「動機の説得力がイマイチ」爆弾 どーもさんの映画レビュー(感想・評価)
動機の説得力がイマイチ
評判が良く、すごく期待して観に行った。が、うーん。もちろん、題材からヒューマンドラマを期待したわけではない。サスペンス+密室劇かな、と。思ったより外のシーンが多く、そこは成功している。静と動のバランスは絶妙なんだけど、問題は密室のやりとりの方だ。
佐藤二朗が圧巻という触れ込みだったが、私にはイマイチだった。この人の演技表現がバリエーションが少なく、正直、飽きた。怪演ではあるが。他人の犯罪を乗っ取って自己顕示を満足させる犯罪の動機も薄く、説得力に欠ける。心を通わせたと思っていたホームレス仲間に裏切られた絶望から、自分を馬鹿にしてきた世間に対する復讐を実行するわけだがそこにもう一つシーンが欲しかった。前半は面白く観れたが、後半は爆発シーンで見せはするが、ストーリーに説得力が薄いので。犯人の長男が仲間を殺す必然性、母の葛藤、佐藤二朗をどう絶望させたのか、が山田裕貴の推察でしか語られないところが、説得力の薄さになっている。もちろん、全てを見せないことが、犯人の不気味さになっているので、そこは作り手側の狙いなのかもしれないが。あ、原作は未読です、!
主役の、佐藤二朗演じるスズキタゴサクと共通する心性を有している山田裕貴より、渡部篤郎が、人間の弱さを上手く演じていたように思う。染谷将太は安定の上手さ。
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