劇場公開日 2025年10月31日

「敗者と敗者か。勝者と勝者か。」爆弾 リュウジさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 敗者と敗者か。勝者と勝者か。

2025年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作の小説は今年の3月に既読(続けて続篇も読了)。
そのストーリーの想像力と構成力&キャラクター設定に圧倒された。

まさか映画化されるとは思わなかったし、
その映画を“わざわざ”見に行くとも思わなかった。
(2冊とも読んだ嫁が行きたいということで鑑賞)

映画化するにもキャラクターを演じられる俳優がいるのか、
と思っていたし、予告編を見ても考えが変わらなかった。
(山田裕貴も伊藤沙莉も違うと思った。佐藤二朗は狙いすぎだと思った)

それがどうだ(ホント、ごめんなさい)。

サブスクを待つのではなく、映画館で見るべき映画。

取調室の空気感を作り出した演者たちと演出とカメラワークによる緊迫感。
そして、緩急のある場面展開。
映画という表現手段と尺のなかにテンポよく収めていった。
(ストーリーの運び方の穴はあったものの、そんな穴はすぐにふさがった)

以下ネタバレ
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ラストシーンのタゴサクの「引き分け」という台詞。
小説とは異なる余韻(モヤモヤ)を残す。
※調べたら小説になかった言葉

引き分けは、時に、
痛み分けだったり、勝ちも負けもないノーサイドのようなただのドローではない。

あの時の警察とタゴサクは、
敗者と敗者だったのか。それとも勝者と勝者だったのか。

また、小説を読み通したときに感じた次の3点
(「正義と法を絶対的な善と信じ行動する警察官たち」の強靭さと
「良心も悪意という感情も捨て去った無敵な人」がいるかもしれない恐ろしさ。
さらには暗黒界に堕ちてしまう警察官たちの正義の在り方の難しさ)は
さすがに映画/映像には取り込むことは難しかったようだが、
それでも記憶に残る映画を見たという満足感は深く残った。

リュウジ
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