「監督や関係者の意見も聞きたい。」風たちの学校 スー(ジェーンじゃない方)さんの映画レビュー(感想・評価)
監督や関係者の意見も聞きたい。
同じ監督の作品では、『ぼくと駄菓子のいえ』に続いての鑑賞。
高校生たちの青春のきらめきと葛藤を描いたドキュメンタリー。
一部、少しだけヒントになるようなワードは出てくるものの、この学校に来た経緯が描かれていなかったため、登場人物たちに感情移入することは、ほとんどできなかった。
もちろん、監督なりの意図があって、あえてそうしているのだとは思う。ただ、その意図が自分には伝わらず、何とも言えないというのが正直なところ。
やんちゃ系の数人にスポットライトが当たっていたが、真面目そうな子たちの姿も知りたかった。あまり物語として面白みがないと判断されたのかもしれないが。
もちろん登場人物に非はないし、これはあくまで自分の見方なので、この作品の良さがわからない自分の方に問題があるのかもしれない(監督や事情通の意見も聞いてみたい)。
ちなみに、平日昼の上映だったことも影響していると思うが、観客には高齢の方が多く、キラキラした高校生たちを見てどう感じたのか、感想をぜひ聞いてみたかった。
校舎のデザインがとても印象的だったので、もっと映してほしかったし、成績を伝える面談のシーンが多かった分、(たとえばグループディスカッションのような)授業風景をもっと見てみたかった。
妙にこだわっていたボクシングのシーンなど、切り取り方にも正直ピンとこなかった。
それでも、観たことを「失敗だった」とか「後悔した」とは思っていない。
むしろ、劇場に来る途中、駅のホームで「普通そう」な男子中学生(?)が電話で「俺と〇〇、どっちが好きなんだよ」とオラオラ口調で問い詰めていた、なんとも香ばしい光景に出会えたことや(笑)、60年以上営業した柏のマルイが閉店すること(泣)を知ったことの方が、記憶に残ったかもしれない。
登場人物の高校生たちにも、これから広い世界に出て、人生の豊かさをさまざまな場面で感じ取っていってほしい――そんなことを、老婆心ながら思った。
在校生、そして卒業生たちに幸あれ!!