爆弾のレビュー・感想・評価
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佐藤二朗の怪演が全てを喰らう
渡部篤郎、染谷将太、山田裕貴らすべての俳優が好演したのは間違いなく、ただ佐藤二朗はそれらすべてを食らってもなお飽きたらぬ怪演を見せつけてくれました。
場面はほぼ一つ、警察署地下にある取調室だけ。しかし、そこで佐藤二朗演じるスズキタゴサクと捜査官の攻防は、見ているこちらも飲み込もうとするようでした。合間合間に挟み込まれる、真相に迫る緊迫した数々のシーンは、すべてその取調室の一人の男の冷笑を際立たせるための布石だったようにすら思えます。
事の始まりは深夜、一人の浮浪者風の男、自称スズキタゴサクが警察の取調室で若い警官たちと会いたいしているところら始まります。酔っぱらって蹴り壊した酒屋の自販機を弁償代の代わりに、男は警察に協力を申し出ます。曰く、自分には霊感があり、大事件を予想できる、と。無論、疑心暗鬼となる警察官の耳に、速報が流れる。男の予告した場所に、まさに大規模な爆発が起きたのだ。慌てる警官たちに男は告げる。自分と「ゲーム」すれば、もっと情報を教えることができるかもしれないとーー
本作は原作あってこそかもしれませんが、俳優たちの、特に佐藤二朗の怪演を引き出した脚本には脱帽です。実写邦画として今年最高峰と言っても過言ではないのでは?
とてつもなく気持ち悪かった
時間を忘れて夢中になった
自己承認欲求という「爆弾」
本作の真価は、単なる“テロ事件”や“爆発物”を描いたサスペンスにとどまらず、「なぜ人は爆弾を仕掛けるのか」ではなく「なぜ人は注目されたいのか」という現代的な問いを突きつけている点にある。
タゴサクの「お前らは俺と同じだ」という叫びは、「心に闇の爆弾を抱える」登場人物たち、そして観客自身の中にある「見られたい」「認められたい」という欲望を容赦なく照射する告発である。
本作は、SNSによる自己承認の連鎖、匿名性の中で肥大する自己顕示欲、社会の分断と無関心といった現代の病巣をモザイク状に組み上げ、それらが最終的に“爆弾”という象徴に収束していく過程を描く。つまりここでの“爆弾”とは、物理的な破壊装置ではなく、現代人が抱える「承認欲求の暴走体」そのものだ。
緊張感の質も特異である。通常のサスペンスのような“いつ爆発するか”ではなく、“人間の理性がいつ切れるか”という精神的な爆心地が焦点となる。観客は加害者を断罪することができず、むしろ彼らの“存在を見たい”という欲望に引きずり込まれる。観る者を「共犯者」にしてしまうこの構造自体が、自己顕示社会の縮図である。
SNSの投稿ひとつ、他人への無関心ひとつが導火線を延ばしていく。彼らは社会の被害者であり、同時に無意識の加害者でもある。この“二重性”を映画は冷徹に突きつけてくる。
最も印象的なのは、クライマックスに訪れる静寂だ。爆発そのものよりも、その“後”に残る空虚さにこそ核心がある。自己顕示欲の果てに待つのは、誰にも見られない「沈黙」である。
『爆弾』は、現代社会の真ん中に置かれた鏡のような映画だ。
私たちがスマートフォン越しに他者を見つめるその視線こそ導火線の火花であり、誰もが無自覚のまま「爆弾」を抱えて生きている。起爆スイッチを押すのは、私たち自身の指先なのである。
そして鑑賞後、SNSで「感想」を書こうとする私の衝動こそが、タゴサクの言葉を証明している。
2025年を代表する国産サスペンス大作
今年は「国宝」や「8番出口」など、例年にも増して数々の国産のヒット作が公開されましたが、この「爆弾」も、間違いなくその系譜に連なる国産サスペンスの傑作として、後世に語り継がれるでしょう。
物語の根幹となるのは、佐藤二朗演じる謎のオッサン『スズキタゴサク』と、山田裕貴演じる若手刑事『類家』ら警察側との緊迫感あふれる頭脳戦です。密室の取調室で繰り広げられる演技合戦から一切目が離せません。特に佐藤二朗の不気味さと愉快さ、そして作中でも語られるような「無邪気さ」が同居した怪演は下手なホラー映画よりも恐怖を感じるほどに圧巻させられます。彼の早口での長回しセリフは、本作の最も大きな見どころの一つと言えるでしょう。
担なるテロ事件の解決で終わらせず、その犯行の動機、社会的弱者への眼差し、そして「爆破」という行為に込められた不条理な暴力の連鎖といった重いテーマを深く掘り下げています。タゴサクの行為は肯定されるべきものではありませんが、彼が暗に指摘する社会の歪みや、無関心が生み出す悪意には、何かと考えさせられる不快なリアリティがあります。タゴサクが予言する爆発を描いたシーンは、邦画の平均レベルを遥かに超えた大迫力で描かれます。火薬を用いた実際の爆破は勿論のこと、CG技術の高さにも目を見張るものがあります。
単なる謎解きやタイムリミットものの域にとどまらない、極上の社会派エンターテインメント作品です。
心の爆弾
スズキタゴサクが投げかける言葉には、共感してしまい、「あ、これ俺に言ってるんだ。」と感じるところでドキっとする。
誰もが心に爆弾を抱えていて、でもそれを抑え込んでいる。
それを自覚し、タゴサクによって「べつに俺の爆弾が爆発してもいっか。」と一瞬思うが、警察連の言葉や被害に遭った人の惨状を観て思い留まらせてくるのだ。
映像的な部分では2つ痺れた。
1つは、雪上で殺され、伏している少女が実は生きている(そんな事件はない)と分かった時のカメラ目線。
2つ目は、ホームレスたちへの配給所を狙った爆発事件の後、ベテラン刑事がタゴサクの指を折り、ボケていても折れているのは分かるし見たくないと思った矢先にピントが合って、「これが心の形です。」と刑事に向けて言うところ。
心理、真理、真理
演技⚪︎ミステリー✖️
生々しくリアルにいきたいのか?
スタイリッシュなエンタメにしたいのか?
間いってる感じがちょっと……
捜査本部以外の場所が暗くて、
そんな場所で作業してんの?って感じの冒頭。
捜査本部のテーブルの黒、取り調べ室のテーブルの天板幾つか用意してたり、リアル感より拘ってんな感が勝るw
心理戦もちょっとイマイチ
渡部さんと山田が何をそんなに喰らってるのか?よくわからん
ペン回し下手ならやるなw
ウジ沸くほど死んでから経ってるのに、水は今まで買われて無かったんか?そして、そんなに同時に色んなとこで買われるんかww時限爆弾設定なら買わせなきゃいいのに。。。
タイトルは爆弾の間の飛んでる赤い子が活きてないのがなぁ。。。あの人込みで、車があんなに吹っ飛んでて、なんで死にそうなの1人だけなのよ……未だ殺人者じゃない!としたいなら、爆発抑えれば良かったのに。インパクト欲しかったんだね。
あとタイトルの髪切るのタゴサクにすれば良かったのに。
で回想は帽子とると髪長いとか
ネタバラシも染谷は思い付きだし、
タゴサクはバレたく無いのに夏川さんの名前匂わすし…
謎解きの痛快感が無く
なんか歯切れの悪い終わり方
あと最後、
たぶんなんかのシーンカットしてる気がするw
あと終わり方ダサいなぁと……
惹きつけるチカラはあるが
緊迫感めっちゃある!
昭和の薫り満載のいい映画
大人気ですが
演出にキレがありました
演出、出演者共に良かったです。
演出は「雪原の遺体の目が〇〇〇カット」が上手いなと。
演者は山田さんと佐藤さんの「中日ドラゴンズの選手の件」。
山田さんのイヤミったらしい言い方と佐藤さんの表情が最高でした。
頭脳戦なのかなぁ
予告編は犯人と刑事の頭脳戦っぽく描かれているし、出だしはまさにそのとおりなんだけれども、終盤はちょっと尻すぼみかな。次第に明かされる犯罪の動機や経緯にも、そもそもの原因となった出来事にも、共感できないし納得もいかない。これは脚本じゃなくたぶん原作のせい。
期待していたような、『ラストマイル』的な満足感はなかった。まあ、そういう作品だと言われればそうなんだけど。
ただ俳優陣の演技はさすがによかった。特に佐藤二朗と山田裕貴、それから染谷将太。渡部篤郎と寛一郎の、人が壊れていく様にも引き込まれた。
点数は、ドラマ『ミステリと言う勿れ』で柄本佑が演じた爆弾魔の方が素敵だったよなと思っちゃったので、ちょっと辛くなってしまった。ニュアンス的には3.8ポイントぐらい。
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