「Mよ。まだわからないと思うが、バカはお前だぞ。」おばあちゃんと僕の約束 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
Mよ。まだわからないと思うが、バカはお前だぞ。
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手放しで主人公を褒めたり認めたりするつもりはないが、非難したり憤慨したりして、唾棄すべき人物と切り捨てることもできない。なぜならば、その言葉は、全てブーメランのように戻ってきて自分自身に突き刺さるからだ。
大学生の一時期、自分は祖父母宅に居候していた。本作を観ているうちに、気がつくとその頃のことを思い出して、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
結局、子どもも孫も、いつまでたっても親や祖父母に甘えてしまうのではないか。
もしかして、そうではない方がいらっしゃったら、申し訳ない。けれど、少なくとも、自分は、子どもだけでなく、孫ができた今でもそうだなと思う。
親の立場だったら、自分も劇中のメンジュのように、借金で苦しんでいるスイに全財産を渡すだろうし、祖父としての立場で言えば、Mへの貯金と同じように、自分も孫たちに定期的に残してもいる。でも、自分が子どもだったり、孫だったりの立場では、いくつになっても、どうしても甘えた気持ちが拭えない。
そんな両面が、とても自然に描き出されていた作品だった。
ラストのMが花を無造作にぶちまけるシーンで、泣けてしまった。ホントに化けて出てきてくれたらいいのにね。
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