「おばあちゃんとした、約束」おばあちゃんと僕の約束 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
おばあちゃんとした、約束
タイ語の原題はどんな意味か分かりませんが、
How to Make Millions Before Grandma Dies
が英語のタイトルとのことだが、邦題が良い。
寝たきりの祖父の世話をして看取り、豪邸を遺された従妹のムイに倣って、お粥を売って生活している祖母がステージ4のがんで長くないのを知って自分も楽して家を貰おうとエムが始めた「祖母孝行」。
始めたのはよこしまな考えからだが、徐々に欲得抜きでおばあちゃんを案じて世話を焼くようになる。
おばあちゃんもうさんくささに気づいて最初はぞんざいだが、一緒にお粥売りをしたり、朝早くから病院に連れて行ってくれたり、の孫に心を許すようになる、というか、そばで生活するうちに心が通じてきて、幼い頃のかわいいエムの姿が蘇ったんじゃないでしょうか。
「100万バーツあったら何に使うの?」「おばあちゃんに家を買う」こんなことを言ってくれる小さい孫、可愛くてずっと心の中にほっこり残っていたと思う。
アジアは伝統的に男尊女卑で、親の面倒を見るのは女の子なのに、財産は何もしない男の子に遺すはありがちなよう。おばあちゃんも実の兄との間でそういう悔しい思いをさせられたのに、自身の唯一の財産の自宅は借金まみれでどうしようもない次男にやってしまって、欲得づくでろくでもない息子たちと違って唯一心から心配して尽くしてくれる娘には何も遺さない、だけど「お前と暮らしたい」って、娘気の毒と思ってしまったが。
心を許していた孫が、自分の家をネットで売りに出したと分かっても、おばあちゃんは孫を嫌いになれない。次男も、ダメな子ほどかわいい。親孝行な娘には、なにかと犠牲にしてしまって罪悪感がある。その上、財産は次男にあげてしまった。だから娘に世話になりたいとは、なかなか言い出せなかった、おばあちゃんの気持ちもわかる。
「いつまで?」「そうね、死ぬまで」
忘れていたが、エムが小さい頃に確かにおばあちゃんとした約束だった。
おばあちゃんが「約束」が生きていることをエムに言わなかったのは、対価なくても純粋に愛情から面倒を見てくれる孫と娘がうれしかったからなんでしょう。
そして、エムも、約束通りおばあちゃんに家を買った。
私のおばあちゃんも、「お前が一番かわいい」と言ってくれたっけ。
おばあちゃんの仕事場の脇を走る電車、元・小田急の車両だよね。
そして、少々長い。途中で気づいたら寝ていた、が何度かありました。
Yumさん
そうなんですね、
愛は美しいですが、娘は気の毒です。
シングルマザーで、息子を育てているというのに。
実は孫に結構な額を残していた、というのは、かくあれがし、という願望のように思えました。