「スズキ・タゴサクに支配された劇場」爆弾 はて1984さんの映画レビュー(感想・評価)
スズキ・タゴサクに支配された劇場
面白かった~。
きっと他の方も絶賛されていると思いますが、山田裕貴さん、佐藤二朗さんの演技はすごかったですね。特に佐藤二郎さんのスズキ・タゴサクは映画史に残るヴィランになったと思います。
劇場型犯罪なんて言いますが、あの映画の間、スズキがスクリーンのこちら側の観客をも支配しているのを感じました。例えば、代々木公園の事件の後、「ホームレスと子供なら、うん、まあ・・・」なんて思ってしまったし、そういう人は多いはず。彼はその瞬間、こちらを指さして、「命に優劣を付けたな。悪はお前たちの中にもある」と喝破してきたのです。これは、穏やかではいられません。
その他の感想:
・上記のように、代々木で清宮さんは、命の選択をした・・なんて言われましたが、別に大した選択はしていないんですよね。この点、キャラが似ているダークナイトのジョーカーの方がシビアだったかな。
・歳が近いせいか感情移入する先が、鶴久課長とかになってきてしまった。住民避難の時、「避難先の安全が確保できていないのに、誰が責任を取るんだ!」「おめーだよ」なんて言われて可哀そうだった。そりゃ分かってるけど、「自分で責任取るつもりになっても、そんな意見が出るのか?」って言っているだけでしょ。原作読むと、仕事も家庭も75点のきわめてフツーの良いおじさんでした。
・その伊藤沙莉さん。この映画のアクション面をしっかりと演じていたと思います。低いハスキーボイスというのが役に合っていて、とても自然体な、等身大の人間を感じました。
・安全安心を金科玉条とする我が国では、実際には、大きな被害は出ないでしょう。多分、これは首相案件になって、あの日は朝から休校・休業で全ての交通機関が停止すると思う。原作だと、JRの判断で客を入れてしまったのですね。映画だと、警察が判断したと誤解されるかも、と思いました。
・映画オリジナル演出の雪の中の死体が目を開くシーンは最高のアイディアだったと思います。ストーリーに大きな手を加えること無く、作品を分かりやすくする工夫がいくつもあったと思います。
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