劇場公開日 2025年8月29日

「トランプ氏が8番出口を出るには…」8番出口 キョンリさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 トランプ氏が8番出口を出るには…

2025年9月27日
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鑑賞方法:映画館

怖い

単純

斬新

映画自体は単純明快、可もなく不可もなく、つまらなくもなく格段に面白いという訳でもなく…
それより私はこの作品を観ていて思い感じた事がある。米大統領トランプ氏は現在もう独裁と言えるほどの数々の横暴を行っているが、トランプ氏の立場になって考えてみると本人としては最後の大統領としての職、言いたい放題やりたい放題、内心楽しくてしょうがないのではないだろうか?金は持て余すほどあり、自分の一言によって株価が乱高下し世界の政治が動くのだから快感しかないだろう。どこかの国の言葉と行動がリンクせずやりたい事が出来ない総理とは雲泥の差…余命いくばくも無い人達の集まりなのだから一国の長になった時位好きな事やればいいのにといつも思っています…やっちゃえ!日産!もといやっちゃえ!総理!…の精神ですよ。トランプ氏はそういう意味では分かり易くて私の様な小市民には多少ながら逆に好感が持てる存在ではあります。しかし反面もう少し温暖化問題、これからこの地球で生きる若者達の為に政治を動かしても良いのでは無いかとも思う。その最初の一歩を踏み出せるのは今の地球上であなたしかいないのだから…
地球が無くなるという事は単純に生きる者全てが死ぬという事だし、そちらに手を付けた方がよりノーベル平和賞に近づけると思うが…しかしながら環境問題は一朝一夕で解決出来る問題でも無く…トランプ氏としてはロシアウクライナ戦争を終わらせる方が近道だと踏んでいるのかもしれない。何しろ大統領任期中期間限定という条件があるので…

ここで話を「8番出口」に戻しましょう…
このゲーム(映画)の肝は引き返すという行動に尽きると思うが、果たしてトランプ氏がこのゲームにトライした場合、今来た道を引き返すという選択をするのだろうか?そもそも引き返すという言葉がトランプ氏の辞書に書いてあるのか?来た道を引き返すという行為には相当な勇気と自信と覚悟がいる。それは手に持つスマホを書物に替えるという事と同義である。スマホを捨てる事が環境問題改善の一端になるとして果たして人類はそれを捨てる勇気を持てるだろうか?ここまで進んで来てしまった以上もう後戻りという選択肢はないのだろうか?
この作品を観ながらそんな色々な事が脳裏を走り、と同時にDIVOのアルバムの邦題「退廃的進化論」という言い得て妙な言葉を思い出してしまった。正に今の地球環境そのものが違和感…「8番出口」から出たいのであれば選択は「戻る」しか無い…

という訳で作品の出来云々ではなく忘れ去られた何かを思い出させてくれたという点で満点を付けさせていただきました…

キョンリ