爆弾のレビュー・感想・評価
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もう一回取調べお願いします。
「爆弾」
・
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・
いきなり取り調べが始まっている導入部が素晴らしい。
「ドラゴン・タトゥーの女」なオープニングクレジットも微笑ましく、また謎のヒントになっているところもいい。
主な登場人物も特にフォーカスが当たるわけでもなく、淡々と主要人物が画面に登場するさりげなさもいい。誰もかれもが、特殊なわけでもなく、誰もかれもが、同じ側面を持っている。主人公然しない山本裕貴、毅然とした渡部篤郎の崩れ方。山本と渡部の関係も語られないがそれはいいだろう。
だが、その描写故、主要人物のだれもが、「なぜ」それを「するのか」、「できるのか」といったクエスチョンが緊迫感の持続を遮っているのが痛しかゆし。
記録係の手打ち入力。爆発の有無をネットニュースの速報で確認する。そんな警察署に駆け込むネットに踊らされた市民。なかなか引っかかる。
目指すべきてんこ盛りなエンターテイメントになっているが、個人的には回想シーンは全く必要ない。さらに爆破シーンは意外性がないため、展開の緩急になっていない。グロい描写が安っぽく、カメラが外に出れば出るほど逆に映画的な面白さが損なわれている。
お客さんを呼び込むエンタメ映画のための派手なシーンは必要、かと言うと、今年の邦画の充実ぶりを見ると、必ずしもその結論だけではないように思う。
思い切って、全く取調室から外に出ず、会話劇、密室劇に徹するほどの意気込みと練りこみを求めれば、よりインパクトを与える作品になったと思う。
「ジョーカー」で「ジョン・ドウ」な佐藤は、「容疑者X」。「レクター博士」のようなバックボーンの構築も可能。ここでは佐藤と山本の対決は、言葉遊び、「記憶力」の対決。そこに「間宮」な要素はないが(いや、無いわけでもないか)、萩原聖人にこの役をやってほしかったなあ。
もう全部吹き飛ばしてしまえ!
最高に面白かった。下手すると犯人?スズキに共感してしまう。そのスズキの指をへし折った年配刑事(名前なんだっけ)の気持ちも判る。如何に妙な性癖があったとはいえ、それを変態呼ばわりして取り囲むマスコミ、安易に動画を拡散、そして「俺シラネ」といって逃げを決め込む。警察の聞き込みにカメラを向けて嫌味をつける。世の中、良い奴なんて居やしない。アニメにしたら、さぞかし黒インクが足りなくなるだろうという、最初っから最後まで薄暗い映画のイメージ。とことん視聴者にストレスをかけ、むしろ犯人に共感してしまう。スズキから「あなたもそう思ったんじゃないですか」という問いかけは、まさに視聴者へのメッセージ。
でも、ちゃんと釘を刺すのはいいですね。「お前は悪だ」と言い切る年配刑事のセリフのお陰で踏みとどまった気分。露骨に爆弾で傷つく警察官を含めた被害者達の姿に、「悪いことをするとこういうことになるんだ」と目を覚まさせてくれる。そのへんが、この映画の良識だったと思う。面白さ半分、やっぱり見終えて鬱屈した気分にもなったけど、「高い焼き肉おごれ」というメッセージで少し上向き気分になれます。あのメガネの切れ者、類家くんもポーク(なんだっけ)が喰いたいというセリフ。そういえば「じゃりン子チエ」でも言ってました。「まずはお腹いっぱい食べること。お腹が減っていると、ついつい変なことを考えてしまう」ということなのでしょう。国民に飢えさせる国では駄目なんでしょうね。日本の豊かさもまた、治安維持の否決かもしれません。
あと、雑感というかなんというか。こういう事件、一人の犯人が知恵をふるって警察全てを翻弄するなど、本当に有り得るものかどうか。こういうフィクションって本当にファンタジーだと思う。ファンタジーというと語弊が悪ければ、現実味の無い夢物語。懲りに凝った計画犯罪って、なんの経験も無しにプランを組んで実行して、それがどこまで上手くいくものか。ようするに「手練れ」でなければ、「未経験」では駄目だと思う。常習犯で無ければ、成功率なんてかなり低いのでは無いか。
加えて、警察署の取調室で、強面の刑事の取り調べを受けて、どこまで踊りきることが出来るものか。あのスズキも若くないし、どんな経験を積んできたかは知らないけど、出世争いで殴り合ってきた警察相手に面と向かってからかうなんて、どれほど海千山千の経験を詰めば出来るものなのか。映画を見ていて、「そんな人間がいきなり登場するなんて有り得ないよな」という気分に終始囚われてしまいました。でも、だからこそ、「邪悪な怪物」ぶりが面白いんですけどね。
その怪物ぶりを演じきった佐藤二朗さんでしたか。凄まじい名演でした。役者陣が実に魅力的な凄い人達、類家くんが出演者の筆頭に上がってるけど、まさに怪物スズキこそ、この映画の主役だったのではないかと思います。
そういえば、類家くんの名乗りの連呼。あれがなければ、見ていて名前が認識できませんでしたね。役割がハッキリしていれば登場人物に名付ける必要はないと思っていますが。
佐藤二朗ショー
なかなかの怪作というか、佐藤二朗ワンマンショーみたいな映画だったのだが、いかんせん私は佐藤二朗の芸風が苦手なので、彼のどアップの連続とクセつよ演技の炸裂ぶりにちょっと辟易してしまった。佐藤二朗ファンの方本当にごめんなさい。
原作未読なので映画の情報のみでの評価になるが、話の土台の部分がちょっとわかりづらかった。原作を読んでおけばよかったかもとちょっと後悔。
そもそも山脇と梶、石川辰馬は何故環状線の爆破を計画したのか。長谷部の心の闇が何に由来するものなのか。タゴサクに行動を依頼した明日香の動機。明日香が息子の辰馬を殺した理由も今ひとつ腑に落ちず。明日香から頼まれただけであそこまでするタゴサクのモチベーション。
全く描写がないとは言わないが、山盛りのネタに対して人物造形の作り込みが乏しすぎる気がした。さらっと流されたこの辺りのことが引っ掛かり、テンポよく進んでいく物語に乗りきれなかった。
取調室でのタゴサクと捜査一課の面々とのやり取りの緊迫感はよかった。前述のように私は佐藤二朗の芸風が苦手なのでタゴサクのトークにも嫌悪感を抱いたのだが、そもそもタゴサクは観客に嫌悪感を抱かせたら正解と言っていいようなキャラなので、私の受けた印象は佐藤二朗の狙い通りということなのかもしれない。
佐藤二朗 vs 染谷将太、渡部篤郎、山田裕貴の畳み掛けるような台詞の応酬は、爆発シーンと並んで見応えがあった。彼らの間で行き交う言葉を追いつつ、タゴサクの言葉遊びの謎解きにも気を回すため自ずと集中して展開を追うことになる。この辺はゲーム的な要素があって面白かった。
ただ、タゴサクの弾丸トークに垣間見える彼の主張、「人の命が平等だとか欺瞞じゃね? 心の奥では皆そう思ってんだろ?」といったような(違っていたらすみません)メッセージには、正直あまり新鮮味がなく、タゴサクをそれほど怖く感じなかった。あれだけ意味深な言葉を立て続けに吐いて、たまに突然大声も出すのだから、見るからにヤバい奴、という意味での怖さはそれなりにあったが。
個々の人間にとって他人の命が平等でないのは当たり前であり、ただ社会秩序のために「命は平等」という単純化した理想を標榜しているに過ぎない。社会秩序が失われれば個々人が危険に晒されるから当然のことだ。だから社会秩序を守る立場の警察の人間が、命は等しく大切だという体裁を取るのも当然だし、類家のように本心では誰かを殺したいと思ったことのある刑事がいるのもこれまた当たり前。そこを今更つついて喜んでいるタゴサクが、ちょっと子供っぽく見えてしまった。
相手の心に踏み込むサイコキャラを出してくるなら、普通に話しているだけでいつの間にか取り込まれそうになる怖さ、あれ?この人そんなに間違ったこと言ってなくね?となりそうになってゾッとする怖さを感じたかったが、タゴサクにはそれはなかった。あくまで私の主観、好みの問題だろうけど……
終盤もちょっと不完全燃焼というか……爆発物を仕込んだのが辰馬たちとは分かったけどもう死んでるし、そもそも明日香は娘を守るために犯罪を計画した辰馬を殺したのかと思ってたら自分が警察署に爆弾抱えて来てるし(不発だったけど)、発見しきれない爆弾残ったまま終わるしで消化不良感が強かった。
山田裕貴のインタビューによると「ベートーヴェン捏造」と撮影時期がかぶっていたようで、彼と染谷将太(上記作品にセイヤー役で出演)の演じ分けを味わうというメタ的な楽しみはあった。
受け入れられない代表
原作を知らずに期待感込めて鑑賞。正直、気持ち悪くて受け入れられない描写もあり、会場にはカップルもいて、気まずかっただろうなあ…なんて余計な心配もしたりして。
つくづく娘(高校生)と来なくてよかったと思った。登場人物多すぎだし、ストーリー的に必要なくね?という登場人物もいた。秋葉原の爆弾は混乱させるためという設定だったが、だれが仕掛けたん? たごちゃんは爆弾仕掛ける技術はないはず。俳優さん達の演技にこそ引き込まれましたが、ストーリー的には受け入れられないわたしでした。主題歌も意味不明。何の脈絡もなし。
めちゃ面白い
暇でちょうどやってたのがこれだったから観ました!
割引き等なく定価で正直大丈夫かなぁという感じでしたが、めちゃくちゃ面白かった!
国宝が自分にはイマイチで合わなかったから2025年の邦画はこれが一番かな!
始まりからどんどん引き込まれていってラストスパートまで一直線だった!爆破のシーンもしっかり描写で死体も映っており、取り調べ室との静と動の対比もあり、飽きずにのめり込めた!
小説も読んでみようかな
全てはこの男の掌の上だった……。
日本映画史上一番のヴィランが生まれてしまったかもしれない。
坊主頭に十円はげ、メタボ体型のオッサンなのに、全てがその男の掌の上。取調室という薄暗い密室の中から、東京の街全体を掌握してしまう安楽椅子テロリスト。それがスズキタゴサク。
前評判が良かったので期待して鑑賞しましたが、期待を軽く超えてきてくれました。
日本のミステリ映画ではトップクラスの作品です。大迫力大音量の爆発シーンがあり、逆に呼吸音すらうるさく聞こえる静寂の緊迫したシーンも素晴らしく、ぜひ映画館で鑑賞していただきたい作品でした。
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東京都野方警察署の取調室に、一人の男が連れられてくる。スズキタゴサク(佐藤二朗)と名乗るその男は、酔った勢いでちょっとした暴行事件を起こした小汚い中年男性。取り調べの最中スズキは、自分は霊感でこれから起こる事件を予知することができると言い始めた。10時ちょうどに秋葉原で何か大きな事件が起こると話すスズキに呆れながら取り調べを続けていた刑事たちだったが、スズキの予言通り秋葉原で大規模な爆破事件が発生したことで、取調室の空気が一気に張り詰めるのだった。
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「タイトルが出てくるシーンが良い映画は、例外なく名作」
これが、7年ほど映画を観続けてきた私の経験則です。5分から10分のアバンがあり、見せ場のシーンで映画のタイトルが画面上に映し出されるというパターンが映画では多いんですが、映画の顔とも呼べるタイトルが画面に登場するシーンでテンションが上がる映画はほぼ例外なくいい映画です。
本作は、スズキタゴサクが取調室で「秋葉原で事件が起こる」と予言をし、その予言通りの時刻に秋葉原で爆発が起こるシーンでタイトルの【爆弾】という文字が表示されます。大迫力の爆発と、耳をつんざく轟音。人間や車が吹き飛ばされる容赦のない描写、そして爆風で宙を舞うメイドを映しながら、【爆弾】というタイトルが画面いっぱいにデカデカと現れる。多分今まで観た映画の中で、トップクラスにテンションの上がるタイトルシーンでした。私はこのタイトルを見た時点で「あ、この映画は面白いぞ」と確信しました。秋葉原の爆発シーンから一気に物語が動き出したのが感じられて、そこからは怒涛の展開の連続で、あっという間にエンディングを迎えました。
本作の魅力は何といっても俳優陣の鬼気迫る演技にあると思います。
佐藤二朗さんの演技は言うまでもありませんが、山田裕貴さん・染谷将太さん・渡部篤郎さんなどの役者陣の演技がとにかくよかった。動きの少ない取調室の密室会話劇なのに全く退屈せずに観ることができたのは、優れた脚本と俳優陣の演技によるものだったと思います。
迫力のある爆発シーンも良かったです。爆発シーンがしっかり爆発するし、しっかり死体を映すし、しっかり出血する。過激な表現を抑えて爆発の被害は映さないこともできたと思いますが、この映画ではそこを逃げずにしっかり描写してくれました。すごくよかったです。
年末の新作映画ラッシュのせいか、だんだんと上映回数が減ってきていますが、もっと多くの人に見てほしい素晴らしい映画でした。オススメです!!!
今年1番の映画が年末に
まぁ今年はあまり映画を観てないのですが💦
最初は観る気もなかった作品だが、観終えた時には原作小説を読もうかなと思うほど。
コミックDAYSで数話無料だったので何気なく読んでみると中々面白い。
スズキタゴサクが好きな俳優ジローさん。ワクワクしてきた。
映画なら一応の決着が着く。先に結末を知りたくないと思いながら漫画版は序盤がアップされている印象。
パラレルもありかと観てみる事に。
最初のイセを誘い込むところで著浦沢直樹のMonsterが脳裏に浮かぶ。
やっぱりジローさん演技凄いわ。絶対悪なのに終始そう見えない。
染谷将太ってこんな顔だったっけ?って思っちゃったが、それはさておき等々力とは若干違和感を感じる。風貌は類家が似合いそう。
清宮はちょっと線が細いかなとも思うが渡部篤郎は良い感じ。
類家も少し違和感。もう少し偏りのある人間性かと思っていたが、山田裕貴の好青年感が見え隠れしてる。
まだ読んだところではバイクを放ったぐらいしか活躍がない倖田は伊藤沙莉を目立たさせる演出なのかどうかは今後の楽しみ。
スズキタゴサクは相当に頭が良く心理学を熟知と言うか超越してる感が見える。それでいて理解できてしまう部分もある。
自分は低学歴でとても天才とは程遠いが、周囲のくだらなさに辟易しているのを共感。
ラストでスズキタゴサクは等々力に引き分けと伝言。
原作では続編があるよう。劇場版は興行収益次第といったところ。続編に外れる事は多いが観たい気持ちが強い。
謎はいくつもある。
いくらなんでも息子を爆破させるか?とか、
確かに、罪をなすりつけるために明日香がスズキタゴサクを呼んだのは違和感を覚える。頼ったが通常の感覚ではないだろうか。が、終盤にもう嫌なのと起爆するがあの場面では途轍もなく周囲を巻き込む状況。全面否認をしている点。
冒頭にカットするシーンが薄っすら出るが、清宮をバカにするシーンはばっさり抜けている。明日香との関係を後々に匂わせるためだけにしては…これは演出の問題だとは思うのだけれど。
いずれにせよ、漫画版を読みつつ原作小説にも手を伸ばそうかと計画中。続編あるなら観た後に読む事になると思うが
面白かった
・スズキタゴサクがサイコパスなのかと思いきや、利用されたと感じてショックで帽子を捨てたんじゃないかっていう所が切なかった。
・自販機にしかけられた爆弾が一番怖かった。自販機で飲み物を買うたびに思い出すかもしれない。
・スズキタゴサクが染谷将太に本心を隠して生きるのって寂しくないですか?みたいな質問をしてて、それを不幸だと思わないみたいな返しが印象深かった。
・会話劇は時々何を言っているのかわからなくなってぼんやりしてしまうのだけど、ほぼ大丈夫だった。三回の説明と、空か爆弾を落とすスイッチと動画の再生回数がどうのこうのの辺りが理解できなかった。
・後半になって登場人物、誰が誰だっけとならない工夫がされてて凄かった。コウダだけ一瞬だれ?ってなった。
・石川の息子はなぜ粉々に爆発させられたんだろう。
・最後、タゴサクが連行されていったけど、どういう容疑でだったんだろうと思った。結果、決め手に欠いてる感じの説明だったし。
・催眠にかかってますっていえば何でも責任転嫁できそうだなって思った。無理あるけど。
気になるところは多かったがとても満足
シリアスなムードをぶちこわすつまらないジョーク
佐藤二郎のコメディ映画感
自動販売機が大破するほどの爆弾を足で起爆させても生還
爆発予告がされ規制されていた駅に異常なほどに入りたがる人間
すずきたごさく役を佐藤二郎ではないキャスティングで見てみたかった。山田裕貴の声好き
田吾作があなたの欲を叶えます
和製版羊の沈黙といったところか。
容疑者Xの献身とは、ならない。
きっと小説の方がより、田吾作が心に入ってくるのだろうと思わせるので、読みたい。
世の中に舐められてる自分
世の中を軽く見てる自分
自己と他者の境界はなく
他者は社会であり
社会が拒否してくる
人には勧めないけど、面白い。
きっと地上波では放送できない
(個人的には声明の動画、笑っちゃいけないけど、短絡にみえて狡猾で、センシティブ)
男にとっての○○○
酒屋で軽事件を起こし、取り調べ室に入れられた謎の男は、都内で起こる爆弾テロを次々と予言する。男が独自の間で発する言葉と刑事による謎解き、そして次々に起こる爆弾テロに、心を乱されるのだが、男が何者で目的は何か、黒なのか白なのか、考えさせられながら過ごす2時間となった。
物語が進むにつれ、男の正体や事件の真相が明かされるが、私は、不器用で時に社会に見放されながらも慎ましく生きてきたのに、ひょんなことから社会の歪みの犠牲者となってしまった男が、警察という組織ひいてはこの日本国に、堂々と挑戦状を突きつけに来たということかと思った。
酒屋で騒ぎを起こすことで目的地の取り調べ室に入ることに成功した男は、男なりの正装をして国家に向かって物申すのだ。「あなた達の営みの結果、こんな私ができあがりましたが、どう責任を取ってくれますか。」と。私は、終いには、男にとっての忠臣蔵だったのか、と思えてならなかった。
佐藤二朗さんはじめ、渡部篤郎さん、山田裕貴さんらによる会話劇の上手さは見事としか言いようがない。爆弾テロシーンもリアリティがあり、作り手の方々にも拍手を贈りたい。
どっちが…
原作未読
山田裕貴くん主演なのに
佐藤二朗さんが主演なの?って思う位の怪演!
タゴちゃんの不気味さ
表情や情動管理が凄い!二朗さん!
どっちが主演なのか
観てて最後はわからなくなる位
お2人の演技凄かったです
タゴちゃん
実はイカれてる振りしてただけで
ちゃんと類家の名字を最後に言う辺り
最初から計算づくだったのかと思うと
ゾワゾワしました
1回じゃ物語の細部までは理解出来ない
ハラハラドキドキ怖いけれど
何度も繰り返し観たくなる映画でした!
トロッコ問題をやりたかったのに、それを避けたせいで破綻した映画
原作未読。論理・倫理・心理戦が好きなので期待して観たけど、肝心の“選択”が物語の中でまったく機能しておらずモヤモヤが残りました。
◯一番致命的なのは「選択させない」演出
序盤の「子ども vs ホームレス」の場面。
本来は“どちらを助けるか”というトロッコ問題の枠組みなのに、刑事側が犯人の問題を最後まで確認せず、早とちりで片方を救助。
結果、観客に選択の重さが伝わる前に片方が勝手に犠牲になるだけで、テーマが完全に空転してしまった。
さらに犯人は「人間は心の奥で命の重さを差別しているだろ」と言うのに、その説得材料になるはずの“選択シーン”が成立していない。
ここがズレたまま進むので、その後の心理戦も説得力が弱い。
◯ギフテッド枠の刑事の描写がちぐはぐ
作中では“ギフテッド”とは言われていないが、明らかにそのポジションのテンパ刑事。
猫をかぶっている設定で、対戦相手が変わった瞬間、不遜で自信家キャラにスイッチ。
最初からその態度で行けば、上司との関係性や初戦の敗北理由も自然になったはず。
さらに、
「あなたでは勝てないけど他の人よりマシです」
→じゃあお前がやれよ。
と観客全員が思うような謎の会話が続き、物語の運びのためにキャラが不自然な動きをしている感が強かった。
◯犯人の“倫理観”の主張も構造がブレている
犯人の例え話にあった「結果が同じならボタンを押して金を受け取った方が合理的」と考えている(と思われる)テンパ刑事と、「何もしないで犠牲が出る方が“正義寄り”」と主張したい(のであろう)犯人。
本来なら“自分の手で引き金を引く” vs “不可避の災厄を見届ける”という構造にすべきなのに、
そこへ 金の話を混ぜたことで思考実験が崩壊。
論点がずれるので、両者の対立軸が最後まで噛み合わない。
◯全体として
・警察上層部の無能描写が浅い
・上司のメンタル崩壊も唐突
・謎解き部分も後半は説明だけで終わってしまう
テーマの根幹にある「選択の倫理」がちゃんと描かれていればもっと面白くなったはず。
“挑戦しようとして逃げた映画”という印象が残りました。
一度しか観ていないため、詳細に間違いがあったらすみません。
怪優、佐藤二朗
二郎さんの劇中の台詞廻し、松田優作の「野獣死すべし」の特急列車の中で繰り広げられた、リップヴァンウィンクルのくだりを思い起こしました。淡々とした語り口と瞳孔開きっぱなしの目が逆に怖い...みたいな。
あれだけ世間に顔を晒されてるのに、彼の素性が全く出てこないのはどうしてなんでしょう?
頭も切れるし、前科は無いようだけど、本当に単なる浮浪者?
もっと彼を知りたくなりました。
難しかった
原作未読、面白そうだから観に行ったてきたけど私の頭では理解できなかった。途中までのスズキさんの独り言のような問題を解いていく様までぐらいは面白かったんだけど、後半になってきて爆弾を製作したのは明日香だつたかな(夏川結衣)の息子だとは分かるけどその息子に爆弾仕掛けたのと所轄の警官の勇み足でかかってしまったトラップは誰が作ったのか?スズキさんが明日香の身代わりになるぐらい親しかったの何故か?私には理解できませんでした。もう一回見ても分からないと思う。最後もえ?これで終わり?みたいな感じでした。
石川明日香とスズキタゴサクの関係は?
やはり他の人も表している通り佐藤二郎の演技が凄かった。
ただメインの計画を石川明日香が立案したというのは無理がある。
実の息子を殺すか?
また明日香の動機が不明
ここはやはり、明日香とタゴサクはsexすべきだった。
男と女の関係になった二人が画策していったとした方がストーリーに厚みが出たと思う。
極端から極端へ、そして軸をどこに持つか
小さな室内での会話と、その外側で噴き上がるテロリズム。
心理的な葛藤と物理的な騒動に、苛立たしさを覚えつつ物語は進んでいく。
映画全編でこのような両極を行き来して、感情が揺さぶられる。
信じる気持ちと、信じきれない気持ち。
忌避したいものと、守りたいもの。
終わることのない恐怖と、恐怖を忘れて続けてしまう日常。
だけどその極端にとどまらずに中心に自分を強く保とうとする世界もある。
正しく生き、常識的な世界を回すこと
その価値を信じ、自分の軸にすることがいかに大切なのかを感じられた。
他の人はどう思うのかを知りたくて生まれて初めて書きます
元々個人のメモとして書いたものの、同じものを観た他の方々はどう思うんだろう?というのをどうしても知りたくなってしまって投稿しました。
原作未読なので読んだ後で感想が変わるかもしれません。
◾️全体について
映画なのにミステリ小説を読んでる時みたいな早くページを捲りたくなると同時に登場人物の細かな描写も逃さないようにしっかり全描写を拾いたくなるあの感覚があった。
これは原作や俳優陣がすごく良いってことな気がするから原作を早く読みたい。
ストーリーや俳優陣の演技の素晴らしさはもちろん、それ以前にエンターテイメントととしてとっても面白かった。
緊迫感、疾走感、次の展開への期待感、エンターテイメントを楽しむ時間、登場人物への自己投影と観客が自身の内面を反芻する時間、、いろんな要素のバランスがすごく良かった気がする。
↓ちょっと引っかかったシーンについて↓
◾️もっとやってくれタゴサクについて
タゴサクもっとやれ、やるなら全部壊してくれって思ったんじゃないですか?って等々力を通してスクリーンのこちら側に言ってくるシーンだけ、ちょっと蛇足に感じた。
このシーンの時には既にもっとやってくれって気持ち(タゴサクの破壊行為が遂行されていく気持ちよさ)よりも、なんとかタゴサクを止めてくれ(踏みとどまれる世界であってくれ)っていう気持ちが上回ってたからあんまり響かなかったんだと思う。
社会への投げかけ的な要素、これって自分のことなんだってヒヤッとする要素はタゴサクの動画投稿の一連のシーンで十分すぎるくらいだったと思う。
パンフレット見てから思ったけど、あの満足感はワンカットだったからっていうのも大いにあると思った。
他の登場人物の感情とかが乗っからず、タゴサクの呼びかけ(自分達がどこかに抱えてるはずの社会への憎悪)と観客自身が一対一で向き合う時間がしっかり取られてたから、タゴサクと警察の攻防っていうエンタメを観客として見るぞ〜ってスタンスが、自分の中や社会で今起こっている攻防に向き合うってことか…ってスタンスに切り替わりきっちゃったのかも。
つまり演技と演出力が凄すぎて後のシーンが蛇足になっちゃったってことなのかも。
◾️動画視聴者の属性について
タゴサクの動画視聴→逃亡者として描かれてたのが若者と主婦に偏ってる感じがして、そこがなんだか現実世界への近さを追求した作品の割にステレオタイプすぎてちょっとつまらないなって思った。
現実だったら、「そういう」ことをしそう(浅はかな行為をしそう、犯罪への距離が近そう)ってラベルを貼られがちな属性の人っていうよりも、犯罪どころか悪いとされるような言動とも無関係だと思われてるようないわゆる普通で真面目そうな人(年齢性別職業とかの属性は全く関係なく)の方が、生まれて初めて目の前に犯罪、しかも大量殺人への加担っていう背負えるわけがない重罪を突きつけられて必死にこれまで築いてきた外面を取り繕おうとして自分は無関係だってことにしたくてアカウント削除したり履歴削除したりセコい真似をするんじゃないかって思った。私がそういう人間だからかもだけど。でも、「うわー、最低。私なら絶対こんなことしない」って純粋に思える人っているのかな?
若者等が強調されてても私のことを言われてるんだって感じはしたけど、もっと観客全員に近い描き方をして欲しかったかも。
↓考えすぎてしまったシーンについて↓
◾️みのりちゃんについて
みのりちゃんの事件、あれは事実だったんじゃないかって感じた。
なんでそう思ったのかは分からないけど。
本当にあった事件だけど、それを嘘とすることで「みのりちゃんの事件なんかなかった、嘘つきの言葉にまんまと騙されて間違った判断をして他人も自分が築いてきたものも大きく傷つけて失ってしまった」と伊勢に思い込ませて喰おうとしたんじゃないかと思った(ほんとは嘘じゃないのに)。
みのりちゃんと目が合うシーン、パンフレットではあの事件は嘘だったことが判明するシーンとして明記されてるけど、私の中では伊瀬(と観客)がみのりちゃんの事件は嘘だったとタゴサクに理解させられた(と思い込まされた)シーンなのかも?と感じた。
タゴサクは自分以外の人間に関する話では嘘をついてないからそう思ったのかな?
催眠術にかけられて記憶がないとは言うけど、全くの嘘や作り話は言ってなかった気がする…これも原作読んでちゃんと確認したい。
でもそっか、みのりちゃんの事件が本当にあったらそこからタゴサクの身元が割れるはずだから本当に嘘だったのかな…考えすぎかな…
◾️催眠術が解けたら…と引き分けについて
そういえば、「引き分け」だから催眠術は解けなかったのかな?
類家が勝って石川明日香(以下、石川)もしくはこれまで受けてきた社会からの仕打ちがタゴサクにかけた催眠を解いてたらタゴサクは本当に全てを話したんじゃないかって気がする。
でもきっと名無しの権兵衛に対しては誰もそんなことはできない。相手がすごく近しくて大切な人だったとしてもこれまでの人生がその人にかけた催眠を解くなんて多分できないから。
だからタゴサクの催眠は永遠に解けないのかも。
◾️タゴサクの「友達」について
タゴサクの中で友達になりたいってどういう意味だつたんだろう。
どんな意味にせよ、伊勢と友達になりたいとは全く思ってないはずそれは分かる。
もし伊勢がタゴサクとの「友達としての約束」を守らなかったらシェアハウスの爆発は防がれてタゴサクの計画はおじゃんになったかもしれないから。
うーーーん、ほんとにそうかな?もうちょっと考えてみたい。
もし伊勢がタゴサクの話を秘密にしなかったら、機動隊等が厳戒態勢でシェアハウスに向かっていたはず。
そしたら息子の遺体は爆破されず、他殺と断定できる外傷が見つかる。
刺したのは誰か、椅子に縛り付けて爆弾を設置したのは誰かの捜査になる。
少なからず石川明日香に辿り着く時間が早まる。
最初から容疑者として強く疑われ、息子殺害がほぼバレてしまった状態の石川は駅爆破について口を割るかも?
………
何の可能性を考えたかったかというと、みのりちゃんの話を秘密にすることがタゴサクが伊勢と友達になれるかどうかの試し行為だったのかも?という可能性。
伊勢がタゴサクとの約束を破ることでシェアハウス及び駅爆破を防ぐこと(タゴサクとしてはそっちよりも石川が動機だと知られることの方が重要そうだけど)になったとしたら、タゴサクが言う友達(自分を暴いてくれる人間?)に伊勢はなったのかもってちょっと思った。
でもやっぱり最後まで名前呼ばないとこととかからも、タゴサクが本当に友達になりたかった(同じ人種ってことにして安心したかった?)のは類家なんだろうなぁ。
うーーーん、タゴサクが言う友達ってなんなんだろう。
なんか色々考えてしまったけど、純粋に一緒に長く遊べる人って意味な気もしてきた。だとしたらほんとに類家なんだろうなぁ。
駆け引きが
刑事、容疑者の駆け引き。
3つのパターンによる2人の駆け引き。
箱へ辿り着くまでの言葉の応酬と緩急、そして時に起こる静寂が観る者の心を惹きつける。
心地よい緊迫感を感じられた。
そして彼が語る言葉は「想い」を隠した言葉であり、友人と認めた伊勢に語った言葉は事実なのではないだろうか。
彼の発言の根本には「うそ」ではなく鍵があるのだから。
人生をひとつの出来事で狂わされた彼だからこそ、その想いを受け止められたのだろう。
そして彼が唯一自身から求めた心の奥底のものを類家と共有できた喜びにより満たされたこともラストとして秀逸である。
佐藤二郎だけど佐藤二郎じゃない
メチャメチャ良かった!!
本当に良かった!
やたらと評判だから逆張りマンの私が「評判の割に面白くないよ」とか言い出さないか心配してたけど本当に面白かった!
何が良かったか浅い感想しか書けない、アウトプット貧弱な自分が憎いと思うほど良かった!
①まずは何よりも佐藤二郎!
凄まじかった
佐藤二郎は好きだけど、いつもどの作品でも佐藤二郎だから飽きてたけど今回は一味違った
いつもの佐藤二郎に違う二郎がいた
サイコな謎めいた役できてるじゃん!
やっぱり役者なんだ!見直したぞ!二郎君!
コミカル二郎とは違った魅力がでてて本当に良かった!
映画の魅力の八割くらい佐藤二郎のキャラだった
それだけで最高だった
ほとんど二郎の、独演会で話が進むが全然退屈じゃない!
画面が!間が!持つもつもちまくり!
なんだろうね語りが魅力的だわ天性のものだわ
この映画は兎にも角にも佐藤二郎!
②単純な話で終わらなかったところ良かった!
クレイジーサイコ野郎が爆弾を都内全土に仕掛けました!謎を解いて爆弾を止めよう!
爆弾は発見され、めでたしめでたし!!
って、単純な構成で終わらないのが非常に良かった!
事件は一定の解決はするし、色々理由も出てくるが明確に答えが示されたわけではない。あくまでも推理の域を出ていないのでスッキリはしない。しないんだが心地いいモヤりで非常に好感が持てた!
謎も確定してないのが本当に良かった!
・タゴサクは本当にただのサイコ野郎なのか。
・タゴサクは明日香を庇っているのか。
・タゴサクはただの住所不定浮浪者なのか。それにしては頭がキレすぎで只者ではない感じがするが何者なのか。
・明日香は息子を殺したのか。タゴサクに罪をなすりつけているのか。
・爆弾はタゴサクが主犯で息子達は利用されただけであり明日香の証言が正しいのか。
・3回戦の爆弾は未だ東京に眠っているのか。
状況的に九割形、劇中の推理で正解だと思うが確定してないからスッキリしないけど九割答えわかってるから心地よいモヤリになった!
③ 取調室の「静」と調査爆発の「動」
メリハリがついていて見ていて飽きなかった
わりと長めの映画だが間違いなく夢中になってた!
爆弾もキチンと爆発して死傷者も出まくるのが最高にエンタメしてた!
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言語化って難しい
上部の浅い感想しか述べられない
浅瀬でパチャパチャやってるアウトプット貧弱野郎で誠に恥ずかしい!
もっと良いと感じたところが具体的にあるはずなんだ!
感想出力語彙弱者な私には魅力を十二分に伝えることができない!
ボジョレーヌーボのキャッチコピーくらい具体的にウィットに富んだ表現を私もしたい!!
「ここ10年で最高!」とか毎年表現を変えて言いたい!
とりあえず私の心の形はそんな感じです!
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