「天才VS変態 極限のサスペンス」爆弾 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
天才VS変態 極限のサスペンス
原作未読。
佐藤二朗、山田裕貴、染谷将太…この3人がメインで繰り広げられるサスペンス・ミステリー。演技合戦とでも言いましょうか、俳優陣の素晴らしい演技に引き込まれ、ストーリー、謎解きに夢中になり、異様なまでの没入感を味わえました。
佐藤二朗はさすがですね。この人が醸し出す不穏な空気、得体の知れない不気味さが作品全編に渡って漂います。劇中の人物達だけでなく、観客をも惑わせてしまう、まさに「怪物」そのものでした。
山田裕貴演じる類家と染谷将太演じる等々力も素晴らしかったです。ただの天才、優秀な刑事というだけでなく、どこか後ろ暗い側面を覗かせるキャラクターも非常に魅力的。こういう絶妙な人物描写が「この次、この人は何を言い出すのか?」といった期待に繋がってスクリーンに釘付けにさせられます。
3人がメイン…と言いましたが、他の俳優陣の名演も見逃せません。特に清宮役の渡部篤郎はMVPをあげたいほど。彼が置かれた立場、スズキタゴサクとの極限の会話劇、焦りや怒りを抑えつつも徐々に蓄積されるフラストレーションを見事に演じていました。
演技の話ばかりになってしまいましたが、演出においても作品をよりリアルで不気味なものにする効果があったと思います。オープニングのスタイリッシュさも、観客を一気に作品に引き込ませる興味深いものでした。
スズキタゴサクとは一体何者だったのか。現代社会における何かの暗喩でしょうか。卑屈で冷笑的で社会に絶望し、怒りを向けられても「欲望されている」と曲解する歪んだ精神…。
サスペンス・ミステリーとしてだけでなく、社会の暗部を映したかのような衝撃的な内容。名作です。
共感ありがとうございます。
渡部さん、良かったですね。変えなかった表情が次第に歪んでいく、最後は上着脱いで補佐に回る所はちょっと微笑ましかったです。
イッちゃいました、は最も嫌な挑発ですね。
共感ありがとうございます!
物語の大半が、狭い取調室の中だけで進行する構成が珍しい表現方法ですよね。手足の動きが殆どなく、声と顔の表情と間合いだけで観客を引き込むわけですから、佐藤二朗はやっぱり化け物です。
自分も原作未読なのですが続編があるそうですので、変な家みたいに次期作に期待が持てます。
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