「佐藤二朗の怪演が全てを喰らう」爆弾 たまに映画館で見る人さんの映画レビュー(感想・評価)
佐藤二朗の怪演が全てを喰らう
渡部篤郎、染谷将太、山田裕貴らすべての俳優が好演したのは間違いなく、ただ佐藤二朗はそれらすべてを食らってもなお飽きたらぬ怪演を見せつけてくれました。
場面はほぼ一つ、警察署地下にある取調室だけ。しかし、そこで佐藤二朗演じるスズキタゴサクと捜査官の攻防は、見ているこちらも飲み込もうとするようでした。合間合間に挟み込まれる、真相に迫る緊迫した数々のシーンは、すべてその取調室の一人の男の冷笑を際立たせるための布石だったようにすら思えます。
事の始まりは深夜、一人の浮浪者風の男、自称スズキタゴサクが警察の取調室で若い警官たちと会いたいしているところら始まります。酔っぱらって蹴り壊した酒屋の自販機を弁償代の代わりに、男は警察に協力を申し出ます。曰く、自分には霊感があり、大事件を予想できる、と。無論、疑心暗鬼となる警察官の耳に、速報が流れる。男の予告した場所に、まさに大規模な爆発が起きたのだ。慌てる警官たちに男は告げる。自分と「ゲーム」すれば、もっと情報を教えることができるかもしれないとーー
本作は原作あってこそかもしれませんが、俳優たちの、特に佐藤二朗の怪演を引き出した脚本には脱帽です。実写邦画として今年最高峰と言っても過言ではないのでは?
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