「悪くはないが....ちょっとモヤモヤします」爆弾 sumireさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くはないが....ちょっとモヤモヤします
佐藤二郎さんの一人芝居と言っても良い映画。取調室が舞台となる緊迫感のある運びも悪くはありません。そして出ている面々も贅沢で見ても損はしない映画です。
ただ、私自身はちょっと予告編で期待しすぎましたね。少しモヤモヤしちゃいました。
★良かった点
1)映画の造り
舞台が取調室と現場。タゴサクとの知恵比べは見所だと思う。取り調べのやりとりで現場の爆発が防げるかどうかはとても緊迫感がある。
2)キャラクタがよく描けている
タゴサク、清宮、類家、矢吹、等々力...などのメンバーのキャラクタが良く描けている。
特に類家というキャラクターはシリーズ化されそうと感じる。
3)真相に意外性がある
なるほどとは思えるけど、ホンマかとも思ってしまう真相。
★物足りなく思った点
1)長谷部有功という刑事について
何故、週刊誌に単なる平刑事のしょうもないスキャンダルが載ったのか。これこそが不幸の始まりなんだけれど、まずこのことに違和感を感じた。普通に考えると大手マスコミが飛びつくような話じゃあない。
2)スズキタゴサクの謎の知力と動機、正体....これは謎のまま
彼の生い立ちや暮らしがほぼ描かれないので、なぜこんなことをしたのか、ちょっと理解できない。正義感とも違う行動原理。しかも変に知的な策略。こういうことを自力で成し遂げられるホームレス、そういう人物像に説得力がないと感じてしまった。
3)爆発は防げないし真相も曖昧...爽快感が薄い
捜査一課の類家刑事が頑張るのだけれど、結局、惨事を防げない。「緊取」とか「相棒」のドラマだったらもっと防げてるんだけれどねえ。まあ、そういう爽快感をもたらす物語じゃないというだけの話で、そこは作家さんの感性だから文句を言うのは筋違いかもね。
映画の物語として真相は語られてはいるのだけれど、劇中ではタゴサクも明日香も有罪となったかどうかは有耶無耶で終わっている。ちょっと気持ちの悪い終わり方でした。
★最後に一言
清宮さん、どんなに腹が立っても容疑者の指を取調室でへし折ったりしたらダメだよ。もっとドライに行かないと。
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