「そそるキービジュアルと予告編」VENUS ヴィーナス シゲさんの映画レビュー(感想・評価)
そそるキービジュアルと予告編
監督:ジャウマ・バラゲロ、原案:ラブクラフト、主演:金髪美女とくれば
期待しかない。冒頭の妖星ゴ◯ス接近中な謎ビジュアルから始まり
一転クラブシーンでかかる曲がやたらカッコよいオープニング。
(THE KILLER DOLLS : Time To Overdrive)
ダンサーのルシアは反社組織のクスリを盗んでドロンの筈が見つかって
揉み合いの末に脚を刺され絶体絶命。逃げ込んだのは音信不通だった
姉の家。とまあ前半30分はクライムサスペンス。
負傷した脚の痛そうな出血描写が妙にリアル。これがR15指定の理由?
さて逃げ込んだヴィーナスビルには殆ど住人はおらず怪しいババアと
そのお友達くらい。思わせぶりな幻聴やら悪夢やらでここから変な
方向に話は進むのだが予告編を観ていなかったらもっとワクワク感が
あったかも。姪っ子の挙動がおかしくなりジワジワと反社組織の
追手が迫り冒頭の謎天体が引き起こす皆既日食も始まり盛り上がって
きた所でビルの住民たちは邪悪な何かが降臨する儀式を開始。
怪しい「使い」のビジュアルは一瞬しか見せてくれないけど
キモさ炸裂のクローネンバーグ作品に出そうなデザインが素敵。
姪っ子が邪悪な奴の憑代なのだそうであっという間に連れ去られ
ルシアも思いっきり腹を刺されてとどめにナイフでばっさり。
これショック死しそうな斬られ方。出血凄いぞ大丈夫?一回死んだ?
しかし奇跡的に復活し(何か外的な力が?)中盤で伏線張ってた
ホッチキスとガムテで傷を塞ぎ盗んできたクスリで一気にキメて
あのキービジュアル。強いヒロイン好きなおじさんはたまらんシーン。
ジェイソン・ス◯イサムばりのトラップで反社組織に反撃開始し
追手をほぼ撃退。なに、この戦闘力。この人一般人だよね?
邪悪集団vs反社組織のゴアな殺戮バトルを期待していたのに残念。
クライマックスはルシアが儀式会場に乱入し阿鼻叫喚の殺戮開始!
を期待していたのになんじゃこれ?
良いオチなんだけどもう一悶着欲しい。もしかして予算使い果たした?
実は憑代はルシアで闇の女王的な存在になって終了。
反社組織のボスが涙流して膝まづくくらいだからきっと
凄い邪悪なオーラが出てたんだろね。
ここでルシアの瞳をカラコンで黄色なんかにしたらゾクっとくるのにな
(byエンジェルハート)
物足りなさが色々惜しいけどバッドエンド的なこの結末好き。