8番出口のレビュー・感想・評価
全687件中、341~360件目を表示
映画マニア向けの心理ドラマ
予告編を見て気になっていた映画。「電車男」「告白」「悪人」のプロデュースに関わり、第76回カンヌ映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した「怪物」を企画・プロデュースした川村元気監督作品。
第78回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門出品作品。ウォーキングシュミレーターゲームを映画化。
無機質な地下通路を歩く男が、出口に辿り着けない無限回廊の中、繰り返し同じ経路の通路を歩く中、異変に出会いつつ、8番出口を探し求める心理ドラマ。
二宮和也の他、オジサン役を演じた河内大和、子役の浅沼成が好演。単純なホラーではなく奥深い心理ドラマに仕上がっていた。
二宮和也を起用した東宝映画でありながら、単なる商業映画に止まらず、主人公の深層心理を巧みに表現。演出も素晴らしく、終始ゾワゾワ感もあり。
裏読みすれば、そこには物語なき哲学的側面があり、そのメッセージをどう受け止めるかにより、観る者ごとに感じ方や評価が変わる、インディペンデント映画を思わせる造り。思いの外映画マニア向けの作品。
「世にも奇妙な物語」的な展開を想定していた方や子ども連れの一般客には、理解しづらく期待外れだったようだが、名曲「ボレロ」もよくフィットしており、十分楽しめた映画。
やられた
心の迷宮からの脱出劇!
ドストエフスキーの罪と罰にでてくる、スヴィドリガイロフの悪夢の中の悪夢を思いだした。
スヴィドリガイロフの悪夢も、本作も、心の迷宮からの脱出というポイントが同じ。
スヴィドリガイロフの悪夢には、娼婦のような目で誘惑する幼女がでてくる。
歩く男には、妙に色っぽい女子高生。
二宮くんには、まだ見ぬわが息子。
スヴィドリガイロフは悪夢にうなされて目覚めるとそこはまた悪夢で、寝汗をびっしょりとかいて目覚めるとまた悪夢という恐怖の中、最後は自分の淫蕩をあざ笑うような、幼女の娼婦の悪夢で、自殺してしまう。
歩く男は、女子高生とどんな関係かは想像するしかないが、最後は人間ではなくなってしまう。きっとひどい関係であったのであろう。それでも、二宮くんのまだ見ぬ息子が、歩く男を引き止めようとしたところをみると、蜘蛛の糸的なチャンスがあったがそれを逃してしまう。
二宮くんも厳しい試練に直面するが、最後まで、まだ見ぬ息子を守り抜き、8番出口に到達することができた。
重苦しい作品でしたが、最後は、ほっとする終わり方で、平安な気持ちで劇場をあとにすることができてよかったと思う。
ゲームとは、テーマが違うのよ (いくらゲームにテーマがないといえ)
ゲーム未プレイ、ゲーム実況動画10分だけ見て鑑賞
母子に対する暴言男、狭く長い地下鉄階段、恋人からの妊娠告白、喘息持ち。この映画の不安要素の象徴。
実際のゲーム画面に近い演出。心理ホラー。ゲームに無い人物の登場。出口を見つけて出る人、出ない人。ゲームになく、公開後に話題となった水の演出。
父親になる事に戸惑う主人公。少年を水から助ける場面はあるが、子が自身にとってどこまで重要な存在になったかは分からない。
しかし、出口の直前でも出ない少年は、父親に見つけて欲しかったのだろう。
8番出口を見つけた筈だがそこは地上に続く階段ではなく、地下鉄に向かう下への階段だった。
主人公にはまだまだ地上に出る資格がないのだろう。クレジット前の0.1秒に見せた行動で資格が与えられるのか?
あんな奴いる?
かなりガッカリ
私はゲームはしません
赤ちゃんを連れたお母さんは満員電車に乗ってはいけない訳ではない。社会が勝手に作り出した暗黙のルールってだけである。いつか日本の宝になる赤ちゃんである。泣いてても元気ならいいじゃない。とは、ならないのが今の「不寛容」に満ちた社会である。
冒頭とラストを繋ぐ映画の重要なシーンなのだろうが、失礼ながらやや安直な結びつけ方と思うしメッセージ性も感じない。このゲームのことは知り得ないが、もし万が一やる事になったとしても私ならイラついて投げ出している。なので異変を見逃したりして何度も同じ地下通路を彷徨う画像(途中色んな登場人物が訳のわかんない行動もあるが)を大量に見せつけられても不快が上回り、映画は楽しめない。
二宮和也も小松菜奈も好きな役者であるが残念ながら低評価です。ごめんなさい、。
観て欲しい。
ポケモンを見に行ったらグリーンマイルが流れてきた
比喩ですがそんな感覚です。私含め周りもお子様連れの客が多かったのですが、お子様連れの方々はみんなこんな感想かと。
映画通の方々からの評判は良いようですが、そもそも8番出口を題材にする時点でターゲットは若年層というのは誰が考えてもわかる話。なのに小難しい考察などを必要とする作風の監督に任せたのは完全に失敗だったのでは。
低評価も散見されるのはそういった子供と一緒に見に行った方々の評価と感じます。
うちも小中学生を含めた家族5人で映画マイクラのようなエンタメ増し増しの内容を期待して見に行ったのですが、小学生の娘は見終わった後は意味がわからないといった感じで放心状態でした。
周りの客もお子様連れが多かったのですが全員そんな様子でした。
題材からして客層が10代が多いであろうタイトルなので、もっと若年層をターゲットにした気軽に見れるライトな作りにした方が評価が高かったのでは?という感想です。
完璧。ゲームコンテンツの映画化の正解がここに。
原作の「8番出口(ゲーム)」はざっくりとプレーしていた分、インディーゲームの流行りに便乗したトリッキーな映画なんじゃないかなと訝しんでいました。センスあるプロモーションも逆に、期待値よりも出オチ感が強まる印象だったんですよね。
ところが。鑑賞して一変です。
原作ゲームのトリッキーなテイストはそのままに、現代社会に接続した自分事と感じられる物語を構築し、地下鉄通路に迷い込んでいる閉塞感を主人公の持病設定で加味して、さらにゲーム性である「間違い探し」の見せ方も観客にだけ気づかせる演出など、巧緻さも際立つエンターテインメント作品でした。
鑑賞者が、今どのように感じているか、どう思っているかを分単位で見通しているかのような、ある意味心地よい映像体験が満喫できます。蛍光灯だらけの天井シーンの登場タイミングは見事。
ゲームコンテンツは本来「ゲーム性」が主体なので、映画やアニメのような「物語性」が主体となる作品に展開される際は良くも悪くも改変されて、原作にあった魅力の一部が失われたりすることが多いですが、本作は一切皆無。原作ゲームそのものに新たな魅力を加えたんじゃないかしら。
ルール(倫理)に則り、出口を探して、出口を見つければ、出口から出られることを描く本作、非常に良心的で良作でした。
鑑賞後、地下鉄に乗るたびにロケ地の聖地巡礼をしている気分になるのも面白いね。
追記)
映画館で鑑賞するのがオススメ。「主人公が出口から出る」=「鑑賞者が上映シアターから出る」で擬似体験できるんですよね。
良く出来ている映画
まさかの泣ける映画?!
すごい完成度です。
だいたいゲーム原作の映画って終わってるんだけど、これは本当によくやったと言う感じ しかも終盤ちょっと泣いたんですよ
ただのホラー映画じゃなくてシチュエーションと連動して迷いと決断の映画になっている。進むか? 戻るか? じっとしてても何も変わらないっていうね メッセージ感じたよね〜〜
原作のゲームにストーリーないからどうすんのかなーと思っていたが、ちゃんと主人公の人生に問題を設定。派遣に向かう途中で別れた彼女との間に子供ができたと電話で報告される。自分も彼女も決断ができない。彼は現実を直視できずに駅をフラフラ進み、気づくとゲームと同じ地下エリアに迷い込んでいる。
たまらねーーー!!!!
「心の問題と外の問題が重なるやつ」!!!!
そうやって主人公が自分の未来について思い悩むのと並行してさまざまな異変に見舞われ、その中で徐々に気持ちを入れ替えていく展開が実に王道でアツい。映画って感じだな〜〜〜〜
ゲームには大量の異変が出てくるが映画で全部出すわけにはいかない。そこでいきてくるのがこういう人間ドラマだ。とりあえず人気の異変は抑えつつ、あとは「主人公の悩みと絡ませることができる異変」を出せば映画に説得力が生まれる 赤ちゃんの泣き声。血。目線。
例えば壁沿いのドアが勝手に開く異変ってのがあるんだけど、開けた先は真っ暗闇でゲームだと覗き込んだらアウトなのだが、映画は暗闇の先に嫌いな自分の過去の姿がある→その過去の自分と見つめ合い、何かを決意した表情で主人公はゆっくりドアを閉める。こうすることで異変への対処と同時に「心の入れ替え」を演出している テクいね〜〜〜〜
こっから泣いたポイントなんだけど、同じようにして地下を彷徨っている「主人公の未来の息子」と出会う。その子は実際にはまだ産まれてないので「この世に誕生することができるかできないか」という不確定によって「さまよう」ことになっている(と考察できる)。つまり「親が産む判断をするかどうか」がそのまま「その子が出口にたどり着けるかどうか」に直結するということだ 主人公の人生に関わる最大のイベントだ。そして異変ではない(お助けキャラ的な感じかな)
だから地下で主人公があの子を最後まで守り抜く=自分の子を育てる決意をする と言う意味が生まれることになる
「ここから出たらどうしたい?」は「産まれたら一緒に何する?」と同じと言うことだ それに気づいた瞬間涙が出てくる。その後の洪水の異変で身を挺して少年を助けるところに未来を決断した主人公の強い意志が感じられ、なんかもうたまらんという感じになる
とまあこうやって「主人公の内面と地下攻略の進捗」が連動していて飽きさせない作りになっており、ゲーム勢ニヤリな演出もふんだんで異変のチョイスもよく、考察の余地もあって文句なしの映画といえよう
強いて言えば「ファー〜ーーフォーン」みたいな音の演出がしつこいくらいか。あれ序盤以降はいらないんじゃないかなーー
まあゲームやってた方が圧倒的に楽しめる映画だとは思います。ポスターの目が動くところバチクソテンション上がったわ。待ってました!! ってなる。マリオの映画くらいテンション上がったよ。いやー結構売れるんじゃないこれ?
追記:おじさん編のサブストーリーで異変JKが出てきたけど、おじさん痴漢とかやらかして未来が見えなくなって迷い込んだとかなんだろうか。おじさん...
全687件中、341~360件目を表示















