「疑問と不快感と説教臭さ。結局何が言いたかったのかわからんかった。」8番出口 映画好きの豚さんの映画レビュー(感想・評価)
疑問と不快感と説教臭さ。結局何が言いたかったのかわからんかった。
今更ながら「8番出口」のレビュー(´・ω・`)。
ストーリー「喘息持ちの男(二宮和也)は今日の仕事先に向かっていた。満員電車の中では、泣く赤ん坊に男がいら立っている。駅を進んでいる途中、元カノ(小松菜奈)から妊娠したとの電話が入る。迷いながらも病院へ向かおうとする男だが、どれだけ歩いても駅の通路から出られないことに気づく。看板を見ると、いくつかのルールが書かれている。そして怪現象が起きていき…?。このループを抜け出すことは出来るのか、男の運命や如何に!」みたいな感じ。
Youtubeとかで有名な実況向きホラーゲームってことくらいしか原作知りませんでしたが、ホラー系好きなので観てきた。ですが、タイトル通り正直何を描きたいのかわからんかった(/ω\)。
■そもそも
・こういう「どうしよう赤ちゃんできちゃった…」みたいな始まりがキライです笑。品のない言い方ですが、「ヤることやったら、デキるもんできるやろ(´・ω・`)。アホなんか?」って話で。この始まりで、既にメインキャラの男女に不快感があった。
■何が主軸なのか
・観た人はわかると思いますが、基本的には「主人公が成長し、父親としての覚悟を決めていく物語」として描かれています。ループは人生の迷いや葛藤を表していて、それらを乗り越え出口に向かっていく。それはいいけど、これってホラーがベースなのよな?(´・ω・`)。原作を知らないけど、わざわざ成長物語入れる必要あったのか?
■おじさんと少年とJK
・本作のマスコットというか、インパクト絶大の「おじさん」ですが、この扱いが納得いかない(/ω\)。マジでなんであの描き方になったのか(゚Д゚;)。このおじさんの扱いで、今作の軸がわからなくなってしまったと感じた。
・上で書いた通り、主人公の成長物語なのであれば、おじさんは「主人公の対比」的な存在なのかと思っていた。「表面上はニコニコしてるけれど、中身は自己中心的で攻撃的」みたいな。でも、「めっちゃ頑張ってるいい人やん!(/ω\)」としか思わんかった笑。
・おじさんの続き
他の方のコメントとか見てると、「最後子供を置いて行ってしまったから」みたいな評価もありますが。何回もループして精神的に追い詰められても、子供相手に膝を曲げて目線を合わせ、手を取って歩こうとし、賛否両論あるであろう子供の戦犯シーンでも子供に直接当たり散らすこともしなかったし。自分の子供でもないのにメッチャ気を使ってたと思うんだけどなぁ(´・ω・`)。
・子供
個人的には最後まで喋っちゃダメだったろ、と思った。喋れんのかい!って。そのせいで、例のおじさんとのシーンが戦犯ムーブっぽくなっちゃってる。結局主人公とおじさんで対応が違いすぎる理由がピンとこなかったし、主人公とは親子なので当然かもしれませんが、そのせいでおじさんが不憫すぎるだろ。
・叔父さんパートに出てきたJK
超ノイズ。マジでイミフ。この人が出てきたとき、完全に妄想ですが、「おじさんは家庭にも会社にも居場所がなく、少女買春(パパ活?)に手を出した。その結果家族に追い出されて、完全に帰る場所がなくなった。」のかなと思ったんすよ(´・ω・`)。そして8番出口につかまったのかなと。おじさんが元既婚者で子持ちだったなら、子供相手に丁寧な対応ができたのも納得だし。上で書いた通り、自分はおじさんは主人公の対比だと思っていたので、「父親としての覚悟が決まり切らなかった、失敗した主人公の未来」として描かれているのかなと。でもおじさんメッチャ出たがってるし。「このままここにいてもいいんじゃないですか?」とか言われても、「出たいって言ってんだろ!」って話で笑。この女性はメタファー的な意味で、「性・欲望・誘惑」的な役割があったんだと思いますが、結局主人公とはカスりもしないし。ホントになんで出したのかわからないキャラだった(/ω\)。
・元カノ
台本の犠牲者。冒頭に「赤ちゃんできちゃった…」しかやらんせいで、「別れた男に人生の選択丸投げしてる人」みたいになっちゃってる。主人公が父親になるなら、アンタは母親になるんやで?って感じ。もうちょっと内容に介入してもよかったんじゃないかな?。主人公が全力で失踪してたら話終わっちゃいますぜ(´・ω・`)。
結論
タイトル通りですが、結局何が伝えたいのかわからなかった。主人公の成長ドラマがメインならおじさんもJKもいらんし、理不尽ホラーなら成長ドラマがいらんし。その上で「泣いてる赤ん坊への接し方」とか「父親としての覚悟」とか妙に説教臭いというか、負担押し付けてくるなー、って感じた(´・ω・`)。
批判されるかもだけど。満員電車で赤ん坊泣いてたらうるさいし不快だよ、ストレスだよ(怒鳴らないけどさ)。社会的にはもう他人でしかない元カノから妊娠告げられて、しかも元カノは自分の意見言わない(台本の都合だけど)もキツイでしょ。それらを「父親としての覚悟」パワーで乗り越えろ、って言ってるようにしか見えんかった。これが原作通りならともかく、わざわざこのストーリー用意した意味が伝わりませんでした。
得られるものがあったとしたら、「子供作る予定がないならちゃんと避妊しましょうね」ってことかな?(´・ω・`)。映画「8番出口」は壮大な性教育だった…?(゚Д゚;)
JKは、スマホ依存で異変を感じられない現代の若者へのメッセージで8番出口の住人になったのでは?主人公も電車内の異変に対してスマホとイヤホンで完全に遮断、異変を探す為に撮影をするが画面が黄色になって見れなくなる
スマホばかりで周りも見ない、記憶するにもスマホ、そんな現代人にいざと言う時にそんな物は役に立たない最後に頼りになるのは自分だよ人だよと言うメッセージの為に登場させたのだと思います
おじさんはJKに対して性的な目で見てたので、投稿者様の言う通り女性で失敗して迷い込んだのでしょう
るゆのあ さん
コメントありがとうございます。
あなたの考察が正しいなら、この作品はなおさら自分のレビュー通りなのではないですか?(´・ω・`)。
「8番出口とは男の成長物語にすぎず、このような見て見ぬふりに対する風刺なのです」と書かれていますよね。レビューに書いた通り原作のゲームを知りませんが、そんなに風刺を意識したものなのでしょうか。これも書きましたが、自分はホラーを期待して観に行きました。ニノを目当てに観に行った人もいるでしょう。でも監督が伝えたかったのは風刺なんですか?それは誰のためなんですか?るゆのあさんのように考察を楽しめる人でしょうか。
この作品を見に行く理由として、「8番出口という作品を知ってるorファン」「ニノ目当て」「有名なゲームが原作のホラーらしいから」「監督のファン」とかがあるとして、監督の描く風刺目当てで観に行く人がどれだけいるのでしょうか。
「ホラーとしても成長物語としても中途半端だなー。そのくせ説教臭い」って感じているのに、この作品は風刺なのです。と言われましても、それは作品の魅力を伝えるのに役立ってないのではないですか?風刺が好きな方からのポイントは高いのかもしれませんが、「そもそも風刺を観に来たわけではないのですが」って感じです。監督の思想を垂れ流すのが目的の作品だと知ってたら観に行きませんでしたし。しかもそれを、原作がある作品でやれば視聴者が期待してたものとズレがあるのは当然では?
この作品を楽しんだ方に文句を言うつもりはありません。自分では考えもしなかった考察ありがとうございました。
おじさんもJKもいるんだよな
まずJKは8番出口という空間が人の数だけある事を示している。
迷い込んでるのは迷う男だけでなく、もしかしたら誰もが陥っているのかもしれないと
また、おじさんは異変とは何かを定義付けました。
これももう一歩考察出来る余地があります。今作でのおじさんと迷う男の違いは子供に対する扱いではなく異変を見逃さなかったか否かです。
無口な子供は異変を探すのは上手い。そんな彼が立ち止まる。これこそが異変だったのです。
つまり、おじさんは子供の扱いを間違えたのではなく異変を見て見ぬふりをしたのです。
さぁ、ここで浮かび上がるのが異変とは何か。それは「見て見ぬふり」という事。
己の罪から、日常に潜む異変から
私達はそれを見ているはずなのにそれにアクションを起こせない。
8番出口とは男の成長物語にすぎず、このような見て見ぬふりに対する風刺なのです。
そう考えると色々つながりませんか?
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