8番出口のレビュー・感想・評価
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最小限の味付けの勝利
ボレロをメインテーマにした予告編を見た時から、センスあるなーと思っていた。
ボレロという曲はご存知のように、同じメロディが繰り返されるクラシックの名曲。
原作のゲームもこの映画も、地下鉄構内の通路を繰り返し巡り、異変の有無を判断して脱出を目指すという内容。
「8番出口」にピッタリな曲だと思った。
ゲーム「8番出口」にストーリーは無く、文字通り閉鎖空間(=地下鉄の通路)脱出の為に異変を探す(または回避する)というのが目的になっている。
これをどのように映画に落とし込んでいくのかが最大の興味であり、見どころと思っていた。
実際の所、ストーリーは最小限でほぼゲームのまま。なんなら、映画を観ながら異変を探すゲーム体験までできるようになっていた。
(通路のビジュアルもゲームのまんま。CGではなくセットだそうでかなり手間がかかっている。)
大袈裟なストーリーの付与ではなく最小限のストーリーにしたことが「8番出口」の映像化の成功に最大限に寄与していると感じた。
さらにイイなと思ったのは、「おじさん」のストーリー追加。
実はおじさんもこの通路に迷い込み、脱出を目指していた人物なのだが、フェイクの出口に足を踏み入れたことでこの世界に囚われてしまったことが判明した。
ゲームとしては、フェイクの出口から脱出してしまうのはゲームオーバーシチュエーション。
これにより映画世界ではゲームオーバーになると通路に囚われてしまうことが確定した。
そうだとすると、最後のギミックもゲームオーバーシチュエーション。子供はかんばんに避難出来て無事だった為、異変を引き返すことが出来た。
流されたニノはどうだったのだろうか。通路に取り込まれていないので、証明写真かロッカーに引っかかっていたに違いない。
ゲームオーバーなら、おじさんの代わりに通路を歩き続けることになるからだ。
ラストは劇中の伏線で行きの電車内の後悔に言及していた為、母親の擁護か続編ゲーム「8番のりば」の世界に巻き込まれるかどちらかだろうと予測した。
結局、観客の想像に任せる終わり方だったが、余韻が残って良かったと思う。
個人的には、因果律から外れたニノは「8番のりば」に巻き込まれることは無いだろうと思う。
(ひょっとして、車両を移った瞬間に「8番のりば」の世界に迷い込むかも。)
本作で惜しいと思うのは、主役はニノではなくもっと没個性な役者が良かったと思うこと。
ゲームはPOV視点なので、主人公が誰かはわからない(プレーヤーと同一であるとも言える。)。ゲーム同様誰か分からない役者の方がもっと世界観に映えたと思う。
(制作委員会のクレジットに「オフィスにの」が入っていたり、脚本協力にニノが入っているので、ニノありきの映画であることは理解出来る。それでも敢えてそう思う。)
同じように小松菜奈も無名女優で良かった。こちらは客寄せにしか見えなかった。
まとめとしては、ストーリー要素の無いゲームの映画化のお手本のような出来で素晴らしかった。
8番のりばも期待したい。
1回目よりも2回目の方がささりました
自他共に認めるにの担な私ですが、実は初回見た時はあまり響かなかったんです。
不透明な部分があって、この感情で正解?って迷ってしまいストレートに感情が湧かなかった感じ。
2回目はIMAXで見ました。その効果もあり初回以上に集中して見れ、より主人公に感情移入できました。
印象深かったのは、途中でゼロに戻ってしまい泣きじゃくり、吐くほど絶望したのに「大丈夫、大丈夫」と自分を励ましながら再び進み出すシーン。見ている私まで励まされているようで安心感をもらえました。
正直まだ不可解な部分があります。私なりの解釈をしていい映画だと思うので全編自分なりの解釈ができて納得できるまで何度も見たいと思います。
最後のニノの目力の変化は何度見ても価値があると思っています。
とにかく不快
原作は知りませんが、暇があったので観てみました。
まずストーリーやキャスト云々よりも、とにかく音が不快でうんざりでした。
演者の息づかいを伝えるにしても、喘息の設定は要りますかね。無駄にヒーハーヒーハー耳障り。
怪奇なシーンで視聴者をドキドキさせる狙いであろう音も、いつも何か違う。怖いというより不調和で気持ち悪い。
そして、単調な行動の繰り返しばかりなのは予想通りというか、もともとそういう題材なのでしょうからいいとしても、"異変"は視聴者側が探すような感じではなくあからさまなので謎解き的な楽しみは無い。
一応ストーリーと言うか登場人物の背景的なシナリオはありますが、感情移入するような要素も無いのでそこの面白味もありません。
総じて、どこが見所なのかよく分からないまま不快な時間が90分続く映画でした。
脚本協力 二宮和也
脚本協力 二宮和也
とクレジットされてましたが、ゲーマーとして有名なニノの助言があったようですね。
最後のところで、出口下の方かよ?振り返ったら来た方が出口って表示されてるし、改札通ってまた地下鉄乗って、おっと無限ループかよと思いましたが、そうはなりませんでしたね。
それよかこの映画comアプリのレビューのループをどうにかしてよw
(Android版だけ?)
不気味さは上手く表現されている
ゲームの内容は知っていたが未プレイでの映画鑑賞です。展開や細かな詰めの甘さは否めないが、なかなか楽しめました。ゲームの異様な世界観はよく再現されていたんじゃないでしょうか。二宮和也の演技も良かったし、歩く男の河内大和の怪演も光っていました。ボレロも映画にマッチした選曲だったと思いました。
映画館で気になったのが、小さな子が見に来ていて、上映中『怖いよ…怖いよ』と声を出して半泣きになっている子が何人もいた事です(途中退場の子がいたり、ちょっと周りに迷惑)親御さんは、何を勘違いされて小さな子供を連れて来ているのか、理由はよくわかりませんが、ホラー要素や大きな音、ストーリー?…決して小さな子供向けではありませんし、ほぼ楽しめる要素はないと思います。個人的には小学校、高学年以上に推奨だと思いました。
小さな子はマリオザムービーみたいな映画を見に行きましょう。
最後はゲーム『8番乗り場』への続編を狙ったオチだったんじゃないでしょか?
「異変を見かけたら引き返せ」というテーマの矛盾
まず、ぶっちゃけてしまうと、出演者が好きな人なら観て良いと思います。ですがそれらを考えずに映画として批評するなら、観ることをお勧めしないレベルの作品と捉えています。
正直、全般を通して息苦しさが酷いです
不安を煽るような赤ちゃんの泣き声
奇形の生物
照明の点滅や不快な爆音
人によっては津波の描写も気になるところでしょう
それらマイナスファクターを取り除けるほどの内容かと言われたら、決してそうではありません
------ここから先は人によっては推しや作品やジェンダー感を強く否定する言葉に見えてしまうかもしれません。感情が昂ったり怒りが湧いてきたと思ったら、申し訳ないですが、一度引き返してください-----
映画に含まれたメッセージはわかります
でも、そのメッセージだからこそ、この作品に使ってはいけないと感じました
人生の迷いを乗り越えていくメタファーとして繰り返される地下通路を進んでいく物語ですが、
その基準が「異変を感じなかったら進む」「異変を感じたら戻る」です
この時の異変とは、自分自身に危害が及ぶものでは無い、普段とほんの少しだけ違う事も「異変」になります
人生の中でイベントは付きものです
それは良いものも悪いものも、どちらか判断がつかないものもあります
今回の件でいえば、繰り返される日常の中で発生した、
「元パートナーの妊娠」はとてつもないレベルの「異変」なんです
(繰り返しますが、この作品における「異変」は良いや悪いという概念ではありません、日常と違う出来事が発生したら、それはすべからく「異変」です。
「元パートナーの妊娠」を望まれない事や不幸のようなマイナスファクターであると伝えたいわけでは無い事はご理解下さい。)
この地下道のルールを当てはめるなら、立ち向かうや受け入れるでは無くなります
「引き返す」
これが答えになってしまうんです
でもそれはメッセージとして伝えたい内容では無い
そうなると、【伝えたいテーマと世界のルールが合ってない】
という事になってしまい、結果としてメッセージ性が希薄になる
というか、この映画の設計自体が基盤から間違えてるとすら言えてしまう
これが自分がこの作品を評価しない最も大きなポイントです
役者さんは本当に良い演技をされてますし、
舞台も非常にしっかりと作り込まれている
その点は間違いなく星4から5はあります
でもやはり、その世界観とメッセージ性のミスマッチによって起きる消化不良が納得しきる事が出来ず、
星2とさせて頂きました
(ミスマッチで作品としては星1、役者さんと舞台のクオリティでプラス1させて頂いての星2です)
理解力の乏しい私には難しい
赤ちゃんが泣くのを怒鳴りつける男を注意したら迷わずに済んだだろうか、とか考えます
ただ分からないのがあの男、途中で脱出して居なくなってないとおかしいのになぜまた戻ってきたのか……
あの子供は、お腹にいる赤ちゃんの成長した姿で良いのだろうか、とか解釈が難しい
ニノも一応脱出したけどまた電車に乗ったから赤ちゃんを怒鳴りつける男を注意しなかったことによりまた迷ったのではないか、とか色々考えます
低予算なのかな?
駅しか出てこない。
途中の津波みたいな水の演出は必要ないと思った
単調ながらも味わい深い
序盤とラストを除けば、単調なシーンが延々と繰り返されるだけで、特に衝撃的なオチが用意されているわけでもありません。そのため、観る人によっては非常に退屈に感じるかもしれません。
しかし私には、主人公が別れを決意した恋人との間にできてしまった子どもを、「産むべきか否か」と悩み、葛藤する心の内を描いた作品のように思えました。
また、見方によっては人生の縮図のようにも思えました。人生にはさまざまな選択肢が訪れますが、どれが正しい道だったのかは分からず、どこまで進んでも「ゴール」など存在しないのかもしれません。
という訳で、本作は単調ながらもよく練られた、味わい深い作品だと思います。
追記
・主人公が喘息持ちである必要性が全く感じられませんでした。観客としては見苦しいだけで無い方が良かったと思います。二宮さんのアイデアらしいですが、何でそんなアイデアを採用したのか理解に苦しみます。
思っていた以上の内容
前半は思っていた内容に近いものの迷路のようではなく角2回の短いシュチュエーションで、90分持つかな?と思っていたが、後半から展開がある。とてもわかりやすい内容、でも主人公さながらに異変を探す自分。そして引き込まれていく。観る前になぜこの映画で、IMAX?と思ってたらなんと…エンドロールも凝ってて好きですね
怖さというより不快感を狙った描写が多い
ゲーム原作の作品だけど、原作を知っていれば物語が補完されてゲームがより深く感じられるし、知らなければギミックそのものを初見で楽しめる。どちらの立場でも楽しみ方があるのがいいなと思った。
映画は「異変に気づいたら引き返す、なければ進む」というシンプルなルールを、そのまま繰り返すだけじゃなくて、前後にストーリーを肉付けして自然にドラマ仕立てに落とし込んでいる。二宮さんが思考を巡らせながら出口を探すだけじゃなく、反対側から歩いてくるおじさんや別のキャラにスポットを当てて、単調さを避けていたのも良かった。ストーリーがあることで「なぜループしているのか」という部分に、直接ではないけれど意味付けがされているように感じられた。
主人公が咳き込むシーンはすごくリアルで、観ているこっちまで息苦しくなるくらい。キャラクターの説得力にはつながっていたけど、描写が多めでしんどさもあった。ここは人によって受け止め方が変わると思う。
映像の作りは、いわゆる「ワーッ」と驚かせるホラーではなくて、嫌な感じを積み重ねていくタイプ。赤ちゃんの泣き声やドンドンという音、不気味なネズミのような存在、そしてリアルな津波のシーン。怖さというより不快感を狙った描写が多くて、ここは好みが分かれそうだなと思った。
ルール自体はシンプルだけど、映画ならではの意味付けが加わることで、ただのループ体験では終わらず「この空間はなぜ存在しているのか」を考えさせられる。
過去の映像作品と比べて使い古されたギミックだと言う人もいるかもしれないけど、新鮮に受け止められる人もいるだろうし、その意味では十分に価値があると感じた。
観終わったあとには「なるほど、こういう理由でループしていたのかもな」と思えて、ゲームの世界観がさらに広がった気がした。
津波や喘息の描写はきつく感じる人もいるだろうけど、最終的には観る人それぞれの感じ方に委ねられる作品。
個人的には楽しめたし、ゲームが好きな人なら「あのシーンだ!」と嬉しくなる場面も多いんじゃないかと思う。
もっとどうにかならなかったか
最近の映画鑑賞をする度にこの作品の予告編を見せられた中で、絶対に観に行こうと思っていました。ループもの、間違い探しの知的な雰囲気、そして恐怖感を伴うスリルも味わえそうだと。
結果、プロローグとエピローグという、対になったウンチク臭い物語が出足と締めくくりで興ざめにしてくれた他、肝心の中身においては間違い探し的な要素がほとんどなく。いや、間違い探しの要素は確かにあったのに、ある人は喘息持ち、ある人は冷静さを失って、容易に判別できる間違いがあるのにそれに気が付かないせいでスタートに戻ってしまうという愚かさが繰り返されるので、もう途中から面白くないこと、面白くないこと。終盤に向けてエスカレートした挙句は地下通路での洪水という陳腐な表現。ふざけるな!!と言いたい。本当のホラーやサスペンスは過激な状況を描くことではなく、逆に静かな場面の中で主人公をとことん絶望させることで表現できるのだよ。ということで、この作品は予告篇を堪能したらそれで十分というものでした。最後に95分がものすごく長く感じられたことを付け加えておきます。やれやれ。
(印象を3つまで選べるのに、どれも該当しないのでゼロです)
まあ予想はしてたけど
ストーリーが全くといっていいほど刺さらなかった。(原作プレイ済)
大きなテーマが未来の子どもを出産させるかどうかなのも陳腐で、主人公に感情移入できない。ヒロインが瀕死状態だとか主人公が精神的にもっと追い詰められているとかだったらまだ良かったけど、完全に当人の自業自得じゃんこれは。
登場人物が絞られている上に、客に感情移入して8番出口の世界観を味わってもらう必要があるのに、主人公を魅力的に描けなかったのは最大のミスとしかいいようがない。
あと主人公の喘息設定やおじさんのくだりなど、蛇足に思えるシーンや設定が多すぎる。一個一個の異変も尺を使い過ぎている感が大きい。
映像化して物語性をつけるにしても、このゲームは向かなかったんじゃないかと思う。
せっかく導入や世界観の再現は良かったのに、ストーリーで全部台無しになっていて勿体無い。いやでもやっぱり、映像化するべきじゃなかったのかなこのゲームは…。
ホラー要素増し
ホラー映画苦手でまったく見れない人間がギリ見れるかな、という感想です。
ホラーというより世にも奇妙な物語系?演出やカメラワークが怖かったです。最初の方に振り返ったら不気味笑顔のおじさんがすぐ後ろに立っている、という異変を見せられたおかげで、カメラが回り込むたびにハラハラしていました。ただ、画面があまり変わり映えしないのでそういう手法を取るのは納得できます。人によっては飽きやすいと思います。
原作ゲームは知っていたので一人称視点での始まり方がゲームを踏襲しているのがリンクしていて良かったです。
アップデート前の異変はすべて把握していますが、ストーリーに関連した映画オリジナルの異変がたくさんあったのでゲームとの違いを探しながら観れました。が、怖い異変が多かった…。二宮和也演じる迷う男の「恋人の妊娠」に関するメタファーが数々の異変となって現れており、赤ん坊の泣き声が苦手な人は観るのが辛いと思います。(個人的に現実の赤ちゃんの泣き声は大丈夫なのですが、映画館の音響で聞くデジタル音声?の赤ん坊の声がどうも苦手です…)
ゲームにも不気味な異変は確かにありますが、どちらかというと間違い探し要素が強く、気付けなかったときの悔しさ、思わず笑ってしまう唐突さ、角を曲がって番号表示を確認するときの緊張感、振り出しに戻る落胆、見落としがちな異変に気付けた時の嬉しさ、などなどシンプルなゲームながら感情が様々なので、リアリティを持つと怖いに傾くんだなと新たな気づきでした。
地下通路の一本道は引き返す/引き返さないで分岐になり、間違えれば最初からとはいえやり直せます。でも、人生は現実に引き返すという選択肢はありません。まさに一度きりの重大な選択の前に立たされた主人公が引き返すことなく前に進めたのなら、それは異変ではないのだろうと思います。そこに少なくともこの作品を映画化した意義があると思えました。
the Boy 〜ずっと忘れない〜
よくある理不尽丸投げ作品かも、という危惧に反し、思いの外ちゃんとしてた。
電車内トラブルと別れた彼女からの妊娠報告が、テーマに繫がる導入が上手い。
ただし、慣れてる駅にしろそうでないにしろ、適当に歩きすぎという違和感はあった。
(電話に気を取られたにしても、通勤中だし)
異常に気付く瞬間とその混乱がないのも不自然。
想像以上に狭い範囲を行きつ戻りつするが、カメラワークのなぞる部分とズラす部分のバランスが絶妙。
“異変”も、あからさまなモノがほとんどの中で、適度に分かり難いモノを差し込んでくる。
視点人物の交代という意外な展開も含め、飽きさせない工夫を感じた。(実際はギリ飽きたけど。笑)
どう見ても“異変”なのになかなか引き返さないのには、正直イライラ。
自分だったらポスターの一字一句も気にしてしまうので、確認の雑さにはムズムズ。
少年が普通に喋り出した時は、今までのはなんだったのか、という気分にも。
(実際彼は並外れた観察力と瞬間記憶能力でも持っているのか、一度も“異変”を見逃さない)
彼が喋っていれば“おじさん”も助かったろうに…
台詞の断片から“おじさん”はニノの父親の可能性も?
ラストの変化も分かり易い。(もっと早よ行け、とは思うが)
原作が“異変”を見つけるだけの間違い探し的な内容と聞くと、よくここまで練り上げたと感心する。
音と無音の使い方も非常に巧みです。
恐らく最初に見ていたネットニュースも意味があるのだろうが、ほぼ読めなくて残念。
もうひと味ほしくはあるが、十分楽しめた。
私には、しっくりきて良かったですよ
レビューを見てると、賛否の差が大きいですね。私には、しっくりはまってよかったです。
理不尽巻き込まれ型ホラーだと巻き込む側が、尊大な神様だったり悪魔だったり、ひどい場合は「こうすれば、面白いやろ!」と前後の繋がりを考えない監督だったりします。この映画は、決められない男の迷いが具現化したようなものです。しっかりした仕事に就けず、彼女との将来も決められず、そこに赤ちゃんができた。。。弱い男には、ぐっとくるシチュエーションです。逃げたい、でも逃げられない、決められない。。。それが、出口がない8番出口に捕まってしまった。もうひとつ良かった理由として、決心をしたところですね。はっきり描かれてませんが、見て見ぬふりをやめて決心して行動に移せたラストに見えました。おそらく、この後は彼女と結婚を決意し、男の子が生まれ、これからも迷いながら、でも幸せな家庭を作っていくのでしょう。私は、思いのほか視聴後感はよかったです。
ループし続ける思考
最後。
主人公が「出口」に向かって歩いていくと、外ではなくホームにたどり着き、また最初の電車のシーンに戻るんだけど・・・。
これって、結局、外には出られず無限ループする(してる)ってことなんだろうか??
あと、それぞれに絡む「異変」の有無がイマイチしっくりこなかった。
(ちなみに、元になってるゲームについては全く知りません)
・・・↑というのが、観た後すぐの感想なんですが・・・。
その後、丸1日いろいろ思考をめぐらせてみるにつけ。
映画を観てまず感じたのは、
ホラー物ではよくある「出口を出た先もまた閉じた空間だった」という物理的恐怖感。
でも、考えようによっては、
出口に辿り着けないのは、主人公自身の精神状態や社会的な閉塞感を表しているんじゃないかってこと。
すなわち、「毎日が同じ日常の繰り返し」「抜け出せない現実」へのメタファーであり、心理的なループの象徴とも捉えられるわけで。
そう考えると、もしかしたら主人公はずっと電車の中にいて、
とりわけ「子供」のことに関する悩みと思考を、ずっと繰り返していただけなのかもしれないな、と。
でもって、観た直後からずっと気になっていたこととして。
泣く赤ん坊と母親に対し怒鳴り散らす男の客に、何も行動できなかったトップシーンとは異なり、
まったく同じように見えるラストシーンだけど、
よくよく見れば、涙を浮かべた後、気のせいかもしれないけど、微妙に「動く(何か行動する)」直前のようなカットで終わったような気がするってこと。
ひょっとしたら、それは、その怒鳴る男と泣く赤ん坊と母親の間に入るのかもしれないし、
言ってみれば、
一見、まったく同じように見えながら、結果、「新たな自分に生まれ変わる兆し」で終わるということを描いたラストシーンだったのかもしれない。
すなわち。
まったく変わり映えのしない毎日のようで、実は自分次第で人生はいくらでも変えられる・・・みたいな。
そういう深さもある映画だったのかもしれないという気がしてきました。
と、こうした視点で見ると、
『8番出口』は、単なる不条理ホラーではなく、むしろ内面的な成長譚や都市社会での自己再生の寓話のようにも思えてきました。
※ただし、もしそうだとしても、その世界観が、そこまで昇華して描けていたかどうかは微妙なところですが(;´・ω・)
(あと、超個人的な受け取り方として、
「おじさん」が、実は「変われなかった(変わらなかった)」「子供を助けられなかった(堕胎してしまった)」パターンの未来の自分の姿のようにも感じました)
↑
とまぁ。あくまで、すべて超個人的な感想として、今もまだ、頭の中、ずっと思考がループし続けてます(~_~;)
映画でやる意味はどこにあったのか?
最初とエンドロールでラヴェルの「ボレロ」が流れる。最初の方はぶつ切りで、エンドロールの方は短縮版だ(本来なら16分半はある曲だ)。
ラヴェルの「ボレロ」を一躍有名にしたのは、映画「愛と哀しみのボレロ」だろう。大戦を生き抜いた複数の家族が最後のチャリティーショーで邂逅する場面でラヴェルの「ボレロ」が流れ、当時世界一と言われたジョルジュ・ドン(45歳の若さでエイズにより逝去)の圧倒的な踊りが花を添える。「ボレロ」が流れてくると、私はあの場面を思い出す。
本作でラヴェルの「ボレロ」が使われたのは、同じ旋律を何度も繰り返すという曲の特徴が、同じところをぐるぐると回るというストーリーに一致しているという理由なのかもしれないが、先人の作った作品への敬愛は殆どない。
エッシャー展のポスターがあるのも、エッシャーの絵が無限性を指向しているからだろうが、それ以上の意味はない。
主人公の背景が描かれていない。身分の不安定な派遣社員で、別れを決めた恋人から妊娠を告げられたことから、主人公の心理はかなり不安定ということはわかるが、なぜ故に主人公があの迷宮に迷い込むのかは判然としない。
主人公が迷宮からの脱出ヒントをかくも平然と受け入れるのかも不明。
この映画が全てゲームですというなら、映画でやる意味と必要性はどこにあるのだろうと思う。
主人公が初めに迷宮に迷い込んだとき、天井に「引き返せ引き返せ」の文字があるが、あれは何んだったのか
「世にも奇妙な物語」で放映される30分のショート物、あるいはオムニバス映画の一遍であれば、何とか成立するかもしれないというレベル(それでもいくつかの改善は必須)。
主人公役の二宮さんの不安げな表情が本作とマッチしているのが、数少ない収穫点だろううか。
惹き込まれる
小学生の子供らが観たいとの事で一緒に観賞。途中娘は怖くて泣いていた。。地下道、迷う男、歩く男、彼女、子供、女子校生と登場人物も少なくコンパクトにまとまっている印象。結局は二ノ宮君演ずる迷う男の人生を象徴しているかの内容。
最終的に受け入れて、、な感じで終わる。
おじさんは秀逸です!動きにムダやブレもなくひたすら歩くって凄すぎ。流石でした。
流し見るには程良い出来
何しろ元のゲームをやった事はない。動画でどんなゲームか知っている程度だ。
ゲーム自体への思い入れは全くないので映画としてどう活かすかに期待して観た。
あの異空間を作品のギミックとしてしっかり成立している。
そもそも人気ゲームから映画化は数多いがゲームをプレイしただけの映画を作っても不特定多数の観客の共感は得られない。
勿論、自分が出来ない事をやれる上手な人のプレイには感心する。で、それを観に来る人そんなに居る?って話になるから、この内容になったのだろう。上手いプレイだけなら、YouTubeででも動画配信するでしょう。
物語はしょっぱなから派遣労働で安定しない生活をしていそうな二宮和也演ずる主人公が登場する。
別れた彼女が妊娠してどうしよう?ってそれすら決められない事にイライラ。
喘息も相まって咳込むことを繰り返し、観ている観客を「こいつダメだ〜」と呆れさせる。
カメラワークで目に見える異変を見付けられないのにはモヤモヤ。
とは言え異変も新たなキャラクターが現れる為、こりゃ異変だろ?と思うのに、違うかったり異変だったりするのでちょい混乱させられたりする。
途中の異変はゲームの域を出ないが、歩いていたおじさんや子どもまで考えたり、喋ったりして継ぎ足しのドラマ部分を支えている。
時間も90分弱、終盤は疲れてきた主人公の無気力さや子ども頼みな展開など観ている方がやや緩んでしまい、主人公の決意が定まるまで引っ張ったのはちょっと厳しかったがその我慢の分、ラストを良くさせたので、★3としたい。
全344件中、161~180件目を表示
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