「回りくどい低予算制作作品?」8番出口 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
回りくどい低予算制作作品?
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地下道のなかを掲示物の一つであるエッシャーの騙し絵のように堂々巡りで繰り返される動作を観るたびに、『メメント』に近いようにも感じた。撮影場面がかなり限定されているので、低予算制作作品ではないかとも思われた。歩く男や女が奇妙な言動をするところは確かにホラーだった。迷う男がもっていたペットボトルの水を飲んで吐いたり、ぶちまけたりした荷物はどうなったのだろうか。少年が歩く男と一緒に階段を昇ろうとしなかったのは、迷う男と行動をともにしなければならなかったからなのだろうか。迷う男と少年との関係は、テレビドラマ『うみのはじまり』にも似た感じがした。地下道のドア越しに地下鉄列車内での行動の振り返りをしている場面をみて、ようやく意味が伝わってきて、回りくどく感じた。最後の行動に踏み出す場面があえて描かれなかったところは、『新聞記者』の結末にも似ていた。消極的な環境から勇気を以て抜け出す決意を示しているとすれば、『はてしない物語』の原作の主人公の行動とも共通していると思われる。
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