「役者の顔より絵作り」岸辺露伴は動かない 懺悔室 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
役者の顔より絵作り
画面の奥に佇む岸辺露伴やその露伴の前に壁や草花を添えて撮る「なめ」の映像で幕開けする本作。
露伴演じる高橋さんの顔が映る5カット目ですら、植物越しに撮影して顔をまともに映そうとはしていません。
勿論、斜めに傾いたアングル、極端なローアングル、被写体が影となってしまう逆光撮影など「役者の顔が潰れようともお構いなし」と言わんばかりの映像が次々に映し出されていきます。
絵作りに拘った映像の数々がスクリーン一杯に広がってました。
鑑賞前、オーバーツーリズムで問題を抱えているヴェネツィアで全編ロケをすると聞いた時は「絵作り」に期待できそうもないと諦めていましたが、大いなる誤解でした。
人気のない街での撮影まで成功させており、ヴェネツィアを舞台にしながらも、異空間で撮影したかの様な雰囲気まで漂わせておりました。
前作同様、作品自体を観て楽しむものと割り切れると良品となる代物はありますが、物語のテンポはこれまた全編同様に誉められたものではなく、ちょっと間を取り過ぎている感じが否めない作品になってもいます。
その点に、「もう少し短くても良いのでは」と感じてしまう人が出てくる気もします。
それから、通訳なしで会話を成立させてしまう飯豊さんにも不満を抱く人がでちゃいそうですが、ラストでの高橋さんとの会話で「会話できたのはまぐれ」とも取れる話に待っていたのは強引ではありますが巧い処理だったと思います。
何より、飯豊さんが放つ「ノーテンキ・キャラ」の雰囲気が何でもありに変えてしまうのが1番の強味かもしれませんね。
かっこいい高橋さんとのバランスが絶妙ですし、今後もシリーズ化して欲しいものです。
明日 観ます。私は事前に他の方のレビューは基本見ないのですが 偶然押してしまって拝見しました。
的確な巧みな表現で 雰囲気がわかりました。勉強になります📚。素晴らしい👍
他作へのイイねありがとうございました😊😊