劇場公開日 2025年10月31日

「佐藤二朗の怪演が光る衝撃作」爆弾 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 佐藤二朗の怪演が光る衝撃作

2025年11月2日
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鑑賞方法:映画館

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■ 作品情報
「このミステリーがすごい!2023年版」で1位を獲得した呉勝浩の同名ベストセラー小説を実写映画化したリアルタイムサスペンス。監督: 永井聡。主要キャスト: 山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗。脚本: 八津弘幸、山浦雅大。

■ ストーリー
自販機と店員への暴行容疑で警察に連行された中年男、スズキタゴサクは、自らを「霊感がある」と称し、都内での連続爆破事件を予告する。その言葉通りに爆発が発生し、警察は動揺する。警視庁捜査一課の交渉人・清宮と類家は、爆弾魔の思惑を探るため、謎めいた言動で刑事たちを翻弄するスズキタゴサクの尋問にあたる。スズキタゴサクの爆破予告の信憑性を見極め、次々と予告される爆弾の場所を特定し、都市の壊滅を防ぐため、取調室という密室で繰り広げられるスズキの挑発的なクイズと、刑事たちの焦りから生まれる心理戦が物語の核となる。

■ 感想
予告編から大いに興味を抱き、公開を楽しみにしていた本作。さっそく公開2日目に鑑賞してきました。なかなかの客入りで、多くの方が本作に期待していたことが感じられます。

予告で最も印象的だった佐藤二朗さんの演技は、本作いちばんのウリでしょう。序盤から惜しみなく炸裂し、警察を挑発し続けるスズキタゴサクの態度には、思わず引き込まれてしまいます。実際に自分がされたら殺意すら覚えるほどの「舐めプ」の挑発で、佐藤二郎さんの怪演が実に見事です。いや、もう彼にしか演じられない、まさに「当て書き」なのではないかと感じるほどの完成度です。

そんな取調室でのやり取りから得た情報をもとに現場を奔走する捜査員たちの姿と、並行して描かれる過去の警察スキャンダル。これらが徐々に一つの点へと収束していく展開には、本当に息をのみます。巧妙に練られたストーリーテリングに最後まで惹きつけられます。

爆破シーンも非常にリアルで迫力があり、作品全体の緊迫感を高めています。タゴサクのふざけた態度とのコントラストが絶妙で、事件の深刻さとタゴサクの異常性の双方を際立たせていると感じます。

ラストでは、ここまで一貫して異常性を発揮していたタゴサクが、実は全く異なる内面を持っていたことが垣間見え、その意外性に驚かされます。彼はただの愉快犯ではなく、心に深い悲しみを抱える哀れな男だったのだと、その人間ドラマの奥深さに強く心を揺さぶられます。全体を通して、非常に見応えのある作品で、とてもおもしろかったです。

おじゃる
映画LOVEさんのコメント
2025年11月8日

こんにちは^ ^
仰る通りタゴサクは怒りと哀しみ抱えていた感じでしたね、類家をあそこまで引き込めるなんて凄過ぎましたorz

映画LOVE
桜子さんのコメント
2025年11月3日

おじゃるさん
共感ありがとうございます。
心地よいリズムでクセがなく、
それでいて詳細なレビュー、とても感心します。
フォローさせていただきます♪
※いま、今週末もう一度観に行くか、大ヒット御礼の舞台挨拶付き上映を待とうか楽しく迷ってます😊

桜子
おつろくさんのコメント
2025年11月3日

共感ありがとうございます!

佐藤二朗の演技は以前から高評価でしたが、主役に当てはまる配役がなくて脇役枠でしたよね。今回は主役よりも重要な役での出演で、この人の特性を生かした主役が回ってこないか期待しています。

おつろく
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