「ラヴクラフト色よりも魔女好きにアプローチしている」VENUS ヴィーナス かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
ラヴクラフト色よりも魔女好きにアプローチしている
「REC レック」のジャウマ・パラゲロ監督とH.P.ラヴクラフトの短編「魔女屋敷で見た夢」を取り合わせている時点でホラー・ファンの琴線に触れてくる作品。
おまけにアレックス・デ・ラ・イグレシアが製作ですから期待しない訳にはいかないですが、期待し過ぎると肩透かしを喰らう中身になっています。
ホラー描写があるにはあるんですが、怖がらせる演出よりも不安を掻き立てる演出や気持ち悪くさせる演出が多くなっています。
また、「外宇宙」とか「触手」といったラヴクラフト独特の描写も多くはありません。
どちらかと言えばパラゲロ色が強く、「血まみれの強い女性」や「アパートといった限られた空間」を楽しむ作品になっていました。
謎めいた展開に魅力を感じたらこっちのものです。
前半のおとなしい展開とは打って変わって、クライマックスには不気味な描写と痛みを伴うグロ描写が連発し、観る者を魅了してきます。
「REC レック」で我々の目となってくれたパプロ・ロッソの近接した撮影により、緊迫した空気感を存分に味わえる事と思います。
終わり方に賛否両論が出てきそうな気もしますが、それも含めて楽しめる作品になっていたと感じました。
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