「「薄め方」がちょうど良い」岸辺露伴は動かない 懺悔室 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「薄め方」がちょうど良い

2025年5月29日
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鑑賞方法:映画館

原作漫画やアニメはほぼみたことかない。「ジョジョ」にしても「岸辺露伴」にしても、自分にとってはヴィジュアル表現やセリフ廻しが「過剰」な印象が強くて避けてきたところがある。
でもNHKのドラマと、それに続く映画版2作は明らかに「違うもの」になっている。というと語弊があるかもしれないが、いわば原作漫画が濃厚なポタージュであるならば、ドラマと映画は出汁のよく効いたすまし汁であるといえるのかもしれない。世界観は異なるが「旨み」は同じだけある。だからここは好みの問題であって、私のようにドラマと映画しか観ないっていう人がいてもおかしくないんじゃないかな。
前置きはさておき、本作は前作「ルーブルに行く」よりかなり良い。前作が致命的に駄目だったのが「黒い絵」を巡るストーリーが安っぽい因果応報ばなしにしか見えなかったところ。いや原作自体がそうなんだろうけど、そこを払拭できるだけの演出ができなかった。全編パリロケとならず国内ロケとセット撮影がかなりの比重を占めているところ、肝心の「黒い絵」の見た目があまりにもセコいところ、説得力がなく美しくもない主演女優(飯豊まりえさんじゃないよ)の存在がその印象を後押しした。
前作と同様、演出は相変わらずモタモタしているが、全編ベネチアロケだし、高橋一生のなりきりぶりは素晴らしいし、助演組も頑張ったし、音楽も素晴らしいしまずまず観られる内容となった。
2つだけ残念なところ。玉城ティナさんの結婚相手だけどもうちょっとマシなイタリア人はいなかったの?なんであんな反っ歯の安物俳優にやらせなければいかん?
それと飯豊まりえさんだけど今回は出番も少なかったし彼女の衣装もやや地味めだったと思うんだけどね。

あんちゃん
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