「就職という人生の岐路に立った女子大生。自分は何者なのか何がしたいのか分からなくなったとき亡き祖母の作った仮想空間に招待されます。そこはアリスのいる不思議な世界でした。」不思議の国でアリスと Dive in Wonderland もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
就職という人生の岐路に立った女子大生。自分は何者なのか何がしたいのか分からなくなったとき亡き祖母の作った仮想空間に招待されます。そこはアリスのいる不思議な世界でした。
タイトルは知っていて、お話も何となくは分かっていて、それ
なのにちゃんと読んだことあるのか考えたら「あれ?」となって
しまうお話があって、その内の一つが、この作品 ・_・; デス
前に実写版(ジョニー・デップ出演)のアリスは見た記憶があり
ますが、やはり実写よりはアニメーションの方がアリスの世界の
再限度としては向いてるかな という訳で鑑賞してきました。
念のためですが、この作品
" 現代の少女が異世界に行って、アリスと組んで無双する "
といった類の作品ではありません。
そういった期待をした人が居たら、(居るかなぁ @-@;)
アタマを浄化してからの鑑賞をおすすめします。/☆
◇
主人公は安曇野りせ。大学四年生で就活中。
今まで何となく周りに合わせて流されるように生きてきた。
よさそうな会社に入らなきゃ と就職活動をしているものの
返ってくるのは「ご活躍をお祈りします」のメール…。しくしく
小さいころ、良く面倒をみてくれた祖母が亡くなった。
その祖母が開発を手がけていたのが、仮想現実の世界。
電子デバイスを身につけることで入り込めるらしい。
ほぼ完成していたその仮想世界に招待された、りせ。
両耳にかけるタイプのデバイスを渡され、セットする。
世界が変化する。スマホもりんごに変化した。へー。
まもなく案内者が来ると言われて待っていると、来た。
" ああ 忙しい忙しい "
案内人って、ウサギ?
このウサギ、何をするのも時間がもったいない。
勢いにまかせて一方的に話をまくしたてる。
と、テーブルの上のリンゴ(ホントはスマホ)に目を向けた。
" これは毒リンゴ! 女王様にお知らせしなければ "
リンゴをつかんで部屋を出て行く。 ” えっ "
慌てて追いかけるりせ。
ウサギは、木の根元に空いた穴へと入ってしまった。
追うしかない…。
うさぎに続いて、その穴へと飛び込むりせ。
穴の先にあったのは… 不思議な世界。
穴の先にいたのは… アリス?
" 私、あなたのことを知ってる "
アリスの不思議な世界に来たことを知る、りせ。
元の世界には、どうやったら戻れるのか。
アリスと一緒の不思議な冒険の始まり。
さて、どうなることやら。
と、いうお話。
◇
不思議の国にVRで行った主人公が、行った先でアリスと出会い、
アリスの世界の人たちとも出会い、見失いかけた自分を取り戻し
現実の世界に戻ってくるまでを描いたお話です。
★ 水彩絵の具で塗られたような、綺麗な色彩の世界を、主人公たち
と一緒に歩き回って楽しむのが良いかな と思いました。・_・
…のですが
この世界にやってきた主人公が、何かこうミスマッチな印象を受け
たというのも正直なところ。
主人公の女性りせは大学4年生なのですが、外見的には高校生くらい
精神的には中学生のような印象も受けました。
この辺りは主人公の内面で精神面のバランスが上手く取れていないこ
とを表現していたからなのか と、後になって推察もしたのですが、
誰の目線で作品に入り込んだら共感できるものか、と終盤近くまで
やや もやもやした気分を抱えての鑑賞でもありました。
ということで、改めて★の感想に戻ります @-@ ハイ
(原作の復習をしてからの鑑賞が、モアベターかもしれません)
◇あれこれ (復習します)
■作者のこと
本名 チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン
PN ルイス・キャロル
国籍 イギリス
生年 1832年1月27日
職業 数学者 論理学者 写真家 作家 詩人 ※数学者とはびっくり @o@
■アリスのこと
発端 1862年 知人の娘アリスに語って聞かせた即興の物語が原点
※アリスは3姉妹の真ん中。この時10歳。
記録 1863年 アリスがとても気に入り、書き留めをせがまれて記録した
※この時のタイトルは「地下の国のアリス」
うーん。少しコワそうなイメージのタイトル@_@。
出版 1863年 この年の暮、知人の小説家に勧められて出版することに。
「チェシャ猫」や「狂ったお茶会」などの話を追加。
※出版に際しタイトルを「不思議の国のアリス」に改題
続編 1866年 続編「鏡の国のアリス」執筆を開始。
1871年 「鏡の国のアリス」出版。
アリスの年齢を7~8歳位かと思っていたのですが、読み聞かせた相手の
年齢を想定したお話だとすると、10歳の女の子ということになるでしょう。
このアニメ作品でも、その位の年齢に見えました。
■アリスといえば…
日本のフォークグループも有名な訳ですが、バンド名の決定に何か関連
あるのかと気になったので寄り道検索。
ウィキ先生によれば、LAのレストランの名前らしいです。アメリカツアー
で意気投合した谷村サンと矢沢サン。このお店のメニューに書かれていた
「Alice」 のペン字ロゴがかっこよく、帰国後に結成するバンド名をこれに
しようと決めていたとか。
不思議の国のアリスに関係無いのかぁ と思ったのですが…
もしかしたら、そのLAのレストラン自体のネーミングが不思議の国のアリス
からきているのかもしれないので、関係あるかも。 ・▽・えへ。
◇最後に
自分が透けて見えなくなってしまう表現は、新鮮なイメージを受け
ました。自分を飾り続けると、そうなってしまうという事なのか。
困ったものです。
本当に自分が自分らしくあるためには、何が必要で何が大事なのか。
その悩み、就職する時のみならず、いくつになっても出てきます。
ホント困ったものです。
けれど、ずーっと先に今を振り返った時に
” あのときに戻って、もう一方の選択肢でやり直しますか? "
と聴かれたら、多分答えは「いいえ」です。
自分の選んできた道の結果ですから、愛着あります。・_・♡
※自慢できるような、ご大層なモノじゃ無いですが…
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
