「明るい明るい不条理劇」8番出口 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
明るい明るい不条理劇
◉哀しげなワン・シチュエーション
達者な役者がほぼ一人で芝居を演じているのだから、そこから何かを感じ取れるはずと言う割切りとか、まだまだ物語にはこの先のドラマがあるのだと言う強烈な想像力とかが要求されていたのかも…と思ったのは、映画が終わってからのこと。
やはり強烈な肩透かしには違いなく、寸劇が続いただけだった…ような気もします。ポスターに恐るべき映像が現れるとか、脱出先の酷く悪い未来が垣間見えるとか、気持ち悪くもいつの間にか現実世界の苦悩が解決してるとか、別の展開を強く差し込んでくれないと足りないように感じました。
◉さぁ、不条理の海に身を預けて
ところが、通路と言う単なる手段だけを延々と見せられる、実に不思議な展開であるのに、目が離せなくなっていたのは、紛れもない事実。微妙な差異が面白かった訳ではないです。
そうではなく、車内で赤ん坊を抱いた母親が怒鳴られる事件があったが、男はいつも通り、会社に向かっていただけではないか? 何がいけない、何が男に起きたのか。何でこの運命を享受しないといけない?
きっと私らは(勝手に複数にしますが)不条理から目を離せなくなったのだと思います。みんな、薄々感じていながら直視出来なかった、自分の人生や、すぐ身の回りの世界の理不尽を噛み締めたくて、この不条理劇を観続けたのだと思えてきました。当たり前に存在して、私らを簡単に絡め取る不条理を、現実を取りあえず忘れて見ていたかった。
今晩は!
地下だけでぐるぐる🌀回るだけあって単純なストーリーでしたね。
でも今でもヒットしていて、あの予告が良かったのか、ニノが人気なのか、、、面白い🟰ヒットは比例しない例ですよね。
Uさん さん、共感、コメントありがとうございます。
見る側の思いによって、解釈も変わってくることも、この映画が意図しているところなのかもしれませんね。

