「現代社会のメタファーとして」8番出口 nahahaさんの映画レビュー(感想・評価)
現代社会のメタファーとして
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原作のゲームファンからの評判はどうなのか分からないが、映画は予想外の良作だった。
冒頭から現代社会の、というより東京という街の閉塞感と醜さをこれでもかと見せつける長回しがまずは秀逸。ラスト近く、ついにループから無事抜け出した主人公が振り返った目線の先に、地下鉄に出口に向かう人の群れをとらえたショットは見事。男女とも一様にスーツ姿の大群の、自らの墓に向かって黙々と歩くゾンビのような後ろ姿は、ループに永久に囚われた「おじさん」と変わるところがなく、先ほどまでのループ世界が何を象徴していたのかを明確に語り切っている。派遣社員の主人公のキャラも、今の二ノ宮だからこその見事な説得力があった。
映画として、とても良くできている。
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