「主要キャストの大立ち回りが光る」爆弾 しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
主要キャストの大立ち回りが光る
原作は未読。
やたら予告に出てくるので興味はありましたが、
「なんか思った以上に好評らしい」
という事で鑑賞に至りました。
結論からいうとめちゃめちゃ満足の出来でした。
やはり光ったのは主要キャストの演技ですね。
「圧巻」の一言でした。
まずは「鈴木タゴサク」を演じた佐藤二朗さんの怪演。
「よく分からないけどこちらの倫理観や正義感を絶えず揺さぶってくるキャラ」の説得力がとんでもないです。
「ダークナイト」のジョーカーを連想する方もいらっしゃるようですが、
その気持ちも分かります。
(私とは違う意見ではありますけど)
出立や話し方、指一つの動作に至るまで本当に良かったです。
あとは対峙する刑事の「清宮」を演じた渡部篤郎さん、「類家」を演じた山田裕貴さん。
「主役が交代するタイプの物語」って構造が分かるとめちゃめちゃ2人ともハマり役でした。
特に渡部篤郎さんの「冷静に振る舞って対応してたけど最後の最後に…」って感じは今まで演じられた役柄からは想像つきやすいですし、
山田裕貴さんの「終始タゴサクを見下してる」感じは(あまり山田裕貴さんの出演作をたくさん見てるわけじゃないですが)個人的には新鮮に感じました。
等々力役の染谷将太さんは「まさにハマり役!」って感じで文句無しでした。
やっぱりああいうキレ者役が似合いますね。
その他、脇を固める役者陣の方々も良い味を出してましたね。
(その中では正名僕蔵さんが結構光ってたと思います。)
物語も137分トータルで見ると殆どの時間緊迫感に包まれていて飽きさせない作りになってたと思います。
個人的には清宮とタゴサクが繰り広げた「心の形」に関する問答とその前後の会話は本当に良かったです。
この手の作品にたまにある「バカすぎて見てらんないキャラ」とかは皆無でした。
ただ、終わり方に関しては(ほぼ原作通りと聞いてますが)ちょっと肩透かし感がありました。
「サスペンス系の小説」で"あるある過ぎる"というか……
物語の結びの部分には「もう少し驚きや新しさが欲しかった」というのが正直な感想です。
あとカメラが揺れるシーンが多数存在するんですが、そこまで緊迫してない序盤のシーンまで揺らすのは「いらなくね?見辛いし」とは思っちゃいました。
ああいうカメラワークはここぞって場面でのみ使ってほしいですね。(実際そういうシーンでも使ってたし)
思ったよりも人を選ぶとは思いますが、
その中ではかなり良くできた作品に仕上がってると思いました。
「ミステリーに抵抗ないけど特にいつも好んでみるわけでもない」
くらいの人なら確実にハマると思います。
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