「好みではない」8番出口 ケテルさんの映画レビュー(感想・評価)
好みではない
わかりやすさはピカイチ。
誰が観ても絶対にわからせるという強い意志を感じる。
映画の途中から先の展開が薄ら予測でき
ほぼ、その通りに進んだ。
個人的にはここまで簡単でわかりやすくなると苦手である。
観ている側の余地がない感覚とでも言うか、
押し付けられている感覚がとても苦手だ。
人生における迷いと選択がテーマであろう。
女性との会話で出る
「正しい道かどうかは重要ではない」
というセリフがコアになるのではないか。
つまり、選択そのものの重要性を説いているのだろう。
それらを表現するために、子どもという要素が必要であり
歩くおじさんも主人公との対比として登場している。
「やっと息子に会える日だっていうのに」的なセリフ
制限された関係性の暗示、生まれる事の暗示かもしれない。
進む過程でも、自己中心的にすすみ、子どもの違和感にも気がつかない様、
それによって、子どもそのものに向き合わない、大切にするという行為に酔っている男(夫)のシンボルとなっている。
そして安易な出口(答え)に進む際の
「俺は悪くない」というセリフと共に、子どもを置いて行く。
子どもと向き合わず、選択を他責にする者は、
前に進むことができない(8番出口から出れない)
一方、対比として描かれるのが主人公である。
話を聞き、子どもを一人の人間として対応する様、
困惑しながらも親になるということを自分で選択し、向き合うことの表現として写されているのだろう。
だからこそそれによって、子どもが人として確立していき会話するようになる。
そして、水によって流されることから子どもを救う事により
主人公の喘息を引き継ぎ「主人公の子供」として確定し、出口へ向かって行く。
続けて、選択と向き合った主人公も前に進む(8番出口から出る)
このような感じだろうか。
久々に眠たくなった映画だった。
しかしながら、面白いと評価する人がいるのも理解はできる。
わかりやすいし、だからこそ面白さを見つけやすい。
演技が上手いと話題になっているなんて風の噂を聞いたが、
何が該当しているのか、どのシーンなのか全くわからなかった…
個人的総評としては、わざわざ観なくていい でした。
