「整合性のない点が多く、取調室では小学生のなぞなぞのよう」爆弾 えがおさんの映画レビュー(感想・評価)
整合性のない点が多く、取調室では小学生のなぞなぞのよう
緊迫感はあるものの、取調室は論理的な推理合戦でもなく、小学生のなぞなぞレベルに思えました。全般的に整合性がない点も多く、自分には刺さりませんでした。
俳優陣の演技力は見事です。
疑問や矛盾に感じた点は以下の通りです。
1. タゴサクが高校生の頃にストーカーをしていた女子高生みのりちゃんのくだり。自分が犯人になり代わりたかったから、自分は異様だと肉付けしたかっただけ?(だからこの時みのりちゃんの話が出てきたのか)、みたいな伏線でもなく、ここ単発で話が終わったので物足りない。
また、自分を異常者だと印象付けてまで犯人になり代わりたかった動機も、「もうどうでもいいや」 という理由だけでは弱く感じますし、共感できるくらいどこかで掘り下げて描いて欲しかったと思います。
2. 辰馬はなぜ爆弾を仕掛けたのか、シェアハウス同居人の2人はなぜ辰馬に毒殺されたのか、動機が不明。逆恨みだとしても、例えば警察署や新聞本社ではなくなぜそこに、しかも無差別に仕掛けたのか。
3. 「秋葉原の爆破と辰馬(だったかな?)は関係ないんじゃないかな」の台詞の続きは?関係ないから、何が言いたいのでしょうか。その後何かを仄めかすようなくだりもありませんでした。
4. 「タゴサクは爆破予定の山手線駅名を教えてもらえないほど信用されていなかった」というのは矛盾しています。
タゴサクはシェアハウスに住んでいないため辰馬との接点はなく、辰馬の死後ではアスカからしか爆破情報は聞けなかったはず。タゴサクは九段下と代々木の爆破情報は知っていたので十分信用されて核心の情報を教えてもらっている。にも関わらず、山手線爆破は駅名を教えてもらえないほど信用されていなかった。というのは矛盾しているのでは。
5. 死傷者も出ている3件もの連続爆破事件が起こっている状況下、爆弾が仕掛けられているかもしれない駅にあんなに人が乗車したがって混雑するんですね。私は怖くて駅から逃げるので不思議でした。
6. 類家の推理があまりにも秀逸過ぎませんか?
類家がいなければタゴサクが犯人断定、アスカまで辿り付かないでしょう。なぜ類家はタゴサクが犯人ではないと踏んだのか、その深読みに至るきっかけが何か描かれていれば自然で納得できたのですが、類家という特殊人物ありきの無理矢理な展開に思えました。
7. 最後の「爆弾はまだ見つかっていない」という言葉はただ余韻を残したいだけのように感じました。
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