劇場公開日 2025年10月31日

「読んでから観るか 観てから読むか」爆弾 コショワイさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 読んでから観るか 観てから読むか

2025年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1 爆弾を巡る犯人と刑事との心理戦を描きながら人間の本性を暴く。

2 微罪でパクられた冴えない中年男・佐藤が取調べ中、その発言どおりに連続爆発が起きる。佐藤に犯行の疑いが生じ、次なる爆破を阻止するべく、取調べが所轄の刑事・染谷から本庁の専門官・渡部とその助手・山田に変わる。丁々発止の言葉のやり取りが繰り広げられる。その最中、かつてある不祥事で警察を辞めた刑事の名前を佐藤が口にする。さらに佐藤が事前に仕掛けた動画配信や見張り役の若手刑事へのそそのかしにより、事件の局面が変わっていく。そして・・・。

3 原作はこれから読もうと思うが、小説での書き手の力が凄いと読み手の脳内に場面の映像が出てきてサクサクと読めることがある。原作は高い評価を得たが、それを映像化した本作はどうだろうか?取調室での心理戦による攻防と言葉の意味を推理する一連の場面には、引き込まれた。ここら辺が本作での最も良い点に感じた。それと取り調べにあたった三人の捜査官のキャラクターの違いが的確に表現され良かった。爆破の場面も映像の力。他はどうだろうか?取調室から場面が外に切り替わると緊張感が寸断された。爆弾の製造場所となったシェアハウスに出世欲のある制服警官坂東と伊藤が踏み込む場面や帽子を媒体に佐藤の役割が明らかになる場面、最後の警察署での場面は、表現として凡庸に感じた。

4 佐藤は、持ち味を生かし、粗暴犯に見えながら相手の感情を読み取り言葉を巧みに操る頭脳犯をやりきった。人々から憎まれ破滅的な最後を望んだ心の闇の深さとこれまで味わってきた蔑まれる悲哀を感じさせた。それにしてもストーリー上において、短期間で良く準備できたと感心した。染谷・渡部・山田の取調べトリオは適材適所で役柄にはまっていた。坂東と伊藤の直情径行規律破りコンビは印象には残った。

5 染谷が乗っていた車が刑事に似合わない高級車でほんとかいなと思った。

コショワイ
琥珀糖さんのコメント
2025年11月2日

お返事ありがとうございます。
映画の相乗効果で本が売れる時代なんですね。
(私は、目が雑誌や本を読めなくなり、
(パソコンの文字なら見えるのです。)
本当は読書が好きなのですが・・・。
是非、読んでみて下さいね。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2025年11月1日

共感ありがとうございます。
ミステリー映画で、これほど取り調べの、
警官と被疑者の会話だけで、これだけ面白い場面になる。
それが驚きでした。
仰る通り、事件の核心は疑問だらけでした。
シェアハウスの仕掛けとか、犯人は実は誰で
実行犯はどうやって、夥しい爆発を仕掛けられたのか?
とか・・・ぜんぜん納得できないんですけれど、
それを上回る、会話、役者、爆発のシーン、と
息もつかせぬ面白さだったと思いました。
長々とすみません。

琥珀糖
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