「素直な違和感を大事にしたい」ラブ・イン・ザ・ビッグシティ HKさんの映画レビュー(感想・評価)
素直な違和感を大事にしたい
全体はふたりのテンポよい割と明るい会話の短いシーンで繋がれていく。
典型的な描写がほとんどなく、
前半のセリフが後半で立場を変えて発せられたり、
何気なく流れているテレビ番組が別の大事な場面の説明になっていたり、
靴とか小道具の出し方、回収の仕方も巧み。
さらにそれらの仕掛けによって様々な切ない感情表現も増幅されて、
最後まで夢中になって一気に見てしまう。
この面白さは、周囲から浮いた女性とゲイの男性
という珍しい組み合わせの設定というよりは、
本来的な脚本のすばらしさによるものだと思う。
世間の”普通”と比較されることに違和感や疲れを感じる人たちに対して
前向きな気持ちや力を与えてくれる映画。
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