の演技合戦。
取り調べ室のシーンがメインなのに単調にならず、演技と言葉遊びで惹きつけられ、命の価値はという考えさせられる部分も含めつつ。
そして目玉の爆発シーンは普通にハラハラするし、あっという間の2時間とはこの事だと思った。
よくまとめられており、最後は少しモヤっとしたが、この手の客に考えさせる手法はよくあるし、原作も続編があるとの事なので仕方がないかなと。
犯人や展開がわかっててもすぐにもう一度観たいと思えるほどの作品。
今年1かも。
非常に相性が良かった
映像化するにあたってクライムサスペンスの金字塔セブンやハンニバル、ボーン・コレクターなどをかなり意識して演出の手本にしているように感じられたし、この物語の構造的にそれが見事にいい効果を出しており
非常に面白かった
ただ日本人ってこんなに入場規制で混乱するかな?や警察という組織が私利私欲で動きすぎてないか?無名の刑事が事件現場で素振りしてた事こんなにメディアが大々的に取り上げるだろうか?多少違和感を感じる部分はあったがそれ以上に取調室での会話劇は非常に見応えがあって映画観に行けて良かった
終わりの言葉も映画館に来た観客に対しての当事者意識なく安全圏にいると思うなよみたいな警告のようで良い味出してた
続編も匂わせている感じもあったのであるならば観てみたい
中々尖った作りに痺れる “佐藤二朗”日本アカデミー賞助演男優賞ノミネート間違い無し
物語の幕開けは、酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男・・・。
「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンスでも、「セブン」のケビンスペイシーでも無い、佐藤二朗であって佐藤二朗で無い“スズキタゴサク”は必見!
2025年後半の一作をあげるとしたらこの「爆弾」をあげたい。
原作未読、映画脚本と原作は別物と思ってるが、久々に原作を読みたいと思わせる中身の濃い“本”。そして、何よりつかみどころがない様で恐ろしさの欠片も見せない佐藤二朗の怪演に圧倒された。
原作は当然“スズキタゴサク”=“佐藤二朗”という訳では無かったであろう、そんな事を思うとあまりにも運命的な出会い、この出会いを見ない手は無い。
そして、話しが良くできてる。
『このミステリーがすごい! 2023年版』堂々1位はだてじゃ無い。
映画「天国と地獄」の身代金シーンも社会的な影響は大きかったが、この作品を見て模倣するやからが出るのでは無いかと、リアルに一抹の不安を思わせる顛末に引き込まれた。
一つ残念と言えば、佐藤二朗の怪演に食われて主演山田裕貴の存在が薄くなってしまった。羊たちの沈黙で言えばジョディ・フォスター演じるクラリス・スターリングなのだが、結末がぼやけたのはこの辺りの詰めが甘かったからかもしれない。
渡部篤郎演じる捜査一課交渉人を打ち破った“スズキタゴサク”、続いて対峙する真打“類家”に繋がる伏線にもう一捻りあったら、一級のミステリー映画になった。
とは言え、冒頭からの展開、伏線の張り方共に中々尖った作りは面白かった。
よかったです
爆弾魔と思われるスズキタゴサクと交渉役の刑事のやりとり・心理戦が面白いです。
主演は刑事の山田裕貴さんということですが、明らかにスズキ役の佐藤二朗の方が主役で、その怪演を観に行くようなもんですね。演技はどちらも素晴らしかったです。
いわゆるジョーカーものとでも言えばいいんでしょうが、そういう作品が好きな方にはお勧めしたい作品です。
問題はスズキタゴサクの背景がよくわからない点で、動機などがわかりづらく、なぜあのような行為をして、警察をあざ笑うような態度をとったのだろうと疑問が残ります。
端的に言えば、世間から見捨てられて誰一人頼る人もなく、さんざん失望をしてきた男、自分なんかどうでもいいと悲観していたスズキタゴサクが、最後にたった一人の信頼した人に裏切られ、そしてこの世界を呪い、絶望したということなのかもしれません。
または頭がよくて周りがバカばかりに見える、ひどくつまらない世界を生きてきたスズキがゲームとしてこの世界を壊して楽しんでやろうと考えたのかもしれません。
もちろん、そうした考えを一般化するために、あえて動機が不明瞭なのかもしれませんし、むしろ背景を描かないことで、そういったサイコな部分を楽しむ作品なのかもしれません。
「命は平等ではない」というスズキタゴサクの言葉からわかる通り、浮浪者など社会的価値の低い者よりもこどもや権力者などの方がよほど価値が高く、綺麗事を並べても現実には皆それを受け入れている。
法律は必ずしも正しいとは限らず、悪者を守ることもある。警察はその法律によって縛られる駒でしかない。または人間はルールから外れることを許されないということでしょうか。
誰しも失望することがあるし、追い詰められれば犯罪も起こします。誰の心にも悪はあるし、破壊的な心や快楽的、狂気的な部分もあるでしょう。ほとんどの人が一線を越えないのは愛されて育ったという要因があるからかもしれません。保身のためかもしれませんし、または法律やルールに縛られているからかもしれません。教育的な部分もあるでしょう。
歯車が狂えば誰しもが転落してしまう可能性もあるのかもしれません。
「なぜ悪いことをしちゃあいけないの?」
映画を通して様々なことに想いを巡らせられるのも楽しいです。
原作はベストセラーになったそうですね。私は全く知りませんでした。続きもあるようですし、続編があるのかなーと楽しみでもあります。
快作…いや怪作…?
なんと言うか、後味が悪いと言うか消化不良と言うか、スッキリしない映画でした。
しかし、面白くなかったかと言うと決してそんなことはなく、とても観応えがあったしめちゃくちゃ面白かったです。
なんだかよくわからんがすげえものを観たなという感じです(語彙力皆無)。
期待通り主役を喰う勢いの佐藤二朗さんの演技は圧巻でしたし、主演の山田裕貴さんは勿論、渡部篤郎さんや染谷将太さんをはじめとする脇を固める方々の演技も見事。
きっと誰もが、大なり小なりスズキタゴサクのように、もうどうでも良い、全て壊してしまえと、そんな思いを抱いたことはあるのではないだろうか。
しかしだからと言って、実際に実行に移す人間はそうそういないはずだ。
しかし、実際に実行に移す人間とそうでない人間、この両者を分ける要因は、ほんの些細なことなのかもしれない。
一歩間違えれば、我々もスズキタゴサクのようになってしまう可能性があるのだ。
最後の爆弾は、意外と身近な所に隠されているのかもしれない。
そう考えると、ほんの少しだけ背筋が寒くなった。
正義(動機)の否定、平等な暴力と憎しみ
佐藤二朗の怪演とまわりの役者陣の見事な相乗効果による緊張感あふれたサスペンスエンタメ作品。2時間があっという間だった。
だが、よく見ると単純な犯罪劇や知能戦でない仕掛けにモヤモヤした人も多いだろう。特にスズキタゴサクの動機や意図がよく分からないからだ。ただこれは作品の欠陥ではなく、意図的に映画のなかで位置付けられてる。それが一筋縄ではいかない。
序盤はスズキが単に酔っ払いの馬鹿を装った知的な爆弾魔のように見える。それがどうやら警察に対する復讐のようにも感じられる。スズキの子供じみた挑発に対する優秀な警察官と知的な心理戦。ヒントを読み解いて爆弾のありかを探り事件を解決に導く正義の警察。
しかしこれが単純な正義の警察と悪の復讐鬼スズキとの対決ではなかった。彼はすべてを握っているようだが、飽くまで自分は記憶を消されて催眠術で動かされており、第三者や被害者のような態度を貫く。これは警察をはぐらかしているように見えるが、実はそうではない。この態度には意味がある。
スズキタゴサクという佐藤二朗の演技がコミカルでもあるので、何が本気かどうかよくわからなくなってくるのは、警察だけでなく観客も同様だ。どうやらすでにスズキの術中にハマってしまったらしい。
尋問中にスズキは正義である警察に疑問を投げつける。命は平等ではないではないか?それに警察は、平等は法で約束されると答えるが、最終的にスズキの術中で彼に憎しみをぶつけることになり、犯罪者の命は低く見られていることを暴露してしまう。
スズキが主張する平等さは、無差別な暴力、つまり爆弾のことだ。映画のなかで単に市民が傷つくだけで、彼らは無名のまま死ぬ。スズキは犯行声明の動画で爆弾魔としての目的を読み上げるが、全く共感できないし、他人事のようである。だって催眠術で言わされてるから。ただ一つ明らかなのは、爆弾は突然何処でも起こり、それは誰であろうと関係なく巻き込まれる。それは無差別なので平等なのだ。
また、スズキは尋問した警察官に指を折られ、別の警官から脅され、また警官の倖田から殺されそうになるほど憎まれる。スズキはよく蔑まれてはいるが、憎しみはそういうマウンティングとは違い、スズキ個人でしか意味のない個人的感情だ。ここは命の平等と同じく、スズキのような人物は愛されることはないかもしれないが、憎しみは簡単に抱くことが出来る。それは愛に比べて差別がない、平等な感情だ。だから彼は警官を誰一人個人的に恨んでもないのに、憎しみを自分に一方的に向かわせることに成功するのだ。
モヤモヤの正体はここにある。スズキタゴサクは、個人では何も信念も復讐心もない。ただ警察が言う正義は自分のような人間は含まれていないことを彼らの前で曝け出すだけだ。アンタたちの言う平等なんてない。爆弾のような暴力と憎しみだけが平等だ。人は爆弾がなくても死ぬ。ホントはアンタたちもそう思ってるはずだ。だから爆発しても問題ない。自分を殺したいほど憎いくせに、アンタたちの正義では自分を守るしかない。
結局、スズキタゴサクとは、この映画に出てくるすべての登場人物の「媒介」でしかない。イシカワ家の家族たちの恨みつらみ、シェアハウスの若者たちの暗い欲望、野方署にいる刑事たち、類家でさえも、心の底にいだいている悪意や苛立ちをそのまま反映するかのような態度と行動を取っているだけだ。スズキに対する推理はそのまま自分に返ってきて空振りするだけ。
こんな意地悪な映画の登場人物はなかなかいない。彼は悪か?と警察に問うが、清宮が悪と答えても類家は答えない。それが自分に返ってくることを知っているからだ。勝負は引き分けかもしれないが、警察は完全に敗北している。そして爆弾は残されたままだ。
【追記】
名もなき一般人である金髪の大学生が途中出てきて、彼と警官の倖田、矢吹のやり取りがある。警官たちは自分のことしか考えていない大学生に「この便所で爆発すればいい」と悪態をつく。通常ならば、このように相手を憎むまでもないが、嫌だと思う相手に冗談で殺意をいうのは普通だ。だが、この金髪の彼が爆弾魔としたら、倖田はスズキのように彼を殺そうとするだろうか。恐らくしない。スズキタゴサクがいかに爆弾と憎しみをうまくあやつっているか、対比できるようになっている。
人といふ人の心に1人づつ囚人がいて呻く悲しさ
どうしても、原作を読まないと知ることがない事実や人物設定があるようで。なので、感想は原作と矛盾するかもしれない。それはそれとして。
とにかく最後まで丁々発止の心理戦だった。単なる器物破損の罪で連行されたと思ってたしょぼくれた男スズキタゴサクの言い出す、奇妙な「予言」。彼と対峙しながら心理戦に敗れ去っていく取調べのプロ、巧妙に利用される刑事と警察官。そして「舞台」が野方署でなければいけなかった訳。映画では描き切れない人物描写や事件背景は、たぶんに尺的な問題からなのだろうけど、そのおかげでコイツ(スズキタゴサクはもちろん、伊勢も清宮も)の過去には何があったんだ?という迷宮に、こっちもハマっていく。
スズキタゴサクは、10円ハゲがあったことでいままで散々にイジメを受けていたのだろう。たぶん、直前にきれいに坊主頭に散髪する前は長髪にしていてハゲを隠していたかもしれない。そのコンプレックスから逃れるべく、文学に耽ったのだろう。クイズにして出すヒントにもそうして得たであろう知識がふんだんにあった。だからけしてスズキタゴサクは卑屈で低能なホームレスではない。じゃなければ、仕組まれた爆弾の時間と場所を正確に覚えている知能もないはずだ。そしてそれを抜群のタイミングで晒す話術と度胸も持ち合わせていないはずだ。単独犯なのか石川明日香と共犯なのか、初め石川明日香の関与に気づいたときは「容疑者スズキタゴサクの献身」かと思ったがむしろ石川明日香は利用された側なのか、それは終盤に怒涛の展開を見せてきて、残りの爆弾の存在やスズキタゴサクの正体やら謎を野放しにしたままのラスト。消化不良感。それこそ、この映画の巧妙さである。劇中の警察内部の連中が弄ばれたように、こちらも、慌てふためく世の中をせせら笑うスズキタゴサクの術中ってことだ。
予告篇を観た時から・・・。
原作読んでる方には笑われそうな事かきます。(未読です)
予告篇から「負の魅力」を撒き散らす佐藤二朗に惚れ惚れしながら
「ああ、きっと最後は山田裕貴に精神的に完膚無きまでに叩きのめされてへろへろな佐藤二朗を観なきゃあかんのかなあ。やだなあ」
「かといって山田裕貴が完敗でへろへろというわけにもいかんよなあ」
と不安と覚悟で観にいったのですが・・・。
「キングコング対ゴジラ」(日本のね)とか「座頭市と用心棒」のような
「両雄並び立たせなきゃいけない」映画の系譜にすっぽりはまった落とし方をしてくれて
大変気持ちよく劇場を出ました。
また佐藤二朗が
「本当は俺にシンパシー感じてるんだろう」
という意味の事を山田裕貴や染谷翔太に問いかけるのですが
二人とも「感じるけど実行しねえよ」的な回答です。
当然です。
「やらない後悔よりやった後悔」などど説教たれてる方は是日この作品を観て猛省していただきたいです。
面白いです
佐藤次郎が怖かったです
環状線の自販機で飲み物買うのはやめます
勝手に行動するのは良くないと思いました
思ったより爆発しててびっくりです
政治家は爆発して欲しかったです
フェミニストも爆発して欲しかったです
どっかーん!〇〇〇〇です
どっかーん!夏川結衣です
2025年映画館鑑賞108作品目
11月10日(月)イオンシネマ石巻
ハッパーマンデー1100円
監督は『ジャッジ!』『世界から猫が消えたなら』『帝一の國』『恋は雨上がりのように』『キャラクター』の永井聡
脚本は『イキガミ』『晴れのち晴れ、ときどき晴れ』『神さまの言うとおり』『ラプラスの魔女』『赤羽骨子のボディガード』の八津弘幸と
『亜人』『サイレント・トーキョー』『ブレイブ 群青戦記』『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の山浦雅大
粗筋
酒屋の前で暴力事件を引き起こした酔っ払いのホームレスが逮捕された
野方署の取調室で男は「スズキタゴサク」と名乗る
ダゴサクによると自分は霊感があるという
取り調べをしていた所轄の刑事の等々力は本気にはしていなかったがタゴサクの予言通り秋葉原で時限爆弾が爆発
死者は出なかったものの大惨事に
警視庁は野方署に捜査一課強行班捜査係の類家と清宮を派遣
清宮が等々力から取り調べを引き継いだ
タゴサクは清宮を相手に「9つの尻尾」という心理テストを始め類家はその質問の中から「次の爆発地点」を推理することに
爆破事件は東京都内のあちこちで続出
今度は死者も次次と
警察はタゴサクに共犯者がいると見て捜査を続けるが
佐藤二朗の過剰とも言える怪演
人生の落伍者が一世一代の一芝居を打っているわけだからこれはこれで良い
真犯人の身代わりになっているかといえばそんなことはない
事情は知っているが犯人ではないことを終始それを続けている
この映画はやはり映画館で大きなスクリーンで少し近めの席で観てほしい
なんだいこれ渡部篤郎の無数の皺!などいろいろと気づくことも多い
沼袋交番の名コンビ好き
後輩が先輩を慕っているんだか慕ってないんだかあのやりとりが良い
沼袋とか野方など地方の人にはいまいちピンとこない地名がよく出る
長谷部を演じているのが加藤雅也だと気づくのに時間がかかった
息子役の片岡千之助の祖父は十五代目片岡仁左衛門で自分としては世代的に片岡孝夫の方が馴染みがある
娯楽映画として十分に楽しめたが細かいことを言えば腑に落ちないことが多々多々あったことは間違いない
何よりもたかが手淫でここまでの大騒ぎになることがいくらなんでもありえない
久米田康治の『行け!南国アイスホッケー部』じゃあるまいし大袈裟な
帰宅途中の女子中学生に体液をかけたとならば話は別だが未公開でこっそりやっていたところを同僚に見られただけの話じゃないか
室内とはいえ場所が場所だけど
原作には続きがあるらしい
腑に落ちない点も続編があれば納得できるのかな
本編には関係ないが映画の宣伝を兼ねて『ネプリーグ』に出演した『爆弾』出演者チームの正名僕蔵の「爆乳」発言はありえない
時間ギリギリのヤケクソならともかく時間たっぷりで自信満々に答えてあと無言になるのが気持ち悪い
セクハラ上司とかそんな役しか来ないぞと
そもそもなんで正名僕蔵なのか
これも本編には関係ないがプレミア試写会?に出席した時のドレスアップした伊藤沙莉がとても綺麗でびっくりした
この映画の爆発シーンより
仕事も順調だし結婚もして幸せだと化粧のノリも良くなるのか
あることはあるんだろうけど化粧品のCMがもっとあっても良い気がする
顔は赤点笑顔は満点伊藤沙莉素晴らしい
ますます好きになっちゃった
配役
酔っ払い酒を買うにもお金がないので腹を立て自販機を破壊し怒った酒屋の店主を殴り逮捕されたホームレスの自称スズキタゴサクに佐藤二朗
警視庁捜査一課強行班捜査係のモジャモジャ眼鏡の類家に山田裕貴
取り調べで9つの質問に答え続けるも終了前にキレてしまいタゴサクの手の指を折ってしまう警視庁捜査一課強行班捜査係の清宮に渡部篤郎
直属の部下には厳しく類家に対しても好意的ではないが交番勤務の倖田にはなぜか優しい野方署の課長の鶴久に正名僕蔵
捜査一課の2人が来る前にタゴサクを取調室で取り調べし彼になぜか気に入られた野方署の刑事で長谷部の元相棒の等々力に染谷将太
野方署の巡査長で取調室で供述内容をパソコンで記録している伊勢に寛一郎
沼袋交番勤務の巡査長で後輩の倖田とコンビを組む矢吹に坂東龍汰
沼袋交番勤務の巡査で先輩の矢吹とコンビを組む倖田に伊藤沙莉
マスコミを騒がせる不祥事を起こし責任を取り辞職しホームから走行中の電車に飛び込み自殺する長谷部有孔に加藤雅也
有孔の息子で理系の大学に通っていた石川辰馬に片岡千之助
有孔の娘で今は母と二人暮らしの石川美海に中田青渚
有孔の元妻で夫が自殺したために鉄道会社からの請求額支払いで生活が苦しい石川明日香に夏川結衣
等々力の後輩刑事の井筒柾に遠藤史也
職質受ける金髪の若者に星野翼
辰馬のシェアハウス仲間の和久に仁村仁弥
辰馬のシェアハウス仲間の山脇に吉田カルロス
辰馬のシェアハウス仲間の梶に門田宗大
爆弾の説明をしている技官に竹崎綾華
スズキの回想に登場する雪積もる日に陵辱された挙句に殺された少女のミノリに平田風果
捜査一課の課長に小沼朝生
野方署の班長に西沢仁太
刑事の風間健介に岡雅史
刑事の助友康弘に酒井貴浩
刑事に小澤雄志
刑事に麻絵
刑事に安藤彰則
刑事に吉田晴登
刑事に松木研也
刑事に岡田地平
警察無線の声に堀丞
新聞配達店店主に加藤満
アジア系外国人の新聞配達員にローハン・ジーテンドラ・ケムラニ
レポーターに佐藤委子
レポーターに坂本麻子
取材記者に大森寛人
捜査一課の捜査員に樽田泰宏
捜査員に卯内里奈
鑑識に平山よう
警察官に片山健人
警察官に金平武蔵
警察官に山根彰真
警察官に浮田恵梨子
警察官に平野目乃美
グラビアアイドルに七瀬なな
コンカフェ嬢に齋藤美雪
コンカフェ嬢に宮崎葉
学生の細野ゆかりに岐津舞
訳わからん
タゴサクが辰馬の計画をのっとったとして、明日香から相談されて警察に捕まるまで三日ぐらいしかないはず。
三日の間に爆弾計画も爆弾の仕組みも理解して、自分で秋葉原、東京ドーム、代々木に設置する。動画を自分で撮り直して時間が来たら公開出来るようにする。
辰馬に爆弾を仕掛けて床に起爆装置をセットする。
刑事とのやりとりの台本を考えておく。
これだけの理解力と行動力あったら天才じゃない。ホームレスなのどうして。現在もホームレスなのかわからないけど。
機械にも強いんだ。
明日香は息子を殺しておいて爆弾の事は警察に言わないのか。タゴサクに相談して何をして欲しかったのか。
結局ばれるのに。娘を守りたいと言って結局最悪の結末。
長谷部はなぜ電車で自殺を?
大勢に迷惑かけるし何より家族に賠償金の請求が。そんなの知ってるだろうに。
マスコミにリークした医者をなぜ訴えないのか。
みんな頭おかしい。
時系列や整合性がはっきりしてないと何か冷める。
何でやねんと思ってしまう。
タゴサクと刑事のやり取りがやりたかったのはわかるけど。
タゴサクは謎の人物で人間の形をした超越したものという風に捉えればいいのかな。
今年は爆弾映画の当たり年
感動も、怒りも、達成感も、何にも残らない映画でした。
かと言ってつまらなくは無い。
取り調べ室に出て来る俳優陣の演技が賞賛されるんだろうけど、それを言っても何だかなあって気がする。
タゴサクが最後の爆弾の時に言ってた。ターゲットにあげられる最初の方にこの映画のメッセージがある様な気がしました。
ここまでの事は起きないにしても、不満の溜まった世界を爆発させる奴は実世界でも出て来るかもね。
類家が言った様に壊す方が簡単だから。
それにしても、
桐島です。
ワン・バトル・アフター・アナザー
爆弾
今年は爆弾映画の当たり年ですね。
オチが…
原作未読で映画鑑賞。
予告見て面白そうだったので、期待大。
出演俳優陣が豪華で引き込まれました。
が途中出てくる女子高生暴行殺人事件や、現役刑事の不適切な行動事件など本編とは別の事件が出てくるが、サラッとしていてよく分からなかった。特に女子高生暴行殺人事件は、若手刑事が関わっている…?関わっているなら、なぜそれをスズキが知っていたのか…かなり疑問でした。
そしてオチが弱い…取り調べを山田裕貴に代わってから九つの尻尾ゲームをやるのかと思ったらやらないし、謎解き感も薄れるし、爆弾見つからないの…でモヤモヤして終わってしまったのが残念だった。
全306件中、81~100件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。







