爆弾のレビュー・感想・評価
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気持ち悪い演技が最高
とても面白かった⋯続編が出たら観たくなる様な作品でしたオススメです
「爆弾」か「盤上の向日葵」か悩んだ末、レビューの評価が良かったこの作品を観ました
福田組の時の自由な佐藤さんはあまり好きではないですが⋯「あんのこと」の時の様なイッテる人系の演技で、同様の役回りの今作も佐藤さんはとても良い味を出していらっしゃいました
2時間超作品も時を経つのも忘れ作品に没頭しました
面白いイメージの佐藤さんですが気持ち悪い演技も似合いますね(良い意味で)
哀しみ、苦しみ、狂気に傷口えぐられるような
佐藤二朗の怪演と渡部篤郎の熱演がすべて
それなりに見応えがあり、グイグイと引き込まれるが、終わり方が何ともスカっとしない。そもそもなんで『引き分け』なのか?代々木公園で死傷者結構出てるし、山手線の駅数カ所でやられてるし、警察官まで重傷おってる。実は警察の無能っぷりが目立っただけっぽくないか?
タイトルの二人の演技には注目。山田裕貴は好きな俳優なんだが、『カッコつけた割には結局防げなかった奴』みたいな印象になっちまった。
拍手!
設定は面白い。
山田裕貴三部作完結。
小説通り?かな ○◎◎◎
小説が面白かったから、期待高かったです
期待通り面白かった
ただ少しグロい
小説でもスズキタゴサクがかなりイライラするのだけど、映画にすると倍イライラする
謎解きはもちろん良いのだけど、元の小説もちょっとスッキリしない形で終わるので同じ形で終わるのは、好印象
見やすさ○
ストーリー◎
キャラクター◎
没入感◎
個人的好み◎
心理ゲームはまだ続く
密かに仕掛けられた爆弾が次々と爆発することを予言する正体不明の男。警察署の殺風景な取調室が主な舞台だが、男を演じる佐藤二朗のセリフ、表情、仕草の異様さと、そこに仕掛けられた心理ゲームに翻弄される取調官たちの心の動きが、緊張感をもって描かれていて、飽きさせない。
ネットでの動画配信は今風だし、爆発シーンも結構リアルで、最後の山手線各駅での一斉爆破など、本当に起こりそうで、暗い気分になる。
予告編からは、佐藤二朗と山田裕貴の丁々発止のやり取りがメインかと思ったが、その前に染谷将太、寛一郎、渡部篤郎とのやり取りがあって、みな心理ゲームに負けてしまう。正義感があるゆえにということか。
役者陣の演技合戦でもあるが、取調官の中では渡部篤郎が特に印象に残った。
最後に種明かしがあるが、それまでの粘っこい演出と比べると、性急すぎる感じ。ただし、それも本当なのかはわからない。個人的には、画面に出てこないカウンセラーが鍵を握っている気がした。
結局のところ、男の正体はわからないし、最後の爆弾も残ったまま。後味の悪さは、いわゆるイヤミス系なのだろうが、心理を揺さぶるというより、ゲームはまだ続くという感じで、無理に辻褄を合わせるより、こういうのもあっていいかなとも思った。
爆弾魔、佐藤二郎さんの怪演技
住所もわからない、スマホも持ってない「スズキタゴサク」を名乗る酔っ払い(佐藤二郎)を器物損壊罪で取り調べていたが、突然都内での爆発物事件を予見し的中させてしまう。
取調べを担当した刑事は田吾作との知恵比べで爆発物の在り処を聞き出そうとするが――
街中のどこに爆弾が仕掛けられたかわからず、
タイムリミットが迫る中で刑事と鈴木田吾作の緊張感のある知恵比べが続きます。
この鈴木田吾作がくせ者で巧みな話術で刑事たちを煙に巻きます。
これまで佐藤二郎さんの出演作を見て来た時、彼のクセの強さが作品から浮いている感じを受けてましたが、
この鈴木田吾作に関しては幼さや不気味さなどの複雑な雰囲気をよく表している名演技だと思います。
ストーリーも登場人物それぞれの思惑が複雑に絡み合い、事件捜査はより難しい物になっていきます。
最後までハラハラしながら見ることができました!
「佐藤二朗さん」と呼びたい
優れた犯罪劇
取り調べ室の会話劇、とりわけルイケとスズキのお芝居がとにかく見応え抜群。
ストーリーの組み立てとしても面白く、やりたかった事がビシビシ伝わってくる内容で良かった。
原作を読んでいないので本当は上手く組まれているのかも知れないが、自販機周りの仕掛けの不確かさが気になってしまった。
ルイケの推理通りであれば仕掛けを行った人物が違うから、仕掛けの思想が異なるのは合点がいくが、一回戦はあれだけ周到に時間を組んでヒントを出していたのに、自販機のせいで全てが狂ってしまいそうなところがどうにも、、、(あれだけは時限式で説明できないので、タイミングが運任せに見える)
加えるなら仕掛けた人物(?)の腐敗具合からも、少なくとも数日から数週間は仕掛けから経過している訳で、前半の綿密な作り込みがあったからこそ逆に気になってしまった、、、タイミング合わなかったら、台無しだな、と。
けど、そんな事もあって原作が読みたくなりました。
役者の熱に脚本が焼かれた邦画サスペンスの不均衡
日本映画界はときに、俳優一人の「熱量」に作品全体が飲み込まれる瞬間を持つ。本作はまさにその典型例であり、佐藤二朗という稀代の個性が、脚本の構造的脆弱さを凌駕してしまった、幸福でありながら不幸な作品であると感じた。
本作の主軸は、取調室という密閉空間で展開する「時間制限サスペンス」。拘束された中年男スズキ・タゴサクが、次々と爆弾の在り処をほのめかす。刑事・類家らは言葉の罠に翻弄されながら、現実に起こる爆破事件の真相を追う。構造としてはシンプルな「爆破予告×尋問劇」だが、永井監督は会話劇の緊張と都市スケールの捜査劇を並行させることで、スリラー的ダイナミズムを狙った。
しかし、最大の成功点であり同時に致命的な不均衡の原因が、佐藤二朗演じるタゴサクの存在。佐藤は得意の緩急自在な語り口を極限まで鋭利化し、笑いと狂気の境界を曖昧にする。彼の台詞は一見漫談のように始まり、気づけば哲学的独白に変わり、瞬間的な絶叫で空気を切り裂く。取調室の温度を自在に操るこの演技は、近年の邦画でも稀に見る緊張の連鎖を生み出していた。
だが、その圧倒的な「人間力」が、映画全体の呼吸を乱す。後半、明日香と息子・辰馬の悲劇が明かされるにつれ、タゴサクは物語の中心から外れ、ただの“媒介者”として退場していく。観客が彼に抱いた畏怖と好奇心は、何の出口も与えられないまま空転する。脚本が用意した「母の贖罪」「息子の復讐」「環状線爆破の共犯者たち」という複雑な因果構造は、二朗の怪演によって押し流され、結果的に焦点を失った。まるで主役の熱に、脚本そのものが焼かれたような後味だ。
とりわけ後半の“真相編”は、観客が抱く時間軸の整合性への疑問を無視したまま進行する。母が息子を殺害したタイミング、タゴサクが依頼を受けた経緯、爆弾が起動する順序——これらの重要要素が感情論で処理され、推理的満足が得られない。物語の動機が“母性愛”と“贖罪”という抽象概念に逃げ込んだことで、サスペンスとしての骨格が崩壊してしまった。
一方、取調室での台詞応酬は見事だった。山田裕貴、染谷将太、渡部篤郎という実力派が、それぞれ異なる温度でタゴサクを包囲する構図は、舞台劇的でありながら映像的にも緊張感を保つ。特に染谷の冷ややかな視線と、渡部の上司としての理性の崩壊寸前の表情は、組織と個人の矛盾を映し出していた。ここだけを切り取れば、社会秩序と狂気の対話という普遍的テーマに到達していたと言える。
問題は、その到達点を越えた先に“思想の深度”がなかったことだ。タゴサクの「人の命は平等じゃない」という挑発的モノローグは、観客の倫理観を刺すようで刺さない。いまや誰もがSNSで同種の言葉を見飽きている時代に、これを最終命題として提示するのは物足りない。狂気の中にロジックを見出すような“説得力ある悪”を構築できていれば、物語はもっと長く観客の記憶に残っただろう。
つまり、『爆弾』という映画は、俳優たちの演技が一級品であるがゆえに、脚本の不備が露骨に見えてしまった稀有な作品である。前半の緊張感は邦画サスペンスの到達点に近い。だが、終盤の混乱と消化不良は、「俳優が作り出したリアリティを、脚本が回収できない」という邦画の長年の課題を露呈した。
佐藤二朗の怪演は確かに称賛に値する。しかし、彼が築いた心理的密室を壊すのは、演技ではなく物語の必然でなければならなかった。あの圧倒的な演技の熱を活かし切れなかった脚本の“設計ミス”こそ、この映画最大の爆弾ではないだろうか。
刑事さんのサイコパスが足りない
佐藤二朗の壮絶な演技
俳優陣の迫真の演技力と人の悪を濃縮した映画!
※ネタバレを含みます
見終わった直後の感想は「面白い。けど、すごく疲れた。」
ただ見て楽しむこともできるけど、どうしても一緒に思考を巡らせ人物の心の内を想像してしまう展開。
キャスト陣の顔ぶれから、上映前から期待を込めてずっと見たかった映画。
3回戦のとおり、1本の中で段階的に徐々に話が深まっていく感じにとても惹きつけられました。
まずは佐藤・山田・渡部の3俳優の演技力の凄さ。
この3人は目だけでも凄まじい演技をしていました。
その他の俳優陣もなかなかに迫真の演技で、物語として終始引き込まれました。
物語も後半に向けて徐々に人の内なる悪の部分を見せるような、考え方によっては登場人物全員が悪い人で全員が少し擁護したくなるような、犯人でさえ悪なのに被害者のような⋯複雑な感想を抱かせる描写ばかりで、見終わってからも、結局のところ、真実はどこにあって、その人はなんだったのか、そこから先どうなっていくのか、想像が膨らむような物語で満足度の高い作品でした。
久しぶりにスゴイ!作品に触れました。
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