「新ジャンルの映画」遠井さんは青春したい!「バカとスマホとロマンスと」 さささんの映画レビュー(感想・評価)
新ジャンルの映画
この映画はジェルさんが出しているショート動画「遠井さんシリーズ」の動画をもとにして作られています。もちろん初めて見る方にも配慮した内容ではあるものの、最低限の知識は必要だと思います。動画と違う点はオリジナルストーリーであること、声優全てを本人が行なっていないことです。しかし、制作総指揮に本人ががっつり関わり、事務所社長で同グループリーダーななもりさんも関わっていること、声優さんがとても豪華であることなどクオリティはほとんど変わりないと考えていいと思います。
スタートはアニメ映画らしからぬ始まり。OP後は色々問題が起きつつ「青春ロマンス部」という部活を始める。この時ショート動画でお馴染みのシチュエーションが多いため見ていた方がいいです。事務所メンツも少し登場します。後半になるにつれ、主人公ジェルの真の思いやメンバーの思いがわかります。もっと大変な事件が起きつつもなんとか収まりEDを迎えます。EDにもOPにもジェルさんのこだわりが見られます。
ショート動画、その前も3分ほどの短い動画出身であるため物語の進みはかなり早くストレスなく見られます。ボケとツッコミが前半はとても成り立っているのでそのテンポ感もとても気持ちいいです。ただ、複雑になっていく後半では話が変わってきます。その早いテンポが理解を少し妨げているように感じました。
また結の部分ももっと高低差があってもいいなと思いました。個人的にしっくりこない結というか。もう少しバチーンとくる展開でもよかったです。それがジェルさんの優しさと言ってしまえばそうなのかもしれません。
時々ちょっと納得できないツッコミはありました。ん?遠井さんはジェルを好きって感じ?みたいな。その方向性でいくなら振り切っては欲しかったかも。
声優さんに関しては私はこのキャスティングで成功だと思います。もちろん動画通り1人でやって欲しかった思いもありましたが、不可能であるためその中で1番似ている打開策が立てられたのだと思います。
映画ならではのメタ発言、動画の案を採用する、速いテンポ。以上より私は新ジャンルの映画だなと感じました。
ただ公開日が鬼滅と同じという観点から、同じ客層を狙っているため興行収入の伸びは難しいのかなと思います。それは運としか言いようがないですが。
映画の脚本だなんてやったことがない人が、去年のことを踏まえつつ個人で行ったことなのでベクトルは他とは違いますね。