「佐藤二郎vs刑事 口舌の応酬がみどころ」爆弾 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
佐藤二郎vs刑事 口舌の応酬がみどころ
予告編の佐藤二郎の怪演が強烈だった。それが興味を誘ったのだけど、そう思ったのは俺だけじゃないないのかも。今週公開された本作の興行成績が予想外の好調さ。こんな地味なキャスティングで、TVドラマの劇場版でもない実写作品がなぜクチコミもほとんど関係ない公開初日からこんなに客も呼べたのか不思議で仕方がない。予告編が効いたとしか思えない。
それはともかく、クレジット的には主演山田裕貴となっているが、最後まで観ても中心は佐藤二郎だ。
【物語】
酔った勢いで自販機を壊し、止めようとした店員に暴行を働いた中年男(佐藤二朗)が、警察で取り調べを受けていた。スズキタゴサクを名乗るその男はおかしなことを口走る。「俺には霊感が有って、事件を予知することで刑事さんの役に立ちたい」と言い、「10時に都内で爆発が起こる」と話す。刑事は信じなかったが、予言通りに秋葉原で爆発事件が発生する。その後も東京ドーム前、九段下付近の新聞店と男の予言通りの爆発が起きる。
警察は男が事件に関与していると確信する一方、「まだ爆発は起きる」という男がほのめかすため、男の謎めいた言葉を解明して次の爆発を阻止しようと躍起になる。 しかし、男は必死になる刑事を楽しみ、あざ笑うかのような態度を取り続ける。
【感想】
構成は予告編から想像できるとおり。 進行の軸は取調室でのスズキと刑事の対峙。スズキの言葉に翻弄されながらも、言葉の意味を探り、指示を受けた署外の刑事が街を奔走するミステリー作品。
ストーリー展開、結末もまずまず面白かったが、見どころはやはり取調室の中だ。
人を喰ったようなスズキのふるまいを演じた佐藤二郎の演技が出色。それが本作の全てと言ってもいいだろう。スズキと対峙する刑事役の渡部篤郎、山田裕貴も良い。特に山田裕貴のいつもとは違う人を見下したような冷淡な刑事の演技には「おおっ」という感じだった。
いずれにしても、スズキ対刑事の言葉のバトルを楽しむ作品。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
