岸辺露伴は動かない 懺悔室のレビュー・感想・評価
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「幸福と不幸は表裏一体だ」けれど、「幸福と不幸」と「幸運と不運」は混同してはいけない
ドラマシリーズあるいは原作漫画の固定ファンをしっかりと持っている作品だけあって、劇場は満席(まぁ、1日で安いということもあったのだろうが)。かく言う私も漫画は読んだことがないのだが、テレビドラマシリーズと劇場版はずっと追いかけているので、今回もその流れ。
まず何より、最初から最後まで全編ヴェネツィア・ロケということもあって、撮影段階からかなり意識的な絵作りをしていることが感じられ、どの場面を切り取っても美しく撮られているのが印象的。
と書いた後で、23年5月28日に鑑賞した前作の「ルーブルに行く」の自分の書いた評を見直したら、「作品全体を通じて場面の絵作りがとても美しい」と書いてた😅 自分の進歩のなさもあるが、制作陣も絶対同じ路線を狙っているはず。
その一方で、あっちも見せたい、こっちも見せたいという気持ちが逸(はや)りすぎて多少場面が散漫になっているきらいも否めない。
ネタバレ警察に捕まりそうなので物語の展開については多くを語るつもりがないが、本作で言わんとしていることは「幸福と不幸は表裏一体だ」ということであり、ついでに、「幸福と不幸」と「幸運と不運」は混同してはいけないということであろう。
ポスターのコピーには「最大の幸せは"最大の絶望"を連れてくる」とある。やなせたかし的には「絶望の隣は希望」だそうだが、それは同時に「希望の隣は絶望」でもある。ただ、グラスに液体が「半分しか入っていない」と考えるのか、「半分も入っている」と捉えるのかも人次第だが、何なら自分で注ぎ足してしまえもう悩まなくてもいいかも知れない。そうやって自分自身で運命を変えて未来を切り拓いていくことこそが人生なのでは?そんなことを子どもたちの世代には伝えていきたい。
で、劇中でも明らかになるのだが、今回の物語のインスピレーションの元はオペラ『リゴレット(Rigoletto)』のようなので、何度か観ようと思っているファンであれば、深掘りしてみたらいい。
いつもより多めに開いております
ドラマからのファンですが映画版の前作は微妙、今回の新作のほうがよかったです。
ロケ地本物は強い。ヘブンズドア大判振る舞いで泉くんの衣装も相変わらずステキで、楽しめました。
井浦新のこういう役見たのも久しぶり、いや意外と初めてかも?危ない役でも根はまともということが多い気がするので、ここまでアレな男は珍しい。ぴったり(ほめてます)。
ドラマ由来の邦画は、なぜかドラマ版よりテンポが悪くなりますが、この作品もドラマの良さだったメリハリあるテンポがちょっと後退気味、もうちょいテンポ上げてもよかったかも。
とはいえ、晴れていても何か陰うつな空、美しいが重苦しい建物群など雰囲気たっぷり、見飽きませんでした。
これの前に「教皇選挙」を観ていて、イタリアの枢機卿テデスコ(←いったん、ドドスコとステテコを思い出さないと出てこない名前)にイタリア的明るさを感じたのですが、イタリア的暗さというものもあったな、と。イタリアは映画大国ですがアルジェントのような優れたホラー作家がいて、ホラーの系譜が確かにあります。
それを思い起こして、由緒正しいイタリアンホラーをまた見てみたいとも思いました。
音楽もいつものようによかった、菊地成孔が菊地秀行の16歳年下の弟さんと知った時はひっくり返ったものです(オタクなもんで)。
あとマリアの婚約者の、「エロイカより愛をこめて」に出てくるイタリアまるだしのイタリア人という感じ(←偏見。でもあのナンパスピードはイタリアンならではでは)がなんか可笑しくてよかったです、明るい家庭を築けそう、お幸せにね(パパはほっとこう)
ミステリーとして謎解きを構成するのが難しい
映像美とパラドックスと
岸辺露伴シリーズは毎回突き抜けた衣装とそれを着こなすお二人(特に泉くん!さすが)と映像の美しさを楽しみにしてるけど今回の舞台のヴェネチアも素晴らしかった。陽気なイメージのイタリアがあんなにダークな印象になるとは。よく考えれば歴史のある街だから陰の部分もあるに決まってる。
今回の「幸福が襲いかかる」「最大の幸福は最大の絶望を連れてくる」というパラドックス。(この表現もグッとくる!)そもそも「幸福の絶頂」に至るときに「絶望」するという呪いに恐怖を感じているなら絶対に「幸福の絶頂」にはならないのでは?と思うのだけどこのパラドックスを独特の世界観で呑み込むのが岸辺露伴シリーズだよな、と思う。結婚式の参列者は飛び入りの2人だけなのか?と突っ込みたくなったけど。
次はどこへ行くのか楽しみ。
幸福に襲われたい
ベネチア
最高の幸せは最高の絶望を連れてくる
シリーズ2作目となる今回は全編ベネチアロケとなっていて街並みが美しく旅行気分も味わえる作品。
「最高の幸せは最高の絶望を連れてくる」というフレーズが印象的で「頂点まで上り詰めたらあとは落ちるだけ」という解釈も出来るでしょうか。
2025-84
ベネ
綺麗
贅沢な作品でした
元々ジョジョが好きで今回の原作も読んでいましたが、1本の映画にするには短いためどのように描かれるのかとても興味がありました。
原作にあたる部分は映画前半でじっくりと描かれています。
この原作再現がとても忠実で、皆さんの演技も素晴らしく、ポップコーンをキャッチするシーンは結末が分かっていてもハラハラしました。
少女の赤い衣装は映画オリジナルですが、不気味な雰囲気が増していてよかったです。
映画後半はオリジナルストーリーですが、原作でも言及されていた娘(マリア)が中心となるため、どのように展開していくのかワクワクしました。
幸せを避け、あえて不吉とされるモチーフを身に着けたり不吉な行動を繰り返す描写や、マリアが現在の職業を選んだ理由など、オリジナルでありながらジョジョシリーズらしさのようなものも感じられ、嬉しかったです。
映画で描かれる『呪い』は恐ろしく、幸せになりすぎてはいけないということで生涯にわたって暗い影を落とすものですが、その呪いさえ吹き飛ばしてくれそうな明るく優しい婚約者・ロレンツォのキャラクターが個人的にとても好きでした。
ロレンツォと泉さんの登場するシーンはずっと癒しでした(笑)。
高橋一生さんの露伴先生は今回も素晴らしく、スタイリッシュでかっこよかったです。
幸運が次々と「襲いかかってくる」展開で、花束や四つ葉のクローバー、豪華な料理やチケットのときはさほど大きな反応を見せませんでしたが、自身の漫画に関わる幸運が起こったとたん感情を露にするシーン、露伴先生の漫画への向き合い方がひしひしと伝わってきてとても好きでした。
結婚式で一芝居打つ場面の、「わかりやすい演技をする露伴先生」の演技も好きです。(笑)
マリアとロレンツォ、そして露伴先生とマリアが出会ったことは『呪い』だったのかもしれませんが、その出会いを『幸運』に変えた彼らを見ていて、こちらも温かい気持ちになりました。運命に立ち向かっていくという点で、ジョジョシリーズ全編へのリスペクトも感じられました。
心に残る台詞や、散りばめられた小ネタも多く、また観に行きたい作品です。
期待しすぎたかも
原作の読切が好きで、前作のルーブルも良かったので楽しみに見たのですが、正直う〜ん…。
ベネツィア舞台で日本人が教会で懺悔っていう設定に無理があるかなと。後悔して懺悔しにきているはずなのに、保身のために娘の幸せをとことん邪魔するストーリーはクズ度が増してて、キャラ設定に一貫性が無いです。あと高橋一生が控えめな露伴なのに、井浦新が漫画のジョジョに寄せてるのがちぐはぐで笑ってしまった。仮面を効果的に使用して不穏な雰囲気を出しているのは良いが、ベネツィアの歴史の闇を絡めたストーリーを膨らませるかと思ったら、娘の結婚は安易な感じがしました。得体の知れない浮浪者の呪いではなく、単なる思い込みによる妄想という印象になったのが残念。くだらなさに命をかけるポップコーンの件は良かった!もっと尺使ってもいい。映像美と音響効果は素晴らしいです。
見ごたえがある 引き込まれる
美しいベネチアーと不穏なミステリーさがマッチアップしたが…?
人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品として、NHKが実写ドラマ化し、その後、劇場版も公開された第2弾となる本作。個人的には、原作のコミックは読んだことはないので、『岸辺露伴』と言えば、高橋一生の、あの真っ黒なカラスの様な衣装の出で立ちがイメージとして定着している。今回も相手の記憶や心の中を文字にして覗き見ることのできるスタンド能力『ヘブンズ・ドア』を駆使して、謎に挑んでいく。
前作では、フランスのルーブル美術館がメイン舞台となったが、本作ではイタリアのベネチアを舞台として、全編オールロケという入れ込み様。ベネチアと言えば、陽気な水の都やゴンドラをイメージするが、本作では冒頭、古い遺跡に露伴が現れるシーンから始まり、細い路地に入り込み、古びた墓地、そして荘厳な教会から懺悔室へと移り、美しい風景の中にも、どこか不穏なミステリアスなムードを高めていく。そして、本作のベネチアの街並みの中に、殆ど住人や観光客などの人物描写が無く、それも『ジョジョ…』に通じる異世界に紛れ込んだ様な演出となっている。
仕事先のベネチアの教会に入り込んだ露伴は、その懺悔室で、ある男の懺悔を聞くことになる。その男は25年前に一人の浮浪者を謝って殺してしまい、その死に際に「お前の幸せの絶頂を迎えた時に、絶望をあじわせてやる」と言う呪いをかけられたという。そのため、これまで、決して心からの幸せを願わないように生きてきた。しかしある時、娘の無邪気な姿に幸せを感じてしまうと、殺した浮浪者が現れて、その呪いに苛まれるようになったと言う。この男の懺悔に心動かされた露伴は、『ヘブンズ・ドア』のスタンドを使って、その呪いに挑んでいく物語。
ベネチアの美しい風景と不気味な呪いをタイアップした描写が、本作のミステリアさをより一層高めているのは間違いない。また、露伴が披露するイタリア語なかなか流暢で堂に入っていた。しかしながら、浮浪者を演じ戸次重幸と男を演じた大東駿介、そして井浦新の演技が、舞台演劇ならいざ知らず、映画の演技にしては、あまりに大げさすぎて自然体な演技ではないように感じた。正直、ポップコーンの絡みのシーンは、ウザさも感じ、その点はかなりマイナス点と感じた。
また、ラストのサプライズも、露伴の役柄や言動からは、ある程度見え見えの結末で、予想通りだったのは、ミステリーとしての物足りなさは残った。もしかしたら、本作の目的は、高橋一生と豊島まりえのハネムーンを兼ねたロケだったのかも…とも思う(笑)
美しい風景には怪奇がよく似合う
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部の登場人物である岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ漫画をドラマ化した作品の映画化第二弾(文章にするとややっこしい💦)。
原作「ジョジョ」は読んだ事があるけど、「岸辺露伴は動かない」シリーズは未読、ドラマシリーズは好きで視聴済み。映画第一作は何だかしっくりこなかった。
そして、今回、正直、どうかなぁ?とは思いながら、鑑賞。
すみません!面白かった!
何とも良く出来たダークファンタジー!です。
呪い(不幸)と幸福(幸運)とは表裏一体。
世にも不思議な出来事に、漫画家の岸辺露伴が巻き込まれる!
そして、全編ヴェネツィアロケが、それに説得力を与える。美しい風景には怪奇がよく似合う!
前作では、「スタンド能力」を「不思議な力」と設定を変えている事がどうもマイナスに動いてる様に感じたが、今作では全然問題ない。
そして、それなのにちゃんと「ジョジョ」っぽいのが不思議!!
明らかに強引な部分や、間延びした部分もあるが、それを補って余りある魅力的な作品だ!
そして、高橋一生の岸辺露伴が素晴らしい!
#岸辺露伴は動かない懺悔室
#岸辺露伴は動かない
美しい情景
顔芸に感動
ベネツィア編、面白かった!
ドラマから観ていて、ルーブル編も鑑賞。
映画ではこちらの2作目の方が、話も面白くて楽しめました。ドロドロしているのは健在です。
露伴さんの海外での佇まい、イタリア語も完璧でした。そして機転を利かせたラストの活躍!本当にハラハラしました。
新たなキャストも魅力的だったので映画館での鑑賞を決めました。
井浦新さん、話が進むにつれてすごく役にハマってきて、ぴったりでした!
戸次さんの美しく悲しいホームレスも良かった、5日も食べてないなら動きがもっと弱ってても良かったかも?
玉城ティナさん、確か前も呪われる役やってましたけどお上手ですね、雰囲気に引き込まれました。
ベネツィアの美しい風景や建物も目を楽しませてくれました。
㊗️結婚の京香さんですが、可愛すぎるファッションではなく、以前のレトロでクラシックな感じの方が好きです。
ちょっとキャピキャピしてきちゃうと、掛け合いがつまらなくなってしまうかも。
さばさばした、編集者って感じで見たいです。
というわけで、次回も期待です✨
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