「ヴェネツィアロケ綺麗」岸辺露伴は動かない 懺悔室 Elyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴェネツィアロケ綺麗
建物とか装飾品とか圧巻
背景は雰囲気あってとても綺麗なのに
気味悪さたっぷりの演出。笑
岸辺露伴は動かないシリーズはアニメ版もドラマ版も好き
原作は未読だから、
解釈がどこまであってるかは分からないけれど面白く観れた!
気味悪い作品の中で、唯一ポジティブな飯豊まりえさんは良いスパイス
JOJOとしても、岸辺露伴としても
独立してドラマ.映画を確立させたのは凄いなと毎回感心
懺悔室で謎の男のあやまちを聞いた事で巻き込まれていく岸辺露伴。
男のあやまちは浮浪者を馬鹿にして見捨てたことから
男自身が幸せの絶頂を感じた時絶望する呪いを受ける。
詐欺やスリをしている日系人を雇い、入れ替わる。
難は逃れたが、日系人の男は死に
次は日系人の男から呪いを受けることに。
次は娘が幸せの絶頂を感じた時に絶望する呪いだった。
男は娘を子供の時から洗脳する。
娘が幸せになったら、男が死ぬことになると
娘は不幸を纏わせ幸せを手放す人生
男自身も幸せを感じすぎないように生きている。
そして、娘の結婚を阻止しようと婚約者を殺そうとするが
娘を殺してしまったことにより、絶望する。
浮浪者も日系人の男も絶望した男の背後で笑う。
男は娘が死んでも、これで助かった。とフラフラと教会を後にする。
自分も受けた呪いを解くためか、自分の幸せを勝手に押し付けられた腹いせか、はたまた娘のためか。
娘の結婚式を成功させるように手助けする岸辺露伴。
男にとって岸辺露伴は絶望へと続く道へと誘導する浮浪者達と同じような者に思えただろうね。
懺悔を聞いても、俺を助けてくれないのか、的な。
それなのに、幸せを感じすぎない生活に満足感も得ている矛盾。
呪いに囚われているのか呪いが囚われているのか。
周りが見えなくなった男の末路は辛いね。
後ろばっかり見て怖がって
娘の顔を見て、娘の意見を聞いて話し合っていたら
娘から見捨てられることもなかったんだろうにね。。
娘は一度死んだ(フリをした)ことで呪いが解け、幸せになる。
男は娘が死んだ(と思い込んでいる)ことで絶望し
命は助かりはしたが、命がある限り呪いは続く。
助かった、生きてるということは
生きている限りは死ねないわけだし
娘が死ぬこと以上の絶望はないだろうから
その絶望を受け入れたことで呪いと共に生きていく
救いのない男の末路は辛い。
男は少しでも他者にも娘にも思いやりを持てていたら
恨みも呪いも受けることはなかったのにね。
その男を井浦新さん!気味悪さ満点で届けてくれた!
そして、岸辺露伴はヘブンズドアで読んだことにより
呪いの一部をもらってしまった様
次々と幸せが押し寄せてくるけど、受け取り手次第で幸せは変わると言う。
その通りだな、と思った。
押し寄せてくる幸せを鬱陶しいと言う岸辺露伴は、マトモではない。笑
岸辺露伴役の高橋一生さんは、流石でした♡
もともと呪いを受けた男(後、日系人の男)役の大東駿介さんが、ポップコーンを顔キャッチ。迫真ある演技だった!
気味悪さは残るし、スッキリ解決!って爽快感がある作品ではない。
もともとがそういう話でもないけど笑
飯豊まりえさんの幸せの絶頂はいつかわからない。明日はもっと幸せかもしれない、その一言で、この話の気味悪さが消えていった。笑