「美しいベネチアーと不穏なミステリーさがマッチアップしたが…?」岸辺露伴は動かない 懺悔室 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5美しいベネチアーと不穏なミステリーさがマッチアップしたが…?

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

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斬新

人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品として、NHKが実写ドラマ化し、その後、劇場版も公開された第2弾となる本作。個人的には、原作のコミックは読んだことはないので、『岸辺露伴』と言えば、高橋一生の、あの真っ黒なカラスの様な衣装の出で立ちがイメージとして定着している。今回も相手の記憶や心の中を文字にして覗き見ることのできるスタンド能力『ヘブンズ・ドア』を駆使して、謎に挑んでいく。

前作では、フランスのルーブル美術館がメイン舞台となったが、本作ではイタリアのベネチアを舞台として、全編オールロケという入れ込み様。ベネチアと言えば、陽気な水の都やゴンドラをイメージするが、本作では冒頭、古い遺跡に露伴が現れるシーンから始まり、細い路地に入り込み、古びた墓地、そして荘厳な教会から懺悔室へと移り、美しい風景の中にも、どこか不穏なミステリアスなムードを高めていく。そして、本作のベネチアの街並みの中に、殆ど住人や観光客などの人物描写が無く、それも『ジョジョ…』に通じる異世界に紛れ込んだ様な演出となっている。

仕事先のベネチアの教会に入り込んだ露伴は、その懺悔室で、ある男の懺悔を聞くことになる。その男は25年前に一人の浮浪者を謝って殺してしまい、その死に際に「お前の幸せの絶頂を迎えた時に、絶望をあじわせてやる」と言う呪いをかけられたという。そのため、これまで、決して心からの幸せを願わないように生きてきた。しかしある時、娘の無邪気な姿に幸せを感じてしまうと、殺した浮浪者が現れて、その呪いに苛まれるようになったと言う。この男の懺悔に心動かされた露伴は、『ヘブンズ・ドア』のスタンドを使って、その呪いに挑んでいく物語。

ベネチアの美しい風景と不気味な呪いをタイアップした描写が、本作のミステリアさをより一層高めているのは間違いない。また、露伴が披露するイタリア語なかなか流暢で堂に入っていた。しかしながら、浮浪者を演じ戸次重幸と男を演じた大東駿介、そして井浦新の演技が、舞台演劇ならいざ知らず、映画の演技にしては、あまりに大げさすぎて自然体な演技ではないように感じた。正直、ポップコーンの絡みのシーンは、ウザさも感じ、その点はかなりマイナス点と感じた。

また、ラストのサプライズも、露伴の役柄や言動からは、ある程度見え見えの結末で、予想通りだったのは、ミステリーとしての物足りなさは残った。もしかしたら、本作の目的は、高橋一生と豊島まりえのハネムーンを兼ねたロケだったのかも…とも思う(笑)

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2025年6月1日

ファランドルさん(^^)じゃあ、ハネムーンとスタッフの慰労を兼ねてのロケ旅ですね🤗

bunmei21
ファランドルさんのコメント
2025年6月1日

共感有難うございます。
映画化2作とも海外ロケは、スタッフが海外旅行したくて仕組んだんじゃないかと、思ってました。パリのルーブルや、ヴェネツィアでなくとも成り立つストーリーでしたから。

ファランドル
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