「試作段階の作品を見せられた感じで、この技術はまだまだ有償鑑賞には届いていないと思った」A LEGEND 伝説 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
試作段階の作品を見せられた感じで、この技術はまだまだ有償鑑賞には届いていないと思った
2025.4.16 字幕 TOHOシネマズくずはモール
2024年の中国映画(129分、G)
漢匈戦争の夢を見る考古学者を描いたアクション映画
監督&脚本はスタンリー・トン
原題は『傳說』、英題は『A Legend』にて、「伝説」という意味
物語の舞台は、漢匈戦争の最中(紀元前3世紀前)のモンゴル高原
漢の武将・霍去病(ショーン・ドゥ)の命令にて種馬を探していた趙戦(ジャッキー・チェン)と華峻(チャン・イーシン)は、匈奴から逃げている謎の女・夢雲(グーリーナーザー)を助けることになった
彼女は父を匈奴の王(レイ・ロイ)に殺されていて、その仇を取ろうと考えていた
一方その頃、現代の新疆ウイグル自治区では、考古学者の房教授(ジャッキー・チェン)が前漢時代の遺跡の発掘に訪れていた
助手の王靖(チャン・イーシン)と、彼に絶賛片想い中の欣然(ポン・シャオラン)たちと共に発掘作業に入っていていて、バイトウ(Adihaimu)という少年が見つけた玉佩が研究を推し進めていた
出土したものは博物館に寄贈されることになっていたが、匈奴には秘密の聖地があるとされていて、それは現在でも見つかっていなかった
物語は、趙戦と華峻が夢雲を助ける中で、彼女を妻に娶りたい匈奴の武将・フドゥナ(アーリフ・リー)と対決する様子が描かれていく
そして、この人物が匈奴の大巫師(メアリー・マ)の末裔・ハーバード(アーリフ・リー)として登場し、現代のヴィランとしてラストを盛り上げていく
コミカル度が高めの現代パートはやや滑っている感じがするが、中国的なお笑いの要素だと思えばOKだろうか
それに対する戦国編は悲恋を中心とした武将たちの熱いドラマになっていて、中国の戦国ドラマが好きな人には良いと感じた
シナリオとしては、房教授と王靖が戦国武将になるのは良いのだが、いっそのこと夢雲と欣然も同じ役者でも良かったように思う
拗れた三角関係が現代パートでも拗れを起こしている感じになると思うのだが、房教授があまりにも歳が離れすぎているので成立しづらい
ラストの書籍のサイン会で夢雲の生まれ変わりを匂わせる女性(キム・ヒソン)が登場するが、そこは夢雲役のグーリーナーダーを配しないと意味が無いように思った
映画は、AI技術を用いて処理を施してジャッキー・チェンを若返らせているのだが、さすがに違和感がありすぎるように思えた
表情がほとんど表現させておらず、出来の悪いCGの不気味の谷にすら届いていない
この違和感が最後まで拭えないので、感動的なシーンも全て台無しになっている感じがする
技術はこれからも進んでいくと思うが、現時点ではまだ実用にはほど遠いのかな、と感じた
いずれにせよ、AI処理をどれだけ許容できるかという作品で、アクションや舞踊シーンが堪能できるところは良いと思う
大平原で撮られた漢軍の進軍シーンとかはすごいと思うし、そこはCGじゃないのねという不思議な感覚はあった
色々と模索している段階だとは思うものの、この映画の進化は進化と呼べるのかはわからないので、何とも言えないなあと感じた
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