「海外リメイク争奪戦になりそう」爆弾 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
海外リメイク争奪戦になりそう
これは海外でリメイク権争奪戦だろう。そんな言い方不遜か。面白かった。原作がかなり面白いと噂だけどなるほど面白い(予告で流れてた『君のクイズ』然りちょっと前のミステリの映画化がわっとやってくる予感)。『ラストマイル』とかもそうだけどこの手のパニックサスペンスものを映画化するのが上手くなってきた邦画。爆発など相変わらずVFXはそんなにうまくはないにだけど、そんなところで爆発やるの!ここは省略するけどこっちは見せます!みたいな気合いが入っていた。
予告を見るに「密室の取り調べ室に現れる気の抜けた浮浪者みたいなのがやがてとんでもない連続爆弾魔の犯人とわかり、それを阻止すべく謎解きのゲームが始まる」風な設定だけども、それ以外の何が見れるかが見せ物としての勝負。
『殺人に至る病』の阿部サダヲと双璧とも呼べる佐藤二郎なのだけど、ほぼ喪黒福造のようなマンガキャラで阿部サダヲの方が数段上な感じはあるが、それは山田裕貴にも言える。予告編観て思った通り、ちょっと髪型やメガネ、衣装に盛ったわざとらしさがあり、それが佐藤二郎の盛り具合と同じなので演出なのだと思うけど、あれだけ盛ってるから興醒めか、あれだけ盛ってるからバタ臭くて面白いのかどちらかわからない。ただ自分の好みではない。しかし、プロットが面白い。だからリメイクしたくなる外国のプロデューサーが多いのではないか。それは原作の勝ちである。
もちろん取調室の中の悪魔(というか天才)、みたいな設定はいくつもあるが、それを日本でやるとこうなるか、という意味での展開は素晴らしい。澱みがない。最初の爆発、次の爆発、知恵比べ。隣りのお兄ちゃんがビクッ!ビクッ!としてたのは『ドールハウス」の時と同じで観客にフィットしている面白さ。
ただ、個人的にはお芝居がちょっとやり過ぎで興醒めしてはいる。この演出ならあんなサイコパス映画のようなノワール照明などしなくてよかったと思う。佐藤二郎もおそらくあんな照明になってると思ってないのではないか。テレビっぽく誇張っされた芝居にシネマチックな照明があってない感じ。あの照明ならもっとリアルに演じたらいいに、と思う。逆に染谷将太、寛一郎らが出てくるとホッとするような感じだった。
それはともかく『ダイハード3』『ユージュアルサスペクツ』『羊たちの沈黙』的な要素をかき集めた原作に乾杯!みたいな気持ち。観て損はなしの娯楽映画だった。
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