爆弾のレビュー・感想・評価
全306件中、181~200件目を表示
改めて感じる佐藤二郎のすごさ
原作は読んでいません。
プロモーション自体は年始くらいからやっていた記憶。
爆弾のありかを犯人とのやりとりで推理していく。わかりやすい構造の映画。
スズキタゴサクなる人物の恐ろしさ、頭の良さが
佐藤二郎の演技もともなってすさまじいインパクト。
優秀な警察も食らいつき爆弾を見つけていくが、どこかスズキは一歩先を行ってる印象。
少し話しただけで清宮や類家の心情や考えを察する姿に恐怖すら覚える。
どこまでもスズキの手のひらで踊ってる。
最終的に事件の大まかな全容は見えてくるが最後の爆弾は結局見つからない。
スズキの身元も不名のまま。
山田裕貴のドヤ顔と佐藤二郎の負け顔を正直期待していたが…。
気付いたら映画は終わっていました。
ラストこそ、アレでしたが俳優陣の演技や爆発のリアリティは
とても良かった。新たなヴィランの誕生ですね。
役者の皆さんの演技に魅せられ続けた。
全編に渡り、音響効果に頼らず、役者さんの台詞のみで進む事が多く、緊張感がこちらにも伝わってくる演出が素晴らしかったです。
また、役者の皆さんの力量があっての演出、作品でした。
久しぶりに、素晴らしい作品に出会えました。
キャスティングで多少重要な役どころが察せてしまう分、0.5星を減らさせていただきました。
佐藤二朗って助演なの…
祝日の17時からの回でしたが、ほぼ満席でした。CMもよくやってるので期待値高そう。
佐藤二朗が出てくる時の高揚感はすごい、どうなるんだろ、この人、何なのとか。
でも知りたいことは何も分からず終わってしまった感がある。もしかして続編ありとか。
犯罪に至る動機が薄くてちょっと共感が得られなかった。途中で何で?となってそのまま終わった感じ。原作読むともっと理解できるのかな…
余韻フェチとしては★3つくらいですが、皆さんが書いている通り、佐藤二朗の怪演は久々に楽しく★3.5にします。
被害者と加害者、あるいは孤独と仲間
原作未読です。
エンタメ性は抜群で、そもそも爆弾が次々と爆発するというカタルシスと、それによって人が死ぬという残酷性をフィクションで観れるという劇物めいた快感がとても強い作品だと思います。しかも、それでしっかり多くの人間が死んでいくところは最近の邦画ではなかったな、というところでした。公園でホームレスやボランティアが死んだところだけでも残酷(そこでスズキが清宮に突き付ける「幼稚園児じゃなくて安心したでしょ。命は平等だと言っておきながら」という言葉も相まって)ですが、続けて、都心の各駅で自販機が爆発して更に多くの死人が出て東京が文字通り大パニックになるという構図は新鮮でした。なんだかんだ言って、最近の作品では爆弾を未然に防げたし、あの「ラストマイル」でも死人は真犯人だけだったというオチだったので、ここまで自己実現のために周囲を巻き込む犯人を出したのは、エンタメ的にも凄いことですが、現実社会に照らした時、余程リアルな描写だと思いました。
坂東さん演じる交番勤務の警官の片脚が爆発で吹っ飛んだのは、個人的にこの映画の白眉だと思うところです。スズキは、言葉巧みに刑事たちの罪悪感や野心を煽り、篭絡し、罠に嵌めては嘲笑っていくのですが、その根底には、自分をバカにして見下してきた世間や大衆への激しい憎悪が見受けられる訳で、取り調べ中に急に激昂(演技も入っているでしょうが)する内容からもそのことが把握できます。その「理不尽」という言葉が、目の前で交番勤務の善意ある警官に襲い掛かった瞬間だったと思うため、上記のシーンを上げさせていただきました。
そこに至る「クイズ勝負」も刑事たちが総力戦でたった一人のホームレスに立ち向かい、時には勝ち、時には大敗北を喫するという王道展開で構成されていて、やはり王道展開はエンタメの肝だな、と思いました。基本的には、今回の勝負は見た目的にはスズキ一人に警察だけでなく大衆までもが躍らされ、自己嫌悪を抱かされて、大混乱に陥った訳ですから、完全にスズキの勝利のようにも見えますが、スズキは最後に「この勝負は引き分けです」と真面目な顔で告げます。それは何故でしょうか。
前年の「ラストマイル」でも同じことが描かれていましたし、もっと言えば先日見たばかりの「愚か者の身分」でも同様だったのですが、個人的にこの作品は「みんなから無視され続けた者が、無敵の存在となってみんなに復讐しに来る」というテーマ性が込められていると思います。スズキの正体は最後まで不明だし、本当の意味で思ったことが分かることはないのですが、恐らくホームレスになってしまうようなことがあり、そこで出会った夏川さん演じる石川にすら利用されることを悟り、彼女に失望することで「もうどうでもいいや」と振り切ってしまったのでしょう。
この作品が上記2作品と違うなと思うところは、目的が煩雑な割に殺意によって研ぎ澄まされているところだと思います。「愚か者~」は、社会に見捨てられた底辺の若者たちが反社も含めた大人たちに歯向かっていく物語ですが、その目的は「普通の暮らしを普通に送りたい」という平凡さがありました。「ラストマイル」も、社会全体に大きな影響は及ぼしましたが上記のように人は殺さず、かなり目標を絞った捨て身の犯行に出ていることが分かります。そこに切なさもあった訳ですが、今回の作品については、本当に「社会全体」への敵対行動となっていて、本当に無関係な人も殺しまくっているところが全く違うなと思いました。
一方で、スズキからしてみれば自分がこうなったのは、世間が自分を見下してきたという劣等感から来る憎悪によるものかと思います。だから、無関係であっても社会の一員というだけで自分の敵になってしまうのだと思いました。それは、実際に爆弾を作って仕掛けた石川の息子たちや、SNSで自分の動画を拡散する浅薄なネットリテラシー所持者である学生等にも向けられました。犯人の一人が好きだった秋葉原を攻撃したり、最後に大惨事を引き起こす切っ掛けになった自販機を、発端となった暴力事件時に壊すことで皮肉と示唆を込め、動画を拡散する若者を嘲笑するように「あなたたちのおかげで爆弾が爆発する」と軽はずみな行動に重すぎる責任を結び付けたりと、普通に暮らしていれば自分よりも器用に生きて自分を見下してきた相手を徹底的に見下そうとします。
ただ、そこには「人間は下らない」という主張以上に「もっと俺を見ろ」という強烈な自己顕示欲が見て取れます。取調室に殴りこんできた倖田からの視線を受けて喜び、「射精しちゃいました」とまで言えてしまうところからも、とにかくスズキは人から見てもらうことに飢えているのだということが分かります。自分が向けられる憎悪すら餌にして喜びに変換できる非人間性の前に、倫理観はあまり意味はないかのようにも思えました。
しかしその一方で、この映画はスズキと対照的に警察関係者を描くことで、「誰かと一緒にいること」の大切さを説いてもいます。スズキによって無意識的にホームレスやボランティアよりも幼稚園児を選別させられた上に「お前は歪んでいる」と突き付けられた清宮は心が折れ欠けますが、そこで類家は彼を叱咤し、「他がやるより清宮さんがやった方が良い。それが無理なら俺をサポートしてください」と不器用ながらも激励していますし、交番勤務コンビと伊勢の関係性からも、ラストシーンなど含め多くの掛け合いから心の繋がりが見受けられました。
それが如実に表れていたのは、染谷さん演じる等々力が、死んだ先輩刑事の失態を受け容れていた心境を後輩に告げたシーンです。曰く「この人のためなら一線を越えても良いと思えた」というようなニュアンスだったと思いますが、つまり、法や規律を超えた先に人間関係はあるということだと思います。最終的には、もう一人の犯人だった石川すら娘が抱き締めに来たのですから、そのメッセージ性は明確だったと思います。その点、社会に憎悪ばかりを向けているだけで繋がることが出来なかったであろうスズキには理解できない感情なのだと思います。
物語のラスト、スズキは類家に共感してもらったことで笑い泣き(本当にこれが出来たのはひとえに佐藤さんの熱演あってこそだと思います)した後、その類家から「石川は信頼するアンタに告発して欲しかったんじゃないのか」と突き付けられ、「根拠のない憶測ですね」とコミュ障じみたことを言います。続けて類家が「俺は現実から逃げないよ」という感じのことを言われると、一度は言い返そうと振り向くも、真正面から自信満々に言う類家に何も言えずに去っていくことになりました。等々力からも「俺はこの世界をつまらないと思ったことはない」という感じのことを言われて、本当に納得したように「なるほどです」と頷きます。こういうことがあっての「引き分けです」だったのかも知れないと思いました。
スズキの社会的正体は不明でしたが、個人的には、社会に無視され続けてきた結果、承認欲求が肥大化したホームレスが、ふとした切っ掛けで自己実現の機会を得て、多くの人間を巻き込んで承認欲求を満たそうとした。それだけの憐れな存在だったのだと思いました。
個人的には、もっと類家とスズキのクイズ勝負が観たかったので、☆半分を削らせていただきました。
それでも、総評としてエンタメ性は抜群でありつつ、ちゃんと現代社会に通じるテーマとメッセージ性を持った稀有な作品だと思いました。
対話演技が凄すぎる。
物語、演出、色々感じるところはありますが、
とにかく、取調室の対話シーンが超絶でした。
最初の染谷さんパートから始まり、
篤郎さんパート、そして、終わりの山田君パート、
それぞれ、空気がガラッと変わってくる。
そして、二郎さんの演技が終始怖い、きもい、不気味、
深淵を覗きにくる、あの目と雰囲気が、とても嫌な気持ちにさせる。
ラストがモヤモヤするとか、賛否が分かれるようですが、
何とも言えないモヤモヤが心に残ることを踏まえ、
とても良く作った映画だと思います。
この作品、しばらく、忘れない気がする・・、
自販機も良く使うから、余計に忘れられない・・・。
タゴサクの本音と目的、類家が言った最後のセリフ。
皆さんは、どう解釈しただろうか。
その気持ち、分らんでもない。
タイトルなし(ネタバレ)
おもしろすぎ
展開やキャラが面白くて
ブラピのセブンってわけでもなく
ハンニバルや羊たちの沈黙のレクター博士でもなく
取調室は特に見入ってしまう
どんどん面白くなっていく
犯人がギアを上げていくだけでなく
刑事も運転手交代からの追い付き追い越して行く
推測のデットヒート
レース映画
又は
将棋の一手指しと早指し
間違える度に駒が取られる
読み切れ
将棋崩しを慎重に解く感じ
難しいナンプレ
この男を解くしかねぇ
ご意見が聞きたく思っております
1.原作を読んでいた方が楽しめる
2.原作を読まない方が楽しめる
どちらなのだろう?と思った作品です。どちらにも一長一短があるのは承知の上で。
ちなみに自分は、原作を読んだ後に鑑賞しました。
1.なら・・・展開が早すぎて、???となる部分も多かったと感じました。例えば
ハセベユウコウの「お恥ずかしい不祥事」の件や「シェアハウス」の件など。私の
頭だと付いていけない可能性が高いと・・・
内容をある程度理解していたので場面場面で理解が出来ました。
2.なら・・・最後までハラハラ出来るたのかな・・・?と
ストーリーを知らない方が最後まで楽しめる内容だった感もあります。
個人的には原作と映画のキャストがドンピシャでした!特にスズキタゴサクは佐藤二朗
さん以外には考えれないほどのはまり役、かつ怪演でした!
ちなにみDolbyシネマで鑑賞しました。
考察 ※ネタバレあり
まずレビューから。
めちゃくちゃおもろかった。
佐藤二朗がめちゃくちゃハマり役だった。
(ホームレス役だから失礼かもw)
観客に謎を解かせる気のないスピード感は個人的に良かった。
たまにちょっとずつヒントを出して段々謎が解けていく映画で、早々に謎がわかると謎が解明されるまでつまらなくなっちゃうのでこれくらいがいいなと思った。
自殺した刑事の話は事件に大きく関わりがなかったし、息子の犯行動機もよくわからなかったけど、逆にそれでよかったなって思いました。
なんならもうちょっと薄くても大丈夫なくらい。
まとめるとこの映画は鈴木たごさくとルイケの高度な心理戦の映画。
そして佐藤二朗の怪演が光る映画だった。
☆考察(原作は読んでないです)
1、鈴木たごさくは誰なのか
ホームレスであることは間違い無いと思いますが、最後の会話で「低脳な人間ばかりで・・・」みたいな事を言ってルイケに共感を求めていました。
さらに身分は違うけどあなたと私は同類だと発言していました。
ルイケはとても頭のいい人物です。
なのでたごさくは学者や教授などの頭のいい地位にあった人だったと推測できます。
続いて反抗現場でマスべをした刑事をかばった染谷を気に入ったり、以前ストーカー行為(しらをきったので本当かはわからない)の話をするなど、恐らくそういった類の事を行い、犯行、冤罪となりホームレスになったのかと思われます。
ホームレス時代に石川ママと仲良くなったのはそういった繋がりがあったからかもしれません。
2、最後の爆弾
最後の爆弾は見つかっていないと言っていました。
最後の爆弾とは本来石川あすかママが持っているはずの爆弾でした。
しかしフェイクだったので最後の爆弾は見つかっていないのです。
ただ思い出して欲しいのは鈴木は爆弾を作れないはずなのです。
ルイケの終わりにしたくなかったという発言が本当であれば爆弾は使い切っててもおかしくありません。
どこで使ったのかというとやはり石川息子に埋め込んだ爆弾でしょう。
あそこだけは石川息子の計画にないはずの部分です。
息子がママの殺人とバレないように、
地雷の爆発に紛れ込ませ一緒に爆発させてしまったのです。
あと新聞に面接をしに行ったのは自分の爆発させたかった場所に仕掛けるために何個か爆弾を回収するためによったのではないでしょうか。
3、鈴木たごさくの犯行動機
ルイケは石川ママに利用されたと思い、もうどうでもよくなった、世界をぶっ壊してしまいたいという気持ちになったと推理をしました。
ただ鈴木は刑事とのやり取りの中で憎しみの話をしている時、鈴木は「殺したいよね?」と殺す側の発言をしています。
そうなのであれは最後の石川ママの爆弾フェイクや石川息子の木っ端微塵は説明がつかなくなってしまいます。
つまり鈴木は全力で石川ママを救おうとしたのです。
最後に石川ママが捕まらなかったので、鈴木の目的は達成されました。
ついでに自分も罪を被ることはありませんでした。
やっぱり鈴木は冤罪で罪を被ったことがあり、その経験から冤罪にならないようにするテクニックを考えたのではないでしょうか。
と思ったあなた。
もう一つの真意があります。
やり取りの中で相棒の片足がなくなって女性警官が取調室に乗り込んできた時、鈴木は射精します。
「こういうのを待っていた」「自分を憎しみ、自分を恋焦がれる」という発言。
本来これは石川ママにさせる予定でした。
ドラゴンズの帽子がゆういつ大切なものだった。
つまり自分のことなんかどうでもいいと思っている自分が好意を持っていた相手から恋い焦がれられるシチュエーションを作りたかったのです。
そして!
「あなた(鈴木)を呼んだ(石川ママが)のは自分に自白するように言って欲しかった」
という発言。
石川ママが取り調べ室に行ったら「あなたに助けを求めるんじゃなかった」というような発言が出てくるはずです。つまり自白。
鈴木は石川ママに自ら自白させるようにしくんでもいたのです。(もしくは自分で全てを話す)
この複雑な感情達が絡み合ってより謎が謎であり続けていたのです。
4、最後の鈴木たごさくの「引き分け」とは
ルイケは爆弾を見つけたら私の勝ち、謎もとくと言いました。
しかし駅の爆発は阻止できなかったため、ルイケの負けではあるのですが、最後の爆弾が爆発しない事を言い当てたこと、おおかたの犯行動機が当たっていた事が引き分けの発言になったと思われます。
そして石川ママがあの取調室に行って爆弾を起動できなかったこと(爆弾は爆発しないけど)です。
あの場に石川ママを連れてきて、スイッチを押させ自分で自白させるところまでがストーリーだだったはずだからです。
ほぼ文句なし
予告編から「この役、佐藤二朗でいいのかな?」と思ってたんだよね。
それで「いいのかな?」って思いは抜けずに最後まで観たの。
じゃあ、誰ならいいのさ? って聞かれると温水洋一ぐらいしか思い浮かばなかったから、佐藤二朗でいいのかな。
渡部篤郎の演技すごいよ。はまり役なのかも知れないけど「この人、こんなにうまいんだ」と思ったもん。
山田裕貴はいつも通り、うまい。
たぶん刑事側の方が、演じるのやさしいんだろうな。
この犯人を演じるのは、難しい。だから、佐藤二朗はなかなか凄いんだとは思うんだよね。
話は異常犯罪者と警視庁特殊犯捜査係の捜査員が取調室で知恵比べすんだよね。
やり取りがソリッドで面白い。
これ、原作面白いんだろなと思って読んでみたら、ストーリーはほぼ原作通りだね。
でも映像になって面白くなったね。
オープニングの秋葉原の爆発でとんでいく女の子と共にタイトルコールは「この映画は面白いぞ」と思わせたし、爆破シーンがあった方が想像がリアルになるから響くね。
映像と話の展開が良くて、演技がみんなすごいから、面白く観ていられんの。
そして事件が解決編に入って思うんだけど。
やっぱり、佐藤二朗の動機が腑に落ちないね。
これは原作者や脚本家が悪いんじゃなくて、盛り上がる話になるためには連続殺人や無差別殺人が必要だけど、そんなにたくさん人を殺すほどの強い動機って、ないよね。
この作品も、不祥事で警察を辞めた人の息子が犯人なら、まだ、ギリ分かってあげられるかなって感じはすんの。
でも、佐藤二朗、そこまでの何かないしね。でも息子が犯人だと知恵比べも盛り上がらないしね。難しいね。
そうした、この頃のミステリがもつ限界は気にはなったけど、そこはしょうがないと割り切って観れたら、超絶面白いと思ったよ。
「分からなくもない」
観入った。
好きなタイプの物語でもあったのだけど、構成が素晴らしくて目も耳も剥がれない感じだった。
基本的には会話劇であり推理物であるとは思うのだが、それらを具現化する俳優陣と演出の非凡さに煽られる。
山田氏もさる事ながら染谷氏の最後の台詞「俺はそれを不幸せだとはおもわないんだよ」
ある種の境界線とも思える一言だった。
連続爆破事件の程ではあるが、環状線の爆破とそれ以外に区分されてて、最初の3つの爆破はスズキの単独犯だったらしい。シェアハウスにある材料からネットの情報を頼りに作りでもしたのだろう。彼も栄光なき天才の1人であったのかもしれない。
頭を傾げるのは彼の実行力だ。
母親による息子の殺害から、環状線爆破までそこまで日数は無かったはずで…様々な葛藤を抱えつつ性急に事を進めた理由が今一つ噛み砕けなかった。
とは言え、報われない天才というか俯瞰者を佐藤氏は見事に演じきってくれた。
とあるインタビュー記事だったか、彼は俳優がカテゴライズされる意味が分からないと苦言を呈していた事がある。「演技派だとか個性派だとか〇〇俳優みたいな区分けがあるけど意味が分からない。全てを演じるのが俳優なんだ」とかなんとか。
その信念に嘘偽りのないスズキタゴサクだった。
怪物・スズキに対峙する等々力も類家も堂々たるもので…常人離れした価値観が素敵だった。
一歩間違えば稀代の犯罪者にもなり得そうだ。
このクソみたいな世の中を壊さない理由を一方は「つまらないから」と言い、一方は「自分を特別視してないから」だと言う。
考え方、捉え方が違うだけで人は180度転ぶのだ。
ゾクゾクする台詞の応酬だった。
ずっと噛んでたくなるような台詞による伏線が大量に準備されて、人物の裏側を探りたくなるような癖の強いキャラが魅力的でもあった作品だった。
見応えあったー!
「この世はクソです」が、それで?
タゴサクは終始淡々と供述するが、一番感情が動いたシーンが、「この世はクソだろ」を類家から引き出したタイミングだったね。
その思いは、どの登場人物も大体同じ。ただ、そのあとの自己解決の方向性がそれぞれ異なる。それが、この映画が一番示したかったことなんだろうなと思った。そして自分はどのあたりにいるのだろう、と振り返るのが面白いような。怖いような。
原作へのリスペクトが光る緊張感あふれる一作
ちょっと最高すぎた。わたしの中では今年一番でした。『爆弾』は、キャスト・監督・原作の三位一体で、原作の魅力を損なわず、かつ映像ならではの良さを加えた作品だなと感じました。特に、佐藤二朗が演じるスズキタゴサクは、ただの“悪役”ではなく、日常に潜む異物としての怖さ・不気味さを演技レベルで具現化しており、観る者に強烈な印象を残します。
原作が好きな方にも安心してお勧めできるし、私としては、「佐藤二朗がこの役をやる意味」を実感できたという点が、特に印象深かったです。
個人的には、寛一郎が見せた“まっすぐで濁りのない瞳”に心を掴まれました。
取り調べ室で展開されるドラマとしては「ダークナイト」に匹敵するサスペンス。
あるいは和製「セブン」?冷静に考えると、あの人員でそんな規模の仕掛けは無理だろ!とか、警視庁のエリート刑事を手玉に取れるおっさんがその辺の河原に転がってるの怖すぎるとか、ツッコミどころはあるのだが、それら一切を捻じ伏せる佐藤二朗の怪物的演技!狭い取調室での対話が過半を占めるのに、むしろ下手なアクションよりも緊張感に満ちた対決シーンとして成立している。ただ、結末だけはやはり対話だけでは物足りなさがあったのは数少ない本作の欠点。さすがに現代日本では暴徒が警察署を襲撃したり…とかは無理があるのは分かるのだが。サブプロットの「なぜスキャンダルを起こした同僚刑事をかばったのか?」という謎と、事件のクライマックスがもう少し緊密に結びついていたら満点だったと思う。キャストのトップに表示されないのがおかしいくらい、佐藤二朗は八面六臂の大活躍だったが、山田裕貴らをはじめとする警察陣も名演揃い。特に前半の対決相手を務めた渡部篤郎は、単なるかませ役に留まらず、とても有能できちんとした人が、常識外の怪物に食い破られる様をじっくり演じていて素晴らしかったと思う。敗北後も持ち場を投げ出さず、バトンタッチした山田裕貴のサポート役に回るのがとてもいい。
佐藤二朗の怪演に釘付け
二朗さん、あなたって人は本当にすごい役者ですよ
あんなホームレスの方いますから
しっかり10円ハゲまでこしらえて、普段の生活でいちいち説明するのが大変だったそうで笑
137分という時間、ずっとヒヤヒヤしながら観ていました。それぞれの刑事たちとの心理戦と会話劇、二朗さんの膨大なセリフ量も半端なかったです
タゴサクさんがそんな謎解き問題を出せる頭脳をお持ちなのか…そこはちょっと疑問を持ちましたが、類家刑事とのマウント取り合戦、感情がアップダウンする演技はとても見応えがありました。類家刑事だけはタゴサクが自分と対等に話ができると認めた人間なのでしょう
複雑に絡み合った人間関係や過去の繋がり、伏線があったりと最後まで飽きさせないストーリーや演出、そしてまだあと一つ残された爆弾は今どこにあるのか、それとも実際にはもう爆弾は存在しないのか、タゴサクが「今回は引き分けだ」その一言にも続編が期待できそうな終わり方でした。豪華な役者陣でしたが、それぞれの役を全うされていて、素晴らしかったです
加藤雅也さん、夏川結衣さん、最初お二人とも華やかさゼロで、この役者さん誰だっけと思ったほどでした
落ちぶれた役も見事に演じられていて、さすがでした
追記
余談ですが、爆弾で怖いのは広範囲に破壊力が及ぶこと、そして、人が密集している場所、隠す場所が限りなく途方にあること、無差別なところ、駅や自販機の飲料なんて本当に考えも及ばなかったですが、スーパーやスタジアムなんて考えた始めたら、恐ろしいですね…
こんなに映画から狂気を感じたのは初めて
怠け者と天才は結局は同じ結論にたどり着くといったセリフや佐藤二郎さんの怪演、そして犯行のヒントの仕組みといったすべての要素が本当に素晴らしいと圧倒された。途中で感じた犯行の手抜さはスズキタゴサクがすべて企みを持って犯行に臨んでいたわけではないという強調につながっており、そこからタゴサク自身の人間味を感じた。平たく言うと怪物と人間の頭脳戦であったわけだが、両者は確定された立ち位置を持っているわけではなく誰しもが怪物になることもあれば、人間でいられることもあるということを清原とタゴサクのやり取りの中で強く感じた。
確実にこれを高校や中学の頃に見ていたら影響されていたと言っても過言ではないくらい強烈であり思案に満ちた作品だった。
記憶を消してもう一度見たいと思った。
スピード感の中に人を描いている映画
佐藤二朗さんの タゴサクが
圧巻だった。
この作品は、タゴサクが イマイチなら
駄作に なってしまう映画なので 素晴らしかった。
散りばめられた、伏線回収、スピード感
タゴサクと 対戦する面々、最後登場する
類家くん
この映画は、謎解きのかげに 人を描いていて
そこが この映画の魅力と
なっている気がしました。
とにかく
佐藤二朗さんのタゴサク凄かった。
役者としての
引き出しの多さと そうなるまでの 色々背景に
勝手に 胸が熱くなりました
タゴサクと類家くんの 第二戦みたくなりました
素敵な映画でした
記憶が優れた優秀でかつ律儀な浮浪者は存在するのか疑問!
.......
今
早 日
速 は
鑑 「
賞 爆
し 弾
ま 」
し を
た
。
世間を賑わせてる「爆弾」ですが、やはり腑に落ちない所が多々感じます。
その部分を挙げて行きたいと思います。
おっと、最初の爆発まで あとXX分!(笑)
①
不
可
解
な
点
・長谷部有孔(役:(自殺した刑事):加藤雅也さん)の行動。
何故事件現場でXXXな事をしていたのか?何故見つかるの分かっていてXXXしたのか。カッコいいのに~無理やり設定過ぎて納得できない。ストレスから来ているのか?それなら病気処理でしょ。カウンセリング受けてそれをリークされて週刊誌に載って。カウンセリングに成って無いし、カウンセラとして失格。
・警察を無理に辞めさせられて?恨み生じた?
誰に恨みをなのか。自分は何もしていないと言えるのか。
何故急に 電車に飛び込むのか。自暴自棄なのか。これもストレスの影響か。
そして鉄道会社から自殺による損害賠償求められる。
・これにより長谷部一家離散。旧姓石川使うが、何故家族は再起出来ないのか?
そして母は浮浪者にってあんまり有り得ないな。誰か助けるんじゃないかな。
そして息子は世間(警察、鉄道会社)へ恨み? 直結するの何でかな?
製薬会社勤めの人は 誰でも爆弾作れる不思議さ。
かつ、他人の命を平気で巻き込む考えに至る所の甘さ。
製薬会社に勤めていても人としての道義は備わっていないのか。
そう想うのも、そう想われるのも困る。
・母が息子をXXX。ここまで来ると ちょっとサイコな母明日香。
XXXれるかな? この女では大いに疑問。葛藤に至ってなく成り行きXXXか。
・そして 普通の酔っぱらい浮浪者スズキタゴサク(役:佐藤二朗さん)の 登場!
凄く 律儀と思う 明日香とのXXX関係性 この流れ。
ここまでXXXを引き継ぎ、用意周到性、そして計画記憶に 仕掛け罠。
優秀過ぎる点が 仇だと思う。
或る意味、類家(役:山田裕貴さん)と 頭脳的にはいい勝負でしょうか。
・全体的に社会に復讐として恐怖のズンドコ(どん底)に持っていくには動機理由が弱いと感じますね。細部に拘った愉快犯的にしかなって無くて もひとつ深く感情移入には至りませんでした。
その点が惜しい所。
②
面
白
か
っ
た
点
・身元が割れる携帯電話の存在を故意に有る場所に置いた所。
そこへ誘導させる為の狂言と、踏み込む警察の流れは面白かった。
遺体損壊爆破と、矢吹泰斗(役:坂東龍汰さん)の足吹っ飛び場面。
中々やりますね。タイミング的な所など見せ方は良い出来と感じます。
・今作 どの爆破場面も結構良く出来ていてエキストラ使っての大掛かりな撮影が功を奏したと思います。
タイトルが爆弾なだけに 主役は爆弾ですし爆破を見せなきゃ意味ないですもんね。その点は 期待通りの場面仕上がりだったと思います。
話の流れ展開、動機等が腑に落ちませんが、
心理戦、謎解きは複雑でしたが十分楽しめました。
ご
是 興
非 味
劇 あ
場 る
へ 方
! は
エンタメ作品としては申し分ない
スズキタゴサクという怪奇なキャラクターを
もはやその人そのものであるかのように演じた佐藤二朗、
カメラワーク、定期的に爆発する飽きさせない展開、
取調室にいながら犯行が続くが、それを止めることができないという設定の発想(※小説原作)、
犯行が続くのに自供もせず物証もないため逮捕できないジレンマ、等々。
オチの論理に若干の甘さがあるものの、
エンタメ作品としては
申し分ないものだったと思う。
素晴らしかった。
佐藤二朗さんの好演がもったいない
クレジットロールでは山田裕貴さんが初めに出てくるが、本作は佐藤二朗さん主演作品だ。
佐藤さんはそのキャラから、おやじギャグ連発の愉快なおじさんというような設定が多いが、実は繊細あるいは神経質な役柄が相応しい(御本人は強迫性障害の過去を告白されている)。今回の無邪気な子供のイタズラにも思える序盤構成にはピッタリの配役といえる。
自販機を蹴り店員を殴って警察で事情聴取を受ける中年男は「僕には霊感がある」といって、これから秋葉原で爆発が起きると予言?する。やがてその言葉は現実のものになり、警察内部はざわつく。そして、男と警察の攻防戦が始まる。
事件の動機は爆発の前までにさかのぼることになるが、作品中の警察関係者には発端の事件のことが了解済みとされている。一方で観客は事後的に追いかけるのだが、そのことで消化不良になっているような気がする。
原作(未読)とは異なるかもしれないが、発端となった事件を初めに提示したほうが構成としては良かったのではないかと思う。
原作が有名なものだと、原作ファンへの気遣いが映像化への障害となる例は多い。
原作ファンをも納得させる改変を是非とも実現してほしかった。
脚本は、来年度の大河ドラマ「豊臣兄弟!」を担当する八津弘幸さん。
爆弾テロや殺人を肯定する気などないが、こういったサスペンスでは犯人の動機が観客の心に入り込む必要がある。
残念ながら、動機が今ひとつしっくり来ない。事件の遺族としては何かと大変だったかもしれないが、それが大規模な爆弾テロへと至る過程がすんなりと受け入れられない。犯人にも幾ばくかの理屈はあるんだなあとは思えない。
終映後に反芻してみても、何か見逃しているのかと思えてくる位だ。
警察は捜査と取り調べのプロだ。渡部篤郎さん演じる捜査官はおそらくは現場で交渉人などを任されるプロなのだろう。爆破を予告(予言)する正体不明のタゴサクに、当初は臆することなく冷静に対峙しているが、いつの間にかタゴサクのペースに乗せられ、挙句には、タゴサクが多分わざと差し出した指を折ってしまう。
タゴサクは、FBI捜査官並の心理テクニックを駆使しているのではないかと思えてくる。タゴサクはただのホームレスではない。相当の手練れだ。
これでタゴサクは無罪への切符を手にしたのだ。タゴサクは爆弾を仕掛けたとはひとことも言っていないし、指が折れたことで自白の強制と違法捜査が強固になってしまった。
予告編を映画館で観たときから、二朗さんが最高に決まっているという直感があったが、それは正解だった。
残念ながら、映画そのものがガッチリとは決まっておらず、課題を残す結果となったというのが私の印象だ。
もったいないなと繰り言が出てくるばかりだ。
原作では「法廷占拠」という続編が既に出ているらしいので、本作がヒットすれば続編映画化もあるかもしれない。
全306件中、181~200件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










