うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生

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うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生

解説・あらすじ

2019年に92歳で他界した名脇役・織本順吉の最晩年の姿を、娘である中村結美監督がとらえたドキュメンタリー。

日本映画に欠かせない存在として、約70年にわたり2000本以上ものテレビドラマや映画に出演し、地味ながら情感あふれる脇役を演じ続けた織本順吉。しかしその一方で、家族とともに生きられない一面もあった。そんな父への復讐心からカメラを向けはじめた中村監督は、老いて身体の自由が利かなくなり、セリフ覚えが悪くなり、感情を抑えられず家族相手に子どものように泣きわめく晩年の父の姿を、4年間にわたり撮り続ける。それはカメラを間に挟むことでようやく向きあえた父と娘の記録でもあった。

ひとりの俳優がどのように人生の最期を迎えるのか、家族とどう向きあってきたのか、娘の視点から赤裸々に映しだす。

2024年製作/82分/G/日本
配給:パンドラ
劇場公開日:2025年3月29日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
正岡裕之
撮影
中村結美
編集
山内洋子
音響効果
金田智子
ポストプロダクション
大野雅信
田村陽介
アシスタントプロデューサー
小林ひろ子
協力
山谷哲夫
万代博実
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(C)かわうそ商会

映画レビュー

4.5地味であり赤裸々でありました。

2025年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

名脇役「織本順吉」の最後の4年間を映像作家の実娘が撮り続けた作品。

実の娘という事がなおさら赤裸々な姿をとらえることが出来たのかもしれない。

私の知っている映像の中の「織本順吉」は少し神経質そうな真摯なお爺さまで、柔和な笑顔や決して出しゃばらないけれども存在感のある俳優。
そして、娘が撮り続けた職業俳優の実父はどこにでもいる老人かつ、頑固な老人。
現場と家では年齢が10歳ほど違うのではないかと思うほど。
あまりの勝手さが可笑しくて笑えてくる場面もありましたが、家族は本当にわらえない(笑)

俳優と言う職業が彼の中で彼の人格を作り、次々と現れる台本の中の人物に侵食され塗り替えられ、少しずつ残った色がまた彼を作り上げられる。
そんなイメージを持ちました。
タイトルはここにあったのではないかと。
演じるという事を選んだ人生が最後まで苦しみと喜びを与えているかのようで、人生こうあるべきと言うか、こうであったら満たされるのであろうかとか。
まぁ羨ましかったのです。

先に述べたようにあまりにも違う人物像。
織本は良く言えば仕事人間で、他の言葉で言えば自己中心的だったのではないか。
妻の心情も赤裸々になる場面あり。
娘との会話、感情の爆発、同じ妻役を受け持つ私は本当に同情し尊敬し絶望したり。
織本の妻としての人生を垣間見せていただきました。

ドキュメンタリーをたくさん観たわけではないけれども本作品はとても良作なのではないかと感じました。
地味であり、赤裸々であり、とても面白かった。

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もも

5.0名優の髄液

2025年4月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

2019年に92歳で亡くなった名優織本順吉さんの晩年を、映像作家の娘が活写したドキュメンタリー映画。自分の家族の実像を撮るという点では、ロングラン上映になっている『どうすればよかったか?』に並ぶ力作。もし近場で上映されていたら、89歳の父も連れて観に行きたかった。

映画に出てくる織本さんは、これまでテレビや映画で観てきた織本さんとは違う。時に自らの感情をコントロールできず、何を言っているのかさえわからない。歩くのもやっとで、セリフ覚えも悪い普通のお爺さん。それでも依頼された仕事には、やれる限り真剣に取り組まれていた。

そしてついにやってくる最期の日々。死期の迫った織本さんが、病床でこのドキュメンタリーの一部を観て呟く。
「お前(娘)がこれを撮ってくれて良かった」
「こんな幸せな役者人生はない」
名脇役織本順吉は、最期に人間中村正昭として主役を演じた。

たぶん織本さんは、決していい父親ではなかった。しかし娘は、役者織本順吉に敬意を払っていたからこそ、これを撮った。
死期の迫った織本さんの頬を、一粒の涙が伝う。それは名優織本順吉として、また人間中村正昭としての、いわば髄液。
凄いドキュメンタリー映画だった!

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さまよえるオッサン

4.0上手く言えないけど、 娘ならではの容赦のなさっていうか、 そこがこ...

2025年3月29日
iPhoneアプリから投稿

上手く言えないけど、

娘ならではの容赦のなさっていうか、

そこがこの映画でうまくいかされていた

予想のはるか上をいっていた

余談ですが、

舞台挨拶で見た根岸季衣、

実物見たらきれいでびっくりしたし、

それにトークもそこそこ面白くて、

もっとこの人の話を聞きたいと思った

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共感した! 4件)
jung