「熱血刑事 善悪葛藤編」ベテラン 凶悪犯罪捜査班 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
熱血刑事 善悪葛藤編
韓国警察の特殊強力事件を担当する広域捜査隊に所属する熱血刑事の奮闘を描いた刑事アクション。
10年ぶりに作られた続編。前作と併せて一気見。
前作が期待通りの面白さだったので、続編も勿論期待!
“凶悪犯罪捜査班”なんてサブタイトル付けられているから、あちらの豪腕刑事のように部署異動(とメンバーチェンジ)かなと思ったが、ご安心を。ちゃんと同じ広域捜査隊で同じメンバー。オ・チーム長やミス・ボンも続投。10歳年取ったけど。
我らが熱血ドチョル刑事も10歳年取ったけど、漲る正義感は変わらず。
開幕、チームと一仕事終え、今回対するのは…
巷で法で裁かれない罪人を標的した事件が続発。
残虐な殺人事件だが、法の目をすり抜けてノウノウと生きる罪人たちへの怒り、誰の為か分からない司法制度への不満から世論やマスコミは犯人を英雄視。善悪の象徴である伝説上の生き物“ヘチ”になぞらえて呼んでいた。
そんな折、ドチョルたちに出動命令。新たな標的の身辺警護。ドチョルたちと因縁ある人物。
あのテオ事件の際、被害者であるトラック運転手の直属の上司の運送会社所長。出所後すぐトラブルで妊婦を殺し、ショックで遺族は自殺。が、殺意は認められずという判決で早々と出所。ドチョルたちも疑問や不満を抱えつつ、警護に当たる。
移動の際、暴徒と化した群衆で大混乱。ヘチと思われる人物が接近。交番勤務の若い警官ソヌが未然に防ぐ。
テオ事件でドチョルに憧れるソヌをチームに引き抜き、新たな標的を狙うヘチに立ち向かうが…。
どうした、ドチョル?! 捜査に身が入らない。
息子が学校でトラブルを。いじめ被害者なのだが、兼ねてから喧嘩など問題多く、加害者のように責められる。無論、父子関係は…。
学校に呼び出し中も仕事の電話が掛かり、家族は呆れ。
家族の問題に捜査にさすがのドチョルも心身へとへと。が、決して捜査は疎かにしない。
世論やSNSはヘチを英雄視するが、殺人は殺人。
が、所長や罪人など守りたくないという本音も。
葛藤しながら法の番人として職務に当たるドチョルたち。
若いソヌは奮闘するが、少々暴走しがち。容疑者を重体にも…。
ドチョルたちの捜査を嘲笑うかのように、捕まえたヘチは偽者。追っている最中に所長は本物によって殺され…。
新たな標的として、SNS発信者、外国人女性、そしてドチョルの息子がヘチに捕まってしまう…。
ヘチの正体は…?
ドチョルは息子たちを救出出来るか…?
遊園地内のパルクールを駆使した追跡、どしゃ降りの格闘、ソヌの足技、クライマックスのドチョルとヘチの決闘…。アクションは今回もふんだんに。
善悪について考えさせられ、世論やSNSなども風刺。
今回も充分面白かった。が、ちと前作には及ばなかったかなと。
前作の分かり易い勧善懲悪ストーリーやテンポの良さに対し、ちょっとシリアスになりテンポも落ちた。
息子の問題をドチョル自身が解決するのかと思ったら、事に当たったのは意外な人物。それでヘチに狙われ…。ラストシーンで家族関係解消も唐突。
捜査劇として致命的だったのは、ヘチの正体が察し付いてしまった事。ズバリ、ソヌ。
動機は罪人や不条理な司法に対しての私刑なんだろうが、今一つそこら辺よく描かれておらず。
何よりソヌが最初からサイコパスにしか見えん…。
ソヌの手中にハマり、息子を含む人質3人の命を天秤に取らされる。
そのピンチに駆け付けるは、やはり頼れるチーム。ここは良かったね。
罪人や不条理な司法に怒りを抱くのは分かる。
ドチョルも警察の人間でありながら毒を吐くが、そこで実際に手を下すか否かの違い。
端から分かっているのだ。罪人や不条理な司法にうんざりさせられるけど、実際に手を下したら、警察以前に人として間違っていると。
何はともあれ、事件解決。
疲れた…と、ぐったりのドチョル。
今回もお疲れッした~!
…と思っていたら、
ED後でまさかの展開!
次作への伏線か…?
何ならいっそ、あちらの豪腕刑事と共同捜査望ム!
