爆弾のレビュー・感想・評価

　ヤバい映画だ。ヤバいヤバいは安易だが、やはりヤバい。
　よくわからないし、残酷だし、高評価は気持ちよくはつけてない。しかし、この奇妙な独特な没入させる世界観、作り込み方は、高評価に値する。

　兎に角は、佐藤二朗の語り、存在感に尽きる。怪演でしょうね。ヤバいな佐藤二朗は。気持ち悪い仕草、表情から、ヒントを出して。解いていくところ見応えあったな〜。中々のミステリー感。余りこういったの見たことない。

　存在感が目立っていたのは、対峙する渡部篤郎、山田裕貴。現場の警察官の伊藤沙莉、坂東龍汰。坂東龍汰がバイクを乗って命がけ熱い、大活躍。しかし爆発で足が🤣怖い。

　そういえば、終盤、佐藤二朗に対して、山田裕貴のこの事件終わったら肉を食べて、沢山寝て、それで幸せだみたいな語りのところ、あの話しの流れのなかで言われると、そうそう。って何か良かったなあ。

　爆弾が何回も何回も爆発して、ひとが吹き飛んで。怖い。でも人間ってこういった残酷なこと平気で出来るんだよなあ。怖いよなあ。

　なんか意味するところが非常に難しい映画。感想が大変なので今回は、ざっくり印象を述べるに留めておきます。

内容はシンプルで
酒屋の自販機を壊し
店員にケガを負わせたことを
キッカケにそこから
浮浪者が次々爆破を予言していく。
犯人の目的は？動機は？
無差別テロを企てるサイコパス野郎。

端々にヒントがあり
催眠術にかけられている
記憶をなくして思い出せない
取り調べ部屋からの移動を拒否
スタイリストになりたかった

下準備が整った後
（秋葉原爆破
新聞配達バイク爆破
幼稚園保育園
公園のホームレス爆破
自販機爆破
警察署爆破）
に辰馬を殺しているので
タゴサクと明日香は
辰馬の描いたストーリー通りに
筋書きを自分達のアレンジを
加え実行に移した。

謎の部分が
辰馬の死体の爆破は誰が細工した？
タゴサクの話術の根源は？
タゴサクの身の上ばなしは全てうそ？
明日香の計画にタゴサクが協力する義理がない。
ホームレスの時に良くしてくれたからといって
身代わりになるメリットがないし、
哀れんで同情したから？警察に駆け込めば済む話。
明日香の計画をタゴサクが利用したようにもみえる。

あくまでも辰馬の計画であって、
明日香の復讐ではない。
最後の方でも明日香は止めてほしかった
のではと言及されているように。
3回戦の爆破が不発に終わったのは
タゴサクが仕組んでのことだろう。
事実、3回戦に爆破が起こっていない
以上どこかに仕掛けられてるのか、
やはり明日香の自爆未遂ので終わりなのか
視聴者も腑に落ちないまま
モヤモヤして幕を引く。
単なる身代わり犯罪ではない。
タゴサクの底が計り知れない。

佐藤二郎の掴みどころのない
演技力が光り、得体の知れなさが際立つ。
容疑者Ｘの献身ぽさがある。

原作は読まず映画から観ましたが、佐藤二郎さん演じるスズキタゴサクの異様さや奇妙さに最初から惹き込まれ、清宮の心の形を見せつけられて怖さと衝撃を受け、動画に嫌悪感とやるせなさを感じ、「彼は一体何なんだろう、何が彼をこんな人間にしたんだろう」と最後まで惹き込まれてしまいました。
類家演じる山田さんも、存在がリアルで目の奥に宿る闘志のようなものも感じられて、とても良かった。
観終わった後も、類家とスズキタゴサクのやり取りをもっと観ていたかったし、佐藤二郎さんや山田さんだけでなく、振り返れば登場するキャストの皆さん全員が本当に良い味を出していたなと思う。
こんなにキャストそれぞれの心理状態が見える映画も珍しいし、それも爆弾の面白さかなと思う。
最後に、渡部篤郎さんの清宮がすごく素敵でした。

爆弾魔役の佐藤二郎さんが、とてもハマっていた。福田監督の作品では正直ダラダラしゃべってラジオトークかと思っていたが、今回の作品ではとてもマッチしていた。
思った以上に爆発シーンが多く驚いた。

佐藤二朗の怪演はもちろんのこと、山田裕貴、染谷将太、伊藤沙莉、寛一郎、渡部篤郎などの俳優すべての演技が素晴らしかった。

タゴサクの口癖、「〜ますでしょ？」が耳について離れない…トラウマになりそう。
佐藤二朗さんは何かしらの賞を取りそう。

俳優陣の怪演が素晴らしく、それだけでも観て良かったと思えた。
スズキタゴサクは胡散臭く、忌々しいほど憎たらしいのに、何故か嫌いになれない魅力が詰まっていた。映画を観ていただけなのに、中盤でこちら側からスクリーンの向こうへ放り込まれる仕掛けがあり、そこから一気に引き込まれた。

脇役の佐藤二郎しか見ていなかったので今回の爆弾で改めて凄い俳優さんだと認識しました。展開が読めないし駆け引きや時折見せるあの表情は佐藤二郎しか出来ないと思いました。

話題になってる映画
佐藤二朗さんと山田裕貴くんの掛け合いが面白いし、知能戦や言葉遊びみたいなのが見ていてドキドキする。
警官ペアの坂東龍汰くんと伊藤沙莉ちゃんの空気感がよく、テンポよく話が進むにつれて2人の絆がよくみえる。
あと、石川辰馬役の役者さん佇まいと雰囲気が凄く素敵で、セリフは少ないが表情や目の表現が秀逸。気になって仕方なくて映画が終わってすぐに調べた…片岡千之助さん大注目。
もう一度観て、佐藤二朗さんの演技をしっかりみたい。

山手線を含めた阿佐ヶ谷駅程広範囲なわきゃねーだろ！
佐藤二郎の一人勝ちでもスッキリしない…。

母娘で観に行きまして、共通したキーワードは「気持ち悪い」「怖い」「後味悪い」です。故のこのタイトルです。
人間は理解できないもの、対処できないものに恐怖を覚えることがあります。
・例えば言葉が通じない人(言語の齟齬、倫理常識の齟齬など)
・例えば抵抗が通じないもの(重病、大怪我、それに繋がる脅威など)
・例えば復讐が叶わないもの(幽霊、強権力、無敵の人など)
この作品は幽霊や宇宙人的な超常の何かが出るわけではありません。ただし、前述の理解や対処の通じないものへの恐怖を詰め込んだような作品ですので、体感的にはホラーを一作品観たような感覚を覚えました。

描写傾向的に、女性から、というよりは男性からの評価が高くなりそうだなと。やや変態的なシーンがある為です。実際に鑑賞者の性別でどう評価が分かれるのかは少々気になります。
世の中に報われなさを感じていて、何もかもを破壊したい衝動を抱えているものの、自分では誰かに恨まれるようなことはしたくない……無敵の人になって景気良く悪いことをする誰かを、法で保たれた世間をおちょくる誰かを安全地帯から眺めたい……みたいな人に刺さる映画なんじゃないかと感じました。
人間の悪意を研究したい人にも向いているかも知れません。

佐藤二朗の怪演には一見の価値があります。一人で観に行くか、何を観ようが気不味くならない友人と観に行くか、犯罪心理学的な作品が好きな人と観に行くかがおすすめです。そしてデートで観に行くのはやめておくのが無難でしょうね。

いつもと違って真面目な染谷将太、ちょっと気持ち悪い山田裕貴、すごく気持ち悪い佐藤二郎。ただ犯人役はもっと芸達者な俳優だともっと気持ち悪くできたと思います。取調室の知恵比べだけだと単調になるので、外で手がかりを探す染谷将太と、成り行きで関わることになった伊藤沙莉への場面転換が上手で飽きません。映画はあまり見ないという人でも楽しめる娯楽大作です

原作未読。
もともと佐藤二朗という俳優が好きなのと、先日見たベートーヴェン捏造の山田裕貴が良かったので鑑賞。

とにかく佐藤二朗がすごかった…
取調室で織りなすしゃべくりは気を抜いたら置いていかれるのでとてつもない集中力が必要でした。
中盤からさらに物語に影響のある人物が増えるので途中で少々疲れてきた、というのが本音です。
いつもなら挫けて諦め、皆様のレビューや考察を頼りに内容理解を深めますが、この映画はなんとか挫けずに耐えられる時間の長さでした。

普通に見応えありました。
面白かったし、佐藤二朗すごかった。

でもこれしばらく自販機怖くなるかも…

予告のビジュアルからこの映画体験は不愉快な想いしかないと感じて観るつもりはなかったのですが、国宝を勧めてくれた方の口コミでチケット売り場に向かいました。取り調べが始まって予想通りな展開に後悔の念がザワザワし始めましたが、すぐに佐藤二朗さんの演技に惹き込まれ、脇を固める俳優陣も素晴らしく、途中で涙が流れる位没入してしまった。ただ残念に感じたのは、原作を知らない私とって、このエンディングが腑に落ちない所もあり、またエンドロールに流れる主題歌が感情に寄り添わず個人的に星−0.5となりました。

予備知識なく、ランキング上位だったので観ました。佐藤二朗さんの演技が不気味で、ストーリーもどんどん進むので長い映画も退屈せずに観れました。主演の山田さんの作品は初めて観ましたが、引き込まれる演技でよかったです。他の俳優さんも豪華でした！少しグロいシーンがあるので苦手な方は要注意です。あの終わり方なのは続編があるのでしょうか？期待しています。

原作は未読です。

不穏な緊迫感のある取調室の会話劇に、現代社会を揶揄するような視点も面白かったです。
やはり佐藤二朗の不気味な得体のしれない迫力ある演技が印象深く、その存在感で最後まで引っ張ってくれていましたし、他の俳優陣もそれぞれのキャラクターがよく伝わる良い演技だったと思います。
抑えたトーンのホラー味がある画面も良いですし、爆弾被害の描写が思ったよりきちんと残酷描写だったのも好感が持てます。

時系列がややわかりにくかったり、登場人物の行動が不自然に感じる部分もあったりしましたが、全体として楽しめました。
ラストの後味などは、爆弾という言葉のイメージ被りもあるかもしれませんが、最近観た「ハウス・オブ・ダイナマイト」をちょっと連想しました。

見応えバツグン。
ラストがめっちゃゾッとした。

フジ系作品でなければ日本アカデミー賞の最優秀助演の受賞の最有力と思える怪演の佐藤二朗。
不気味さ、気持ち悪さ全開で次に何をするのか？怖さが半端なかった。
福田作品のようなおもろいおじさんは完全封印して、振り切った演技が作品の肝。
山田裕貴さんも当たり役で謎解きに無理やり感を感じなかった。
密室の言語劇では、セリフが多くなるものだが、それが完全に会話になっており、緊迫感を演出。
次はあるのだろうか？

佐藤さんの演技最高でしたね！
取り調べ室での警察との駆け引き良かったですね！
爆弾が爆発するシーンは、迫力ありました！

初日の朝一、劇場は年配の方々の長蛇の列。
国宝まだ人気あるんだ、いや吉永小百合か。と思ってたら
「爆弾」目当てとのこと。さすが山田裕貴の地元名古屋か。
DOLBY ATOMS大スクリーンでの上映。
遠くまで観に行った甲斐があった。

呉勝弘の原作は敢えて未読。映画を楽しみにしていた。
山田裕貴と佐藤二朗の怪演対決。
伊藤沙莉と坂東龍汰の警官コンビもよい。

全く予想のつかない展開。
結末（動機・犯人）が意外じゃなかったのが意外。
逆の意味でまさかの展開。
もっと途轍もなく見たことのないものを期待していた。

自分のターンが回ってきた途端に豹変する山田裕貴。
ただ者じゃない。
「木の上の軍隊」での、戦場のメリークリスマスのラストシーンのたけしのアップに匹敵する笑顔。
「ベートーヴェン捏造」では、憧れて目をキラキラさせている爽やかな気持ち悪さ。

吉沢亮も小栗旬も松坂桃李も妻夫木聡も松村北斗も市原隼人も北村匠海もよかったけれど、今年の一番は山田裕貴だと思う。

I AM HERO.

（追記）
スズキタゴサクは佐藤二朗以外考えられないという意見が大多数ですが、
塚地武雅、吉岡陸雄。
意外なところで、草薙剛、オダギリジョー。
エキセントリックな演技なら堺雅人、
もう少し若ければ風間杜夫。
性別変えて、根岸季衣、松たか子。
とかだったら面白くなりそうで観てみたい。
そして何より、彼女のためだったらなんでもする、彼女への想いを裏切られたら無差別殺人だってやってやる、と思わせるなら、夏川結衣よりも宮沢りえ。

こういう映画は大好きなはずだが、本作の謎解きは失礼ながら妙に安易過ぎてのめり込めきれなかった。途中もなんかよく分からんし。原作ではもう少し深掘りされているのかしら？あとこの作品もまた薄暗い演出でそれは良しなんだろうか？佐藤二朗の怪演を楽しむ映画だったような。