「心理ゲームはまだ続く」爆弾 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
心理ゲームはまだ続く
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密かに仕掛けられた爆弾が次々と爆発することを予言する正体不明の男。警察署の殺風景な取調室が主な舞台だが、男を演じる佐藤二朗のセリフ、表情、仕草の異様さと、そこに仕掛けられた心理ゲームに翻弄される取調官たちの心の動きが、緊張感をもって描かれていて、飽きさせない。
ネットでの動画配信は今風だし、爆発シーンも結構リアルで、最後の山手線各駅での一斉爆破など、本当に起こりそうで、暗い気分になる。
予告編からは、佐藤二朗と山田裕貴の丁々発止のやり取りがメインかと思ったが、その前に染谷将太、寛一郎、渡部篤郎とのやり取りがあって、みな心理ゲームに負けてしまう。正義感があるゆえにということか。
役者陣の演技合戦でもあるが、取調官の中では渡部篤郎が特に印象に残った。
最後に種明かしがあるが、それまでの粘っこい演出と比べると、性急すぎる感じ。ただし、それも本当なのかはわからない。個人的には、画面に出てこないカウンセラーが鍵を握っている気がした。
結局のところ、男の正体はわからないし、最後の爆弾も残ったまま。後味の悪さは、いわゆるイヤミス系なのだろうが、心理を揺さぶるというより、ゲームはまだ続くという感じで、無理に辻褄を合わせるより、こういうのもあっていいかなとも思った。
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