8番出口のレビュー・感想・評価
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期待値が低かったためか
原作ゲームはプレイしたことがなく、名前を知っている程度の者です。
不条理ホラーとして面白いと思いますが、他の方が書いていた「世にも奇妙な物語」というのがしっくりくるような、コンパクトにまとめられる内容ではと。
どこまでがゲームに沿ったものか分かりませんが、想像していたよりあからさまにお化け屋敷的にビックリさせるようなホラー描写があり、そういう方向なのかと。
やはり同じことを繰り返すので飽きてくるものの、飽きてきたころに視点を変えたり子供を投入したりという構成は良かったと思いますし、子供を絡めてストーリーをまとめているのも成程と。
オープニングやエンディングの雰囲気も良かったです。
とは言え、その設定いるか?、とか、何故そのタイミングで喋りだすんだ?、とか、そこですぐに引き返せよ、とか、違和感を感じる部分もありました。
全体的には、期待値が低かったためか、そこまで悪くはないという印象です。
地下通路が怖くなりました笑
ゲーム未体験で鑑賞。
冒頭のシーン、目の前に起きていることをみて見ぬふり、興味のないニュースや話題には触れずにスルー、今時の日本人を体現した映画だと思いました。
無機質な地下通路を舞台に、大きな場面転換も少ない中でカメラワークが秀逸でした。本当に無限ループの世界に迷い込んだように、カット割りも不自然さは全く感じず、退屈することなく90分鑑賞しました。二宮さんはどこにでもいそうな無気力な男性を演じていて、アイドルのオーラは良い意味で感じなかったです。
ただゲーム未体験だからなのか…女子高生の意味が良く分からなかったです。歩く男と同じようにずっと8番出口から出られずに彷徨っている存在なのでしょうか?それがスッキリせずに星4つにしました。
映画鑑賞後、帰り道は地下通路が怖くて地上をずっと歩いて新宿駅まで向かいました笑
古来の日本で8という数字は「八百万(やおよろず)の神」などに象徴されるように、「無限に大きい」数字を意味していることをふと思い出しました。8という文字がそもそも無限ループしているから8番出口なのでしょうか??いろんなことを考えさせる映画でした。
小さな違和感を探す楽しみ、でも核心は伝わりにくいメッセージ
『8番出口』を鑑賞しました。
もともとゲームがあるくらいは知っていましたが、内容を深く調べずに観に行きました。映画はいきなり本編が始まるスタイルで、「巧妙なストーリーが展開されるのでは?」と期待する作品ではない印象です。
同じ道を延々とループしている理由については、正直私には最後まで理解できませんでした。ただ、彼女や友人と一緒に観ると「今のシーン、ちょっと違和感?」と小さな変化を見つけて盛り上がれる要素はあります。全部がそうではありませんが、観客側の“気づき”を試されているような面白さは少し感じられました。
一方で、主人公の“成長”らしき描写が演出として差し込まれていたものの、それが観ている自分にどう響くのかが掴めませんでした。結果的に「で、何を伝えたかったの?」と感じてしまい、テーマの解釈が難しい作品でした。
設定が魅力的であるだけに、結論が陳腐で残念。
二宮くんが、
①電車の中で泣く子供の母親に毒づくサラリーマンに何も言えなかった。
②別れを告げた彼女から、あなたの子を妊娠していると告げられ、はっきりとした返事をできずにいる。
このことを前提として、二宮くんは地下鉄の出口から出られなくなり、迷宮に閉じ込められるという展開になる。
途中に子供が出現して、その子は実は二宮くんのこれから生まれてくるだろう子であることがほのめかされる。
この辺りから、二宮くんが、人生を振り返り、勇気と覚悟を持って生きていけるようになれば、迷宮から脱出できるだろうということが観客に見えてくる。
ああ、なんというつまらなさだ。
人生は確かに、まっすぐに進めない。
迷ったり、後戻りしながら、少しずつ、成長していくものだ。
しかしその程度のことを象徴するために、あの魅力的な設定を使うのはあまりにもったいない。
諸星大二郎の単行本「夢見る機械」に収録されている「地下鉄を降りて…」は地下街からどうしても出られなくなるおじさんの話だ。
この映画の原作もこの作品にインスパイアされているように思える。
どうしても出られない。
この不安と恐怖だけでは時間が持たなかったのだろう。
結論があまりに安易だ。
設定が魅力的なだけに残念。
天才・川村元気の完璧な仕事
原作ゲーム、豪華キャスト、カンヌと、“バズる要素”の宝庫
【イントロダクション】
KOTAKE CREATE(コタケクイリエイト)による同名タイトルのインディーズゲームを二宮和也主演で実写映画化。不思議な駅構内に迷い込んだ男が脱出を試みる姿を描く。
監督・脚本には、映画プロデューサー、小説家、脚本家としても活躍する川村元気。その他脚本に、平瀬謙太朗。音楽に中田ヤスタカ。
【ストーリー】
地下鉄に乗って派遣先の現場に向かう男(二宮和也)は、別れる決意をした恋人(小松菜奈)から「妊娠した」という連絡を受ける。互いに子供をどうするべきか決められず、駅構内で通話を続けていると、突如圏外となってしまう。
男は無限に続く不思議な空間に囚われてしまい、同じ通路を繰り返し行き来する事になる。やがて、男はその世界のルールが記載された案内板に気付く。
・異変を見逃さないこと
・異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
・異変が見つからなかったら、引き返さないこと
・8番出口から外に出ること
天井の「出口(Exit)8」という案内表示、壁のポスター、同じ動きで通り過ぎていくおじさん、通路にある3枚のドアetc.
男は、構内の様々な異変を探し、8番出口からの脱出を目指す。
【感想】
私は原作ゲーム未プレイ。しかし、芸人のゲーム実況やVtuberによるプレイ配信を目にした事がある為、作品としての基本ルールは押さえている状態。
だからこそ、本作の製作発表や予告編を目にした際は、「あのゲーム内容をどうやって実写化するのだろうか?」と疑問に思った。ただ、原作ゲームの内容がシンプルだからこそ、物語として成立させる際、様々な形で手を加えられるという自由度の高さがあるので、上手くやれば作品として成立するとも思っていた。
結果的に、原作ゲームの斬新なワンアイデアを組み込みつつ、物語として無難な着地を見せる作品に仕上がっていた。
第78回カンヌ国際映画祭でミッドナイト・スクリーニング部門で上映され、現地でスタンディングオベーションで迎えられたと公開前から話題となっていた事もあり、公開から3日間の興行収入は9億5,400万円を上げ、初登場第2位にランクイン。2025年公開の実写映画ナンバーワンのスタートを切った。
改めて、川村元気という作家は、“バズる企画”というものを見抜くのが上手いなと感じた。
主演の二宮和也は、流石数多くのドラマ・映画出演があるだけあって、安定感のある演技を披露していた。ラスト、「今度こそは!」と、電車内で赤ん坊と母親を助ける決意をする瞬間の無言の表情が素晴らしかった。
しかし、間違いなく本作最大の演技派役者は、その動きの正確さから海外で「AIなのでは?」と疑われたという河内大和だろう。本当にゲームのCPUのような正確な歩行スピード、感情のない不気味な満面の笑みといった演技が素晴らしい。そして、まさかまさかの彼視点のストーリーである。彼に物語がバトンタッチされてからの、一気に人間味溢れるキャラクターに変貌する様子も見事。
拘り抜かれた「8番出口」構内のセットは抜群の完成度。本当にゲーム世界に迷い込んだかのような、また自分でゲームをプレイしているかのような感覚を覚えさせる。ゲームにあるような、「8」の数字が逆さまになっているという細かな異変の再現も良い。
しかし、そうした役者陣の好演やセットの素晴らしさを、安易なジャンプスケア演出の多用で削いでしまっていたのは残念だった。“「何もない」からこその恐怖”という演出について、もう少し煮詰め、工夫してほしかった。ただし、恐らく本作のメインターゲットは、普段映画を観ないライト層だと思われるので、そうした層に向けた“分かりやすい”、言い換えれば“観客の知能の低さを想定した”演出だと思うので、こうした演出に不快感を示す人々に向けたものではないのではないかと思われる。
また、キャラクターの動向や明かされていく真実含め、こちらの予想の範囲を終始出る事のなかった脚本についても、もう少し捻りの効いたものを(無理だろうとは分かっていつつも)期待していたので、全て予定調和な印象は拭えなかった。
【『8番出口』という世界に重ねられた、人生の岐路】
物語として描かれている事は非常にシンプルで、あの「8番出口」とはつまり“人生の岐路"であり、自らの人生に悩みを抱えている人々が迷い込む空間という事なのだろう。
だからこそ、二宮和也演じる「迷う男」をはじめ、まさかの主観視点が用意されていた河内大和演じるおじさんこと「歩く男」、歩く男が出会う異変である花瀬琴音演じる「女子高生」らは皆自らの人生に疑問を抱いていたのだと思う。「迷う男」は、恋人とヨリを戻して子供を出産すべきかについて、「歩く男」と「女子高生」は、繰り返される変化の乏しい日常を生きていく事について、それぞれが悩んでいたのではないかと思う。また、深くは語られなかったが「歩く男」は「女子高生」の指摘によると、何かしらの現実世界でやましい事を抱えていた可能性もある。
キーとなるのが、「少年」だ。後に男と恋人の間に未来で生まれてくる息子だと判明する彼は、迷い込んだ人々を正しい道へと誘う、所謂“お助けキャラ”であると同時に、男に「目的を持って未来を生きる」事を選択させるメンターでもある。また、好意的に捉えるならば、あの少年は自らを産むか迷っている男と恋人へ「2人の間に生まれてきたいよ」とメッセージを伝える存在なのだろう。
彼だけが、あの異質な空間にて時間という概念を超越していたのも、そうした未来という「確定していない現実」の存在であるからなのだと解釈すると、ストーリー的な辻褄は合うように思う。
とはいえ、シチュエーション・スリラーの金字塔である『CUBE』(1997)に代表されるように、こうした作品は「理不尽で理解不能な舞台」を楽しむ事こそが最大の魅力であるので、細かな部分について辻褄合わせや答えを見出す行為は、言ってしまえば時間の無駄とも言えてしまうので、本作も細かい部分は「何となく」で受け流してしまっても良いかもしれない。あの空間自体、男の夢や妄想とも受け取れるし、あくまで本作は原作ゲームの世界観を基に再構築されたものであり、原作の答え合わせをする作品でもないので。
ラスト、冒頭で男が見捨ててしまった地下鉄での母子と乗客のトラブルが再び再現され、父親になる決意を固めた男は、仲裁に入る為動き出す。スマホや時計の表示がされないので想像するしかないが、地下鉄の状況が「8番出口」に迷い込む直前と全く一緒である事から、もしかすると男は物語開始より「少し前」に戻ったのかもしれない。
【総評】
インディーズゲーム原作、豪華キャスト、ワンシチュエーション・スリラーという話題性十分な要素をふんだんに含んだ、ロケットスタートも納得の一作であり、監督である川村元気のプロデューサーとしての慧眼ぶりが改めて伺える作品であった。
ところで、平日のレイトショーにも拘らず客入りは上々で、その多くがカップルであり、1人で映画を楽しみ、作品について考察しながら楽しんだ私は多分に惨めな思いをした。
私の人生の「8番出口」は何処だろう?0番出口(人生0)から、やり直しです。
面白かったです
なんかこんな悪夢見たことがあるなぁ〜
なかなか目的地につかないし、支離滅裂な世界。なんかこんな悪夢を見たことがあるなぁ〜。
この映画、観ている時はけっこうイライラしますが、観終わったあとの余韻は意外にも味わい深い。
平日の昼間にもかかわらず館内はけっこう入ってましたが、この映画きっと製作費は少なさそうなので儲かりそう 笑。
映画として100点満点かも!
映像、音楽、音、俳優陣、演出、展開、どれをとっても素晴らしい!
大作ではないので、心震わせて号泣するような大感動作ではありません。どちらかというと低予算映画の部類かと思います。
でもひとつひとつが素晴らしい出来です。
まず、映画ファンが大好きな長回しがたっぷり!
そして二宮和也さんの演技が素晴らしい!この方42歳なのね。見てると20後半〜30代前半の人にしか見えないです。
感覚としては『CUBE』とか『月に囚われた男』に近いですかね。ちょっと『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』を彷彿とさせる内容も。あとシャマラン監督作品っぽくもありますかね。
人によっては「なんじゃコリャ!?」と低評価をつけたくなる作品かもしれません。どちらかというと映画通向けの作品なので、演出とか映像とか音とか展開とか、「映画らしさ」を求める人向けで、純粋にストーリーを楽しみたい人にはちょっと物足りないかもです。
個人的には、観終わったあと、完璧な作品に出会ってしまった!と興奮してしまいました。これは芸術だと!
映画としてここまで完璧だと思えたのは『キングスマン』以来です。
実際、舞台化も出来そうな内容です。
だいぶベタ褒めしてしまいましたが、映画は「期待」して観てしまうことは禁物です。
これから観る方はあくまで、そう感じる人もいるんだなあ、くらいで過度な期待はせず鑑賞なさってください。
「期待」して楽しみにして観てしまったらきっとつまらない映画になると思いますのでご注意下さい。
※これから観る方は、冒頭のスマホの画面をよく覚えておくと、内容がより楽しめるかもです。
ゲームは未経験だけど
物語自身が彷徨っている
喘息発作は息を吐くときがしんどい
見たほうが良い。日本の新世代の映画。
「なんでこんな状況になった」「どういうことだよ」「なにこれ」といった凡庸なリアクションを抑えたこと自体が、この映画の勝利だと思う。現実的に考えるのならそんな余裕はないはずで、観客に寄り添いすぎないで表現を優先した姿勢が良かった。日本映画にありがちな押し付けがましさもなく、自然に共感できる形に落ち着いていたのが海外にも受けた理由だろう。
主演の二宮さんも自然な演技で、善人すぎず悪人すぎない日本人像をうまく表現していた。ただ一番印象に残ったのはアングルやカット割りだ。さりげない違和感や伏線を自然な形で差し込んでいるので何も考えずに視聴している人は何かを見逃してしまう。私も気づけばゲームのように画面の中から異変を探していた。
ストーリー自体に特別なものはなかったが、それもむしろ良かった。この映画の主役は人間ではなく「8番出口」そのもの、という意図がはっきりしていたからだ。
もちろん、物足りない部分もあるし、まるでワンショットみたいな演出も間が長い所もあったが、そんな点を私はマイナスにするつもりはない。世界に打って出たいのなら、このような映画の作り方がスタートラインになると思う。
もちろん今、ボレロを聴いています。
流行のインディーズゲームを映画化、という流れを知ってると驚くほど...
流行のインディーズゲームを映画化、という流れを知ってると驚くほどきっちりした作り。ほぼ一人芝居とはいえ一流どころの主演に、特異な設定に対してちゃんと整合性を持たせた映画オリジナルの脚本、おまけにループものだけにメインテーマは「ボレロ」!…サマーシーズンのホラー映画なんだから、もうちょっと肩の力抜いて作れば?と半畳を入れたくなるほど。もちろんホラー映画としてもしっかり怖く、お約束のジャンプスケアだけでなく、ループする閉鎖空間ならではの緊迫感が、主人公の喘息設定、視点の切り替わり等工夫を凝らして、最後まで持続するのも上手い。主演には文句のつけようもないが、「おじさん」と「女子高生」の絶妙な人外感(NPC感?)には名脇役賞をあげたい。
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