劇場公開日 2025年5月30日

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「ツッコミスルーでイケメン堪能に全振りを!」BADBOYS THE MOVIE おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 ツッコミスルーでイケメン堪能に全振りを!

2025年5月31日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

不良や暴走族のケンカ映画はあまり好きではないですが、そこに強い信念や仲間との絆を絡ませた良作も多いので、本作にもそんなことを期待しながら公開初日に鑑賞してきました。客入りはそこそこで、主演・共演の男性めあてか9割は女性でした。

ストーリーは、裕福な家庭に育ちながらも、幼い頃に伝説の不良・村越に助けられたことから不良に憧れながら成長した桐木司は、家出して地元最大の暴走族・陴威窠斗(BEAST)加入をめざすも、逆に追われる状況となり、その時に偶然出会った陽二とその仲間の寿雄、エイジに気に入られ、馴染みの店で過ごしていたところ、店主で弱小チーム・極楽蝶の7代目総長トシから、敵対チーム・廣島Night'sとの抗争に加勢してほしいとの依頼を受け、このことをきっかけに、司たちは群雄割拠のチームの中でてっぺんを目ざしていくというもの。

主人公がケンカを通して仲間との絆を感じながら強く成長していく、不良モノの鉄板展開なので単純でわかりやすいです。その中に、コミカルなシーンをちょいちょい挟み、シリアスシーンとのメリハリを効かせているのがいい感じです。特に、Night'sの頭が彼女にボコられるのは最高です。

ウリのアクションシーンも、痛みが伝わってくるような迫力があり、なかなかよかったです。タイマン勝負で不屈の闘志を燃やす司を始め、仲間の陽二たちも、敵対チームの総長たちも、それぞれにかっこよくて見応えがあります。

ただ、全体的に脚本が雑すぎて、演者のがんばりが報われないのが残念です。ケンカ経験がなく、ちょっと痛い思いをしたとたんに逃げ出した司が、何の前触れもなく覚醒したかのように強くなり、態度もでかくなり、極楽蝶8代目総長になり、一騎当千の段野と互角に渡り合うとか、もはやファンタジーです。Night'sや陴威窠斗の総長とも拳で語り合った的な表情を見せていますが、「え、いつのまに?」って感じです。他にも、最終決戦前に、司が特攻服の上から肩口で結んだタスキが次のシーンでは背中で全く違う結び方になっていたり、大けがで入院中だった仲間が急に現れて元気いっぱいに暴れ回ったりと、ツッコミポイントが多くて笑うしかありません。

ラストで、段野と村越の関係性と伝説のバイクの存在を印象付け、続編への含みをもたせているのは悪くないですが、続編を作るならもう少し人物をしっかり描き、細部も詰めてもらえると、もっと物語に没入できると思います。

とはいえ、出演者めあてなら十分楽しめると思うので、細かいことは気にせずにイケメンをご堪能ください。

主演は豆原一成さんで、その仲間を池﨑理人さん、山中柔太朗さん、井上想良さんが演じています。みなさん人気アイドルのようですが、申し訳ないことに誰ひとり存じ上げません。それでも全員が、雰囲気たっぷりに演じており、総じて悪くなかったです。脇を固めるのは、井頭愛海さん、岩永丞威さん、兵頭功海さん、青柳翔さん、山谷花純さんら。

舞台挨拶中継では、豆原さん、池﨑さん、山中さん、井上さん、西川監督が登壇されました。上映前だったために撮影裏話はたいして聞けませんでしたが、寿雄のサングラスは監督が自ら用意したらしく、撮影当時のことを楽しく語っていたことが印象的でした。

おじゃる